ハイドン「ピアノソナタ第60番」満足感の高い演奏っていいよね:スヴャトスラフ・リヒテル
作曲者:ハイドン
曲名 :ピアノソナタ第60番 Hob.XVI:50 第1楽章
演奏者:スヴャトスラフ・リヒテル
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★★☆
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★
ハイドンのピアノソナタの60番って
人気も高いけど、リヒテルの演奏では、
どんな特徴が出るのかなどを紹介してみようと思う。
Piano Sonata in C Major, Hob.XVI:50: I. Allegro
この演奏をしばらく聴いていて思ったのは、
リヒテルのこの演奏はハイドンなんだけども、まるで出来の良いベートーヴェンのピアノソナタでも聴いてるみたいだなと思った。
だけどベートーヴェンの曲ならこんなに綺麗に音が流れて行かないんじゃないかと思う。綺麗にリズムが流れていく構造だとでも言えばいいんだろうか。そこがハイドンやモーツァルトとベートーヴェンとの時代の差じゃないかと感じる。
この演奏はリヒテルにしては随分とリズムカルだ。
それでも良く聴くと1音1音がほんの少しだけ重い気がする。
つまりそれは、少しだけ旋律を重視した弾き方になっているからだと思う。リズム重視の演奏ではあるんだけども、この少しの音の重さがリヒテルらしい個性の出し方なんじゃないかと感じる。
ハイドンを少し重く弾くとベートーヴェン的な演奏に聴こえる。
そこは、この弾き方が人によって評価が分かれるポイントかもしれない。
だけども、何度か演奏を繰り返し聴いて気づいたのは、この演奏は聴いた後の満足感が高いということだ。
満足感が高いかどうかっていうのは演奏としては優先されることじゃないだろうか。リヒテルやケンプ、ルービンシュタインと言ったピアニストの魅力に、この満足度の高さがあるんじゃないかと思う。
この演奏での聴きどころは、リズムと旋律のバランスの取り方だと思う。
ほんの少し音を重くすることで1音1音の音が綺麗になってそこにとても魅力を感じる。そのバランスの取り方を中心に聴いてみると、この演奏が更に良いものに聴こえるんじゃないかと思う。
