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ショパン「ノクターン第2番Op.9-2」ゆったりとした空間を作って維持させるのが難しい:クン=ウー・パイク

作曲者:ショパン
曲名 :ノクターン第2番 変ホ長調 Op.9-2
演奏者:クン=ウー・パイク
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★★★
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★

クン=ウー・パイクのノクターンの2番は凄い再生数になっていて、
今更取り上げるのもと思ったけども、どこがどういうふうに良い演奏になってるかを考えながら、紹介してみようと思う。

Chopin: Nocturne No. 2 in E flat, Op. 9 No. 2

クン=ウー・パイクは、私のところでも何度も取り上げたピアニストだから特徴や癖のようなものはある程度は知っているけども、それにしてもこのノクターンの2番の再生数が600万回近いのは、ルービンシュタイン並みのとんでもないことだと思う。ここまで演奏が支持されているのは興味深いので、私で理解できる範囲でこの演奏を分析してみようと思う。

まず気づいたのは、パイクは旋律を美しく歌わせているというよりも、旋律とリズムで穏やかでゆったりとした空間を作って維持することに集中しているように感じる。これはルービンシュタインも同じなんだけども、ゆったりとした空間をどう作って維持させるかというのがこの曲のもつ本質というか最大の特徴のように思う。

この空間を上手く作れないと旋律でいくら奇麗に歌っていたとしても、ノクターンの持つ独特な世界を上手く作れない。この空間の作りの上手さで演奏の評価も決まってくるように思う。これは何だそんなことかと思うかもしれないが、たぶんこの曲の演奏で一番重要なことだと思う。

特徴的なのは、空間を維持するのはもちろんリズムなんだけども、どんな色のどんな性質の空間なのかを決めているのは旋律にあることだと思う。
だけど、この曲は作りが意外とシンプルなことに驚いた。それで難易度が低いと言うわけじゃないけども演奏者の腕の差が良く出る曲なのではないかと思った。
この特徴的な空間の作り方を最初にやったのがショパンかどうかは知らないけども、のちのちフォーレやドビュッシーといった者たちの立体的な空間表現に与えた影響がとても大きいのではないかと思う。

この演奏で聴くべきところは旋律であるのは変わらないんだけども、その旋律がどんな空間の上で歌っているのかを空間を感じながら一緒に聴くともっとこの演奏は良いものに聴こえるんじゃないかと思う。

思い返してみると私はノクターンには美しい旋律や説得力を求めたけども、この独特な空間構造がどうなってるかを考えて曲を選んでいたわけじゃなかった。そう考えると今回の記事でノクターンとは何かを少しは理解できたように思う。


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