ブラームス「ピアノソナタ第3番」心の動きとして聴くと見えてくる:ネルソン・フレイレ
作曲者:ブラームス
曲名 :ピアノソナタ第3番 ヘ短調 Op.5 第1楽章
演奏者:ネルソン・フレイレ
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★☆☆
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★
最近ぜんぜんブラームスをやってなかったから、
貴重なピアノソナタを取り上げてみようと思う。
Brahms: Piano Sonata No. 3 in F Minor, Op. 5 - 1. Allegro maestoso
ブラームスは難しい。リストやバッハほど音を詰め込んではこないけど、
ラフマニノフみたいに広い音域を使わずに音を圧縮して表現してくる。
音の厚みや重さの中でこれは何なんだろうと意味を探さないといけなくなる。それが中々大変なのだ。
この第1楽章はとても良い作りだけども、
誰の演奏で行くかというと、かなり困った。
キーシン、フレイレ、カッチェン、カーゾンといい演奏が揃ってるからだ。
いい機会だから、どういう解釈がいいかを探りながら書いていこうと思う。
この第1楽章は旋律を歌わせるのが難しいと思うほどに旋律が短い。
じゃあリズムだけ集中してればいいのかと言うとそうでもない。
この曲の作りは一体なんだと思うけども、リズムも旋律も全てを合わせての心理描写つまり心の動きだと考えると急に理解できるように思える。
ベートーヴェンは旋律に感情を込めたけども、ブラームスはリズムも旋律も全てを使って感情を表現してきたわけだ。
そう考えるとフレイレの演奏がとても納得できるものに感じられてきた。
多少落ち着きがありすぎる気はするけども、威厳をもちつつも揺れる心の動きを上手く表現できているように思う。
フレイレの重さのある打鍵がとても説得力を持っていると感じる。
若い時のブラームスの激情みたいな感情の動きがこの演奏なら良くわかる。
この演奏は若いころのブラームスの激しい心の動きを表現していると思って聴いてみると理解できる。旋律は余り歌わないけど感情の揺れ動きとしてなら良くできた曲だなと思う。
