バッハ「パルティータ第1番:第1曲」三人の登場人物として聴くと曲が良く理解できる:ラファウ・ブレハッチ
作曲者:バッハ
曲名 :パルティータ 第1番 BWV825 第1曲
演奏者:ラファウ・ブレハッチ
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★★★
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★
ブレハッチのパルティータの演奏がかなり良かったので、
どういうふうに聴いているのかを中心に紹介してみようと思う。
J.S. Bach: Partita No. 1 in B-Flat Major, BWV 825: I. Praeludium
この曲を聴くと安心するのは、構造がシンプルで美しいからだろう。
特にブレハッチの演奏は素直に美しいと思う。
この曲に登場するのは声部からいうと三人だろうか。
大きく歌を歌う一人を二人が優しく支えているように感じる。この親子のような三人の語り合いがメインの子供のような美しい歌声を軸に展開されていく。
この三人の性格と関係性が美しいかどうかを決めて表現しているのが演奏者になる。
ブレハッチの演奏だとこの三人の関係はスムーズで限りなく美しい。
上手く行っている幸せな家庭をイメージしているように感じる。
そしてこの三人の作るリズムが特徴的だ。このリズムが三人の関係と感情を表しているのではないだろうか。
だけどもグールドの演奏ではもっと現実的で感情がかなり混ざった感じの演奏になっている。ピレシュの演奏だともっと上品な三人の関係が表現されているし、どこか悲しみや力強さを感じる。
最初はこの曲は美しいから、どの演奏も同じように出来る限り美しい演奏になっているんじゃないかと思った。だけどこの曲というかこの三人の関係と感情の表現は、どの演奏者でも微妙に違うものになっている。まるで演劇に登場する登場人物がまったく違う人で構成されているかのように大きく違う事に驚いた。
つまりこの曲は、美しい曲だで終わるのではなくて、演奏者による感情表現の違いを楽しむ曲なのではないだろうか。
これだけ書いておいて三人の登場人物なんて居ませんよ。という大外れな私の解釈の可能性だってあるけども、そうするとこの曲の良さが私には今一つになるように思う。
