シューベルト「ピアノソナタ第19番」晩年の大事な曲だからこそ。内田光子
作曲者:シューベルト
曲名 :ピアノソナタ第19番 ハ短調 D958 第1楽章
演奏者:内田光子
シューベルトの19番って大事な曲だ。
ブレンデルの良い演奏があるからそれにするかと悩んだけども、
内田光子を選んだ。
Schubert: Piano Sonata No. 19 in C Minor, D. 958: I. Allegro
内田を選んだのは打鍵の深さの差だ。
ブレンデルよりも内田のほうが打鍵が深かった。
つまり内田は打鍵を深くしても崩れなかったということだ。
第4楽章に影響が出ている気はするけど、
このちょっとした差はとても大きいと思う。
なぜなら表現力の差になって音に出るからだ。
私が内田光子を知ったのは随分と前だけど、ケンプと似たタイプのピアニストとして分類していた。それだとケンプの演奏を聴けば十分だなと思っていたから余り聴いたことはなかった。特にシューベルトはケンプの演奏を聴いていれば間違いないと私は思っていたのだ。
それでシューベルトの曲を確認するために久しぶりにそのピアノを聴いてみておやと思った。確かにケンプタイプの音が丸くて弱音を上手く使うピアニストなんだけど。音がケンプよりも澄んでいることに気づいた。それはつまりケンプよりも打鍵の速度がほんのちょっとだけ速くて強いのだ。それでいて曲の構造にギレリスのような力強さを感じる。最初はたまたまかと思って他の曲を聴いてみたけどもやっぱり感じる。
内田とケンプには交流があったけど、ギレリスの影響ってと不思議に思った。だけど内田の目指した到達目標がギレリスと似た方向だったと思うようにした。ケンプと音も骨格も似てるんじゃ被ってしまうから、違う方向に行く必要があったとも思う。
記事を書いていて改めて内田光子と言うピアニストをちゃんと評価できていなかったことに気づく。だけど色んな人の演奏を聴く機会って昔はそんなになかった。上手いピアニストを10人も知ってたら満足できていたのだ。今みたいにクリック一つで演奏や音をチェックできるのは恐ろしいくらいに便利になったと感じる。
