フランツ・リスト「タランテッラ」難曲だけど整然と弾ける人も居る。ラザール・ベルマン
作曲者:フランツ・リスト
曲名 :巡礼の年 第2年への追加 ヴェネツィアとナポリ S162
第3曲 「タランテッラ」
演奏者:ラザール・ベルマン
この曲はいい曲だけど難曲だ。
聴いてるほうですら、どの演奏が正解か理解できなくなる。
だけどもそこにベルマンの演奏が出てくると話は変わる。
Liszt: Années de pèlerinage II, Supplément (Venezia et Napoli),
S. 162: III. Tarantella
一見するとこの曲は低音も中音域もきっちり鳴らす演奏が華やかで正解な気がする。だけども実際は中音域を強く出すと他の音に干渉してしまう。だからこの曲は派手に演奏することをある意味では封じられているとも言えるかもしれない。
ラ・カンパネッラではギリギリまで旋律に踏み込んだ演奏が良かったわけだけどもこの曲の構造はそれが逆効果になるわけだ。
だから同じ解釈でやると失敗しやすい曲と言えるのかもしれない。確かに旋律を強くすることは美しい。だけどこの曲にはそれをやるための隙間がなかったのだ。
ところがベルマンは抜群に音のコントロールがうまくてギリギリでぶつけない。多少ぶつけても攻めの姿勢があれば良いかと思っていたけども、この演奏を聴いてしまうと、あぁこれが答えだなと思ってしまう。
ベルマンは超絶技巧だと言うけれどアムランに比べても演奏が派手だ。
だけどもそれは驚くことに音をコントロールできる範囲内で派手なのだ。
この演奏を聴いてしまうと音が揃ってないのに攻めに行くなと言いたくなる。それくらいにベルマンの音の揃い方は異様だ。
まるで軍隊でも行進しているような恐ろしさがある。
あぁ超絶技巧ってこういう音の揃い方がするんだったなと思い出す。
本気のホロヴィッツと争うんじゃないかと思えるほどだ。
ベルマンのラ・カンパネッラが聴きたくて探したんだけど残念なことに無い。あの曲ならもっと腕前が見れただろうに。
この曲の演奏の答えが欲しくて色々と聴いてみたけども、ベルマンほどはっきりした答えは他になかった。これ以上の演奏ってあるのかと疑問に思えるほどに圧倒していた。知らないピアニストはまだまだ多い。
