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ラヴェル「古風なメヌエットM.7」ラヴェルは初期から既に凄かった:ベルトラン・シャマユ

作曲者:ラヴェル
曲名 :古風なメヌエット M.7:Menuet Antique
演奏者:ベルトラン・シャマユ
リズム:★★★★★
旋律 :★★★★☆
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★

ラヴェルの初期の作品だけども、
どこが凄いのかを中心に紹介してみようと思う。

Menuet antique, M. 7


この曲は旋律が美しい。まずは聴いてそう思った。
この曲をちゃんと聴いたことなんてそんなになかったと思うけども、
改めて聴いてみると旋律が美しいなと感じる。

だけどラヴェルの最初期の作品だから旋律は美しいということは、
それだけリズムの作りが後回しになっているんじゃないかとも思った。
メヌエットと言う舞曲の枠を使っているけども、その中で旋律をどう美しく見せるのかを考えた曲じゃないかと思ったのだ。

そして次にリズムを確認してみると、作りが変なことに気づいた。
まるで定規で引いたようにきっちりしているのだ。

さらに驚いたのは曲の構造だ。
リズムと旋律の並びが、やけに整然としていて整っていることに気づいたのだ。
まだこの曲でのラヴェルは旋律の美しさを優先させたものではあるものの、
後のラヴェルの立体的で高度なリズムにはまだ感じない。
だけどこのリズムと旋律がきっちりとした機械式の時計の歯車のように並んでいるのは、ラヴェルの特徴としてあった精密さがこの頃から既に出ているのではないかと感じたのだ。

この曲からはリズムを揺らすような隙間が無いようにも感じられる。
これはメヌエットと言う舞曲にしてはリズムがきっちりと整いすぎているんじゃないかと感じるのだ。
これはつまり曲の構造として緻密に計算された設計から来ていることの証明ではないか。この頃から既にラヴェルの設計の精密さがここにでているのではないだろうか。

この演奏の構造を感じてみると、きっちりとした機械式時計の歯車がカチカチと動いているのが構造として感じられる。
つまりこの曲は旋律の美しさが目を引くけれども、本当に見事なのはリズムをはじめとした構造の美しさというよりも、整然とした並びとその歯車のような動きにあるのではないかと思う。

ブラームスの曲のように構造が美しいのとはこの曲の場合は違うけども、構造が見事なまでにきっちりと並んでいる綺麗さがあると感じる。
それだけこのラヴェルの曲の構造は、緻密に曲が設計されていると言えるのではないかと思う。
この曲は、旋律を優先することと、構造が精密であることが、きっちりとしたバランスで両立している曲のように思う。これはかなりレベルが高いことなのではないだろうか。

時計に例えてみると、機械式の時計は表面の文字盤は美しく作られている。だけどもその時計の本当の凄さは文字盤の下にある歯車の並びと、その動きにある。その機械式時計の仕組みのような見事な構造をこの曲は持っている。

この曲の聴きどころは、旋律に目が行きやすいけども、旋律とリズムが一体になった時の正確な音の流れを感じてみて欲しい。旋律だけを美しいと感じるのとは違った心地よさがこの演奏から伝わってくるようになると思う。

この精密なラヴェルの曲の演奏を普通にしてるように見えるシャマユもかなりのものではないかと思う。この演奏がなければ私はここまで、この曲が凄いとは感じれなかったかもしれないなと思う。ラヴェルの演奏ではやはりシャマユの演奏は凄いなと改めて思う。






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