物語の主人公は自分Ⅱ|探求が止まる本当の理由と、デザイン思考での組み直し方。
このシリーズでは、ヒロT先生とモブ太の対話から始まります。実際にあった出来事や、現場で感じてきたことを通して、今まさに迷ったり、立ち止まったりしている人が、「もう一歩、動いてみようかな」と思えるきっかけを
届けたいと思っています。
今回のテーマは、
「探求が止まる本当の理由と、デザイン思考での組み直し方」です。探求がなぜ“発表で終わってしまうのか”。前回の続きを、もう一段深く見ていきます。物語が動き出す、その瞬間をヒロT先生とモブ太の掛け合いから始めます。
モブ太「先生、前回探求が発表で終わらない授業にしたい、そう言われましたよね」
ヒロT「言うたよ。」
モブ太「じゃあ、どこを変えたらいいんですか?」
ヒロT「変えるんやなくてな、探求の“流れ”を組み直すんや」
モブ太「流れ…?」
ヒロT「内容は素晴らしい物がたくさんあるから、そのままでもOKやで」
ヒロT「そして、その話の最後に出てくるのが“ワクワク”や」
モブ太「じゃあ先生、ワクワクさせてくれる先生になれば探求はうまく行くんですか?」
ヒロT「ええとこ突くね~。ワクワクは心構えみたいなもんやね」
モブ太「おー、本番はここからですね」
ヒロT「うん、肝心の中身のワクワクがないとね」
モブ太「中身…授業内容ですね!」
ヒロT「例えば前回、地域の老舗のお店を取材して、調べたことをスライドでまとめて発表した話聞いたやろ」
モブ太「はい、内容も良くてみんな拍手で終わったんですよね。」
ヒロT「そう、その時、『そこで得た考えを、このあとどう広げていくつもり?』て質問したら」
モブ太「そこまで考えてません…でしたね。」
ヒロT「ある意味そこまでよく頑張ったと思うよ、本当に!」
モブ太「ですよね、高校生レベルではその辺が限界かと…」
🌟探求が止まる「本当の理由」①
発表が“ゴール”として設計されている
発表が終わった瞬間、教室の空気が
「はい、お疲れさまでした」になる。
これ、誰も悪くないんです。
でもその時点で、探求は静かに終わってしまう。
ヒロT「探求が止まるんじゃなくて、最初から”止まる場所が”用意されている」
🌟探求が止まる「本当の理由」②
問いが「調べる用」になっている
・老舗故にお店の歴史を調べる
・お店や商品の特徴をまとめる
こうした問いは、取材やヒアリングで調べたら終わります。
大切なのは、
「調べたあと、自分ならこのお店の良さをどう拡げていくか」を考えること。
提案してみて初めて、
・現実的にできること
・難しいこと
が見えてきます。
ヒロT「その問い、考えるためじゃなくて、調べ終わるためになってませんか?」
🌟探求が止まる「本当の理由」③
「次の一手」を考える役割が、誰にも割り当てられていない
・生徒:評価範囲外
・先生:時間も経験も足りない
・誰も悪くない
探求が止まるのは、生徒の力不足ではありません。
「続きを考える席」が、最初から用意されていないだけです。掘り下げて考え、行動することは、普段の授業の中ではなかなかできません。
なぜならば問立てに対して掘り下げるだけの時間や余裕が無いからです。
調べる、考える、行動する。
一連の難しいフレームワークを覚える前に、
まず「ゴールの置き方」を変えるだけでかなり気持ちの余裕ができると思います。
デザイン思考での「組み直し方」
組み直し①
ゴールを「発表」から「変化」にずらす
・誰に何が起きたら成功か
・何が少し変わればいいのか
組み直し②
問いを「調べる問い」から「試す問い」へ
・どうすれば〜できるだろう?
・もし○○したら、何が起きるかな?
組み直し③
「考える大人」が横に立つ
・教える人 → 伴走する人
・正解出す人 → 問い返す人
こうした組み直しの中でも
やはり③の「考える大人=先生」が横に立つことで学生は安心します。
先生だから何でも知ってて当たり前というよりは、
一緒に考え伴走してくれる先生の方が楽しいと思います。
そして正解を出す人は、立てた問いを返す人です。
つまり学生です。
その結果、
学生自身が少しずつ自信をつけていく。
そんな探求の場を目指してほしいと思っています。
📣次回予告
では、この「組み直し」を
実際の授業やワークに落とすと、どんな形になるのか。
次回は、
「探求が動き出すワークの設計」について、
もう少し具体的に話してみます。
