見出し画像

アルベニス「ナバーラ:Navarra」ドビュッシーと違うけど目指した所は似てる:ラローチャ

作曲者:アルベニス
曲名 :ナバーラ 変イ長調
演奏者:アリシア・デ・ラローチャ
リズム:★★★★☆
旋律 :★★★★☆
構造 :★★★★☆
満足感:★★★★☆

アルベニスの曲は聴く上でも難しいのが多いけど、
なんで難しくなるのかどういう方向に向かってる曲なのかを
紹介してみようと思う。


Albéniz: Navarra

この曲はアルベニスが亡くなったあとに、弟子であったセヴラックによって補筆されて完成した曲だけども、アルベニスの匂いもちゃんと残っていてとても良くできている。

アルベニスの曲っていうのは、演奏するのも曲を聴くのも難易度が高い。
その難易度の高さがいい曲もあるのに敬遠され易いのかなと思う。

この演奏の聴きどころは、リズムからくる文化や情景の表現を、こんな音楽が流れる街並みや風景ってあるよねと、想像しながら聴くことだと思う。
そこが同じく情景を音で表現するドビュッシーと似てるけど違うところだと思う。

アルベニスを語るうえで代表作になるのはやっぱりイベリアだ。
私だとイベリアは聴き慣れているし気持ちよく聴ける。
だけど、この曲は難しくて慣れていない人には中々敷居が高い。
だからアルベニスの初期の作品であるスペイン組曲を聴くのもいい手かなとは思う。スペイン組曲はわかりやすい曲だ。ドビュッシーで言えばベルガマスク組曲と同じく初期のもつ素直なリズムと旋律を楽しむことが出来る。

アルベニスはイベリアのように曲を難しくて何をしたかったのかと言えば、地域の文化とその情景をリアルに表現する事だったと思う。どんどん文化や舞踏をリアルにしようとして難しくなっていった。

この難易度の変化の仕方ははアルベニスと仲の良かったドビュッシーも同じで、表現が複雑になるほど難易度が上がっていって聴くのも難しくなっていく。アルベニスとドビュッシーって言うのは曲の作りは違うんだけど表現しようとしていた世界観や情景というものでは共通する部分が多いと思う。
ドビュッシーが深く物事を掘っていったのに対してアルベニスは広く文化や情景に関する情報量を横に広げていった感じだ。

アルベニスの弱点は曲が難しくなってもドビュッシーのように色彩が奇麗だね雰囲気がいいねで済まされることが出来なくて、地域の文化を表現したり舞踏などのリズムなどそれらをちゃんと理解しながら聴いていかないと世界観が見えてこない。そこが演奏者だけでなく聴く方にも難しく感じさせるところじゃないだろうかと思うし、そこがドビュッシーとの違いじゃないだろうか。

ラローチャの演奏はアルベニスの高い要求に応えるためにリズムを重視していて旋律が弱くなる。そうすると満足感も出なくなるから中々にしてアルベニスの演奏は難しいんじゃないかと思える。 


いいなと思ったら応援しよう!