物語の主人公は自分Ⅱ|2026年、ヒロTの挑戦宣言。
このシリーズでは、ヒロT先生とモブ太の対話から始まります。実際にあった出来事や、現場で感じてきたことを通して、今まさに迷ったり、立ち止まったりしている人が、「もう一歩、動いてみようかな」と思えるきっかけを
届けたいと思っています。
今回のテーマは、
「2026年、ヒロTの挑戦宣言。」です。物語が動き出す、その瞬間をヒロT先生とモブ太の掛け合いから始めます。
モブ太「先生!あけましておめでとうございます」
ヒロT「モブ太くん、あけましておめでとう。2026年がはじまったな」
モブ太「はい、ぼく、今年こそ自分が決めた目標を達成したいと思います!」
ヒロT「お~正月明けやけど気合入ってるな。で、どんな目標立てたん?」
モブ太「いや、今日は先生の今年の目標を聞きたいんですよ。いっつも僕の話ばっかりやし」
ヒロT「そうやね、年末に”デザイン思考ワーク実践講座をつくる”て話したもんな」
モブ太「それそれ!その話の続きを聞きたいんです。さすが何十年もデザインの現場にいてる人は違うな~て。学ばせてもらおうかと!」
ヒロT「けっこうプレッシャーかけてくるやん(笑)」
モブ太「だってデザインと教育現場に3、40年もいてはったら、構想も考えてることもきっと凄いやろうって思ます!」
ヒロT「ははは、まぁね、学生からしたらそう見えるわな」
ヒロT「この前な、ある学校の社会実習・探求研究の発表を見る機会があってん」
モブ太「探求の授業ですか?」
ヒロT「そう。地域の老舗のお店を取材して、調べたことをスライドでまとめて発表してた」
モブ太「ええやないですか」
ヒロT「うん、発表自体はな。拍手もあったし、本人らも嬉しそうやった」
ヒロT「でも、感想を求められた時に僕はこう聞いたんや」
ヒロT「“そこで得た考えを、このあとどう広げていくつもり?”」
モブ太「……」
ヒロT「返ってきた答えは“そこまでは、できていません”やった」
ヒロT「それ聞いてな、このまま終わるのは、もったいないと思ったんや」
モブ太「どういう意味ですか?」
ヒロT「探求ってな、発表して終わりちゃう」
ヒロT「・その店をどう社会に返すか・どうすれば地域を超えて知ってもらえるか、そこまで考えて、初めて“探求”になる」
😞学生だけでは難しい、という現実
モブ太「でも、それって高校生だけでは難しい気もします」
ヒロT「そう思うか!そこが一番の問題やな」
ヒロT「学生は一生懸命やってる、でも“次の一手”を設計できる大人が、現場におらん」
ヒロT「たった一校でこの状態やったらな……」
モブ太「……」
ヒロT「全国で探求学習やってる学校でも、同じこと起きてる可能性、高いと思わへんか?」
モブ太「そうですね、高い気がします」
ヒロT「そこで思ったんや」
ヒロT「現場で困ってる先生や関係者が、デザイン思考を“使える形”で身につけたら授業、かなり変わるんちゃうかって」
モブ太「それが……」
ヒロT「デザイン思考ワーク実践講座をつくろうと思った理由や」
ヒロT「だからな、2026年の挑戦宣言はこれや」
ヒロT「探求が“発表で終わらん授業”になるように大人側を、アップデートする」
ヒロT「ただな……じゃあ具体的に“何から変えればええんか”は、まだ誰も教えてくれへん」
📣ちょっと聞いてください
現場で何度も見てきたのは、「よく調べているのに、そこで止まってしまう探求」です。
発表資料はきれいにまとまっている。調査も真面目。本人たちも達成感はある。
けれど、その学びが次の行動や社会との接点につながらないまま、静かに終わってしまう。
私はそこに、ずっと引っかかりを感じてきました。
それは「やり切れていない」からではありません。
むしろ、「ちゃんとやっている」からこそ起きている違和感です。
問いを立て、調べ、考え、まとめる——
その一連の流れの“次を設計する視点”だけが、ぽっかり抜け落ちている。
そしてその役割を、本来担うはずの大人側が、十分に言語化できていない。
私はそう感じるようになりました。
だからこそ必要なのは、正解を教えることでも、熱量で引っ張ることでもありません。
「この先、どんな可能性が考えられるやろか?」
「別の見方をすると、何が見えてくるやろ?」
そんなふうに、一緒に“次の一手”を設計できる存在です。
だから私は、「もっと頑張れ」と背中を押すのではなく、“次の一手を一緒に考えられる大人”を増やしたいと考えました。
デザイン思考は、特別な才能を持った人のためのものではありません。
現場で迷い、悩みながらも、「このままでええんやろか」と立ち止まったことのある人にこそ、使ってほしい考え方です。
このnote連載では、完成された答えを見せるつもりはありません。私自身が現場で感じてきた違和感を出発点に、どう考え、どう試し、どう修正していくのか。そのプロセスごと、正直に書いていこうと思っています。
もし今、
「探求の授業、これでええんやろか」
「発表で終わらせたくないけど、次が見えない」
そんなふうに感じている先生や関係者の方がいたら、この連載が、次の一歩を考えるヒントになれば嬉しいです。
🎁【次回予告】
モブ太「先生、じゃあ探求授業って、どこから設計し直せばいいんですか?教員を目指す僕も知っておきたいです!」
ヒロT「これまで“当たり前”とされてきた探求授業の流れを、デザイン思考で分解してみよう」
次回、
「探求が止まる本当の理由と、デザイン思考での組み直し方。」
です!
