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モーツァルト「ピアノソナタ第17番:第1楽章」旋律を美しく支えるって大事だね:アルフレート・ブレンデル

作曲者:モーツァルト
曲名 :ピアノソナタ第17番 変ロ長調 K.570 第1楽章
演奏者:アルフレート・ブレンデル
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★★★
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★★

ブレンデルのモーツァルトの演奏はあまり取り上げてこなかったけど、
素晴らしい演奏があったから紹介してみようと思う。


Mozart: Piano Sonata No. 17 in B-Flat Major, K. 570: I. Allegro

この17番は、どうも歌わせ方が大事に思う。

この曲は解釈によって旋律が明らかに歌っているのと、語りかけているのとでアプローチの仕方が違っているように思う。
この違いは大きくて曲の作りがかなり違って聴こえてくる。

ブレンデルの演奏を選んだのは、歌わせ方が気に入ったからだ。
ブレンデルは旋律で歌を大らかに優しく歌い上げていて、それをリズムや装飾が優しく支えていく。この歌を支える構造がとても美しいと言うか気持ちが良い。
この歌を優しくふわっと包み込むように支えていくのってかなり難しくて、よほどのピアニストじゃないとこの気持ち良さがなかなか出ないように思う。

そしてブレンデルで、これはと思ったのは、その音の空間を使う広さが大きいことだ。上手くは言葉にならないんだけども、大きく広がりのある演奏をする音が空間に大きく広がっていって1音1音の音がより美しく感じられて、気持ち良さが出るように思う。これはケンプにも感じることではあるんだけども、これがやれる人の演奏は聴いていて驚くほどに気持ちがいい。

この演奏を聴く場合にはブレンデルが旋律をどう歌わせているかは勿論大事なのだけど、それをリズムや装飾がどう美しく支えているのか。そして空間を大きく使った音がどう響いて美しいのかを感じながら聞いてみて欲しい。そこの分かりにくい関係が良く分かると、急にこの演奏の美しさを感じれるんじゃないかなと思う。

最近バッハの記事を増やしてバッハを少しでも理解しようとしてるのだけども、そこで歌うってなんだろう。それを支えるってなんだろうと。何度も繰り返し考えてきた道をまた繰り返している。
ただ旋律と伴奏がありましてという関係じゃなくて、バッハの声部が支えあっている関係をみると、歌を支えるってこういう事かと思うようになる。
モーツァルトのこの17番も、曲の構造として上手く旋律とそれを支える構造を作ってあるように思う。そこが17番の最大の特徴じゃないかなとも思う。

この曲の話しだけではないけども、その上で気になるのがブレンデルやケンプの歌わせ方で、それをどうリズムや装飾で支えているのかが気になって仕方ない。この二人の歌わせ方と支え方は、聴けば聴くほど良いものに思えてくるから、出来るだけ記事にして文章として頭の中で整理しておきたいことだなと思う。

と、書いているとブレンデルにとってケンプは歌を歌わせる上でも大きな影響があったんじゃないかと思う。私がこの二人の歌わせ方が似てるなと思ったのは偶然だけども、調べてみるとブレンデルはケンプの影響について結構言葉を残しているんだなと気づいた。特にこの二人が使う空間を大きく使う演奏は、あぁそうかケンプの講堂でのオルガンの響かせ方から来ているのかと何となく理解することが出来た。


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