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銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (16)第9話「クロプシュトック事件」

OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen

このnoteでは曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。

今回は第9話「クロプシュトック事件」
銀河帝国の貴族、クロプシュトック侯爵の話。原作では外伝1巻に収録されています。


あらすじ

クロプシュトック侯は帝国門閥貴族の名門だったが、フリードリヒⅣ世が即位する際の権力闘争に敗れて以来、社交界から追放されていた。この日、久しぶりにブラウンシュヴァイク公のもとを訪れた彼は、近々ブラウンシュヴァイク公が開くという皇帝臨席のパーティーへ自らも出席できるよう懇願する。

曲について

01:33 トレッリ《トランペット・ソナタ G. 1 第1楽章》
――フリードリヒⅣ世

G. Torelli – Sonata for trumpet in D major G. 1: I. Andante
オープニングナレーション。皇帝フリードリヒⅣ世についての説明です。

この曲は (12)第5話「カストロプ動乱」 で出てきました。
その際はタイトルを「5声のソナタ」としており、そしてリストの原題に「G.3」と書いていましたが、このたび、正しくは「G.1」だということが判明しました。
前回、おかしいなあ、IMSLPに楽譜がないなあ、と謎のまま終わっていた件ですが、「5声のソナタ」のところではなく「トランペットソナタ」のところにあったので見つけられなかったのです。
というわけで、
リストでは、この曲のタイトルは
「Sonata for trumpet in D major G. 1」
にします。
経緯については、よろしければ下記をご覧ください。でも銀英伝とは全然関係ありません。

このトランペットソナタが使われているのは、
▻第5話「カストロプ動乱」
▻今回
▻第37話「幼帝誘拐」
のみです。どれも銀河帝国(古いほう)の貴族の話ですね。さわやかで明るくて品のある曲です。


05:43 ショパン《ノクターン第9番》
――ブラウンシュバイク邸に出かける前のラインハルト

F. Chopin – Nocturne Nr. 9 B-Dur, Op. 32 Nr. 1
いつもの私にとってのラインハルトのテーマ。今回は頭からではなく途中から、こちらの31秒のところからです(短くてすみませんー)。

パーティーに行きたくないとごねるラインハルトさまを、キルヒアイスがなだめます。
ラインハルトさまは礼服をお召しになっています。かっこいいですよねー。
ノイエで軍服クリーニング班が出てくるシーンを見て(48話「フェザーン占領」)、そうか軍服っていわゆる「貸与」ってやつかと思いましたけど、元帥だとオーダーメイドでしょうね。

それと、外伝「千億の星、千億の光」でラインハルトさまがお召しになっていた礼服が気になっています。あの頃は中将でしたっけ? 普段の軍服が燕尾服のようになっていて、スカーフもつけているんです。おもしろーい。
ミッターマイヤーだと自分の結婚式のとき、ラインハルトさまの戴冠式のとき、結婚式のときが礼服でしたね。

06:28 ヘンデル《水上の音楽 第1組曲 第3曲 アレグロ》
――ブラウンシュバイク邸に到着

G. F. Händel – Wassermusik, Suite Nr. 1 F-Dur, HWV 348, III. Allegro
初・ヘンデルです。
ヘンデルはドイツ出身ですが、イギリスに帰化した人です。この曲はイギリス王ジョージ1世の船遊びのための音楽です。
そんな曲ですので、ブラウンシュバイク邸の場面に合いますね。

この第1組曲はこんな構成です。

第1曲 序曲(ラルゴ - アレグロ)
 💛ミッターマイヤーの結婚式で流れる曲です。
第2曲 アダージョ・エ・スタッカート
第3曲 アレグロ
第4曲 アンダンテ
第5曲 メヌエット
第6曲 エアー
第7曲 メヌエット
第8曲 ブーレ
第9曲 ホーンパイプ
第10曲 アレグロ・モデラート

このカタカナ、なんじゃらほいですが、踊りの名前だったり、速度や形式の名前だったり、かと。
それぞれ形式があって…たとえば、A-B-A(はじめ、まんなか、またはじめ)になってるとか、リズムが決まっているとか、ゆっくりとか速いとか、拍子が決まっているとか、何かの後には何かがきてまたどこかを繰り返すとか…そういうのだと思います。私の経験上。

09:00 ヘンデル《水上の音楽 第1組曲 第5曲 メヌエット》
――ルドルフ大帝の肖像

G. F. Händel – Wassermusik, Suite Nr. 1 F-Dur, HWV 348, V. Menuet
クロプシュトック侯からブラウンシュヴァイク公へ、ルドルフ大帝の肖像画が贈られます。ラインハルトが会場入りし、その絵を見上げるシーン。

今度は5曲目です。この第1曲組曲の中では、この5曲目は耳にしたことがあるように私は思います。CMで使われていたとか、そういうのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
「メヌエット」3拍子の舞曲、ここでは弾むような明るく元気な曲です。

この「水上の音楽」は、第2組曲、第3組曲もあります。
第2組曲の2曲目は「アラ・ホーンパイプ」といって、全体の中でいちばん有名な曲です。学校で習った…ような気がします。小学校で。

11:03 ウェーバー《舞踏への勧誘》
――姉の身に気をつけるんだな

C. M. von Weber – Aufforderung zum Tanz, Op. 65
ブラウンシュバイク公のパーティー会場で、フレーゲル男爵とラインハルトが話す場面…というか男爵が勝手に説明してあげているように思えますけど。いつもちょっかい出してきますよね。
彼が「姉の身に気をつけるんだな」と捨て台詞をはき、笑いながら去っていくところで、ちょうど曲がぴったり「じゃーん」と終わるように流れています。

ウェーバーという名前は有名だけれど、さて、何を書いた人?と聞かれて私は何が答えられるだろう…と考えて『魔弾の射手』『オベロン』『舞踏への勧誘』…かなあと思います。ただし、私は前者2つは曲が思い浮かばず。
そうそう、ピアノソナタもあって私には「本当に上手な人が弾く曲」という位置づけです。普通の人は、それ相応に難しくてがんばったら映える曲を弾く。上手な人は、テクニック的にも難しい曲を弾く。本当に上手な人はマイナーな曲を、技術的なことを超越して素敵に弾く…という、こちらにあたります。

ちなみに、オベロンと言われると、オーベルシュタインの何かとか思っちゃいませんか? 「真夏の夜の夢」(最近は「夏の夜の夢」というみたいですね)に出てくる妖精王ですが、私が最初に銀英伝にはまっていたとき、友人とオーベルシュタインのあだ名?!と笑いあった記憶があります。
まあ、まったく関係ないかと。

ところでこの「舞踏への勧誘」は、わが家では「夕方クインテット」のCDに入っている曲ということで認知されています。私は、ピアノの楽譜を持っています。
※じゃあ、いつか弾くかもしれません。がんばろう…

他にはこちらで流れます。
▻第41話「作戦名「神々の黄昏」」19:47和平への道はないか尋ねるヒルダ

12:12 バッハ《管弦楽組曲 第3番 5.ジーグ》
――皇帝欠席

J. S. Bach – Orchestersuite Nr. 3 D-Dur, BWV 1068, V. Gigue
ジーグは6/8拍子で、こういう組曲の最後にくることが多いような…
なので、軽快でありながら、終曲として堂々とした雰囲気もある印象です。
第3番の構成はこんな。

1. 序曲
2. エアー  ←G線上のアリア(第77話)
3. ガヴォット ←これも有名?「真っ赤だな、真っ赤だな」みたいなメロディー
4. ブーレ 
5. ジーグ ←今回の曲

管弦楽組曲は、2番がトリューニヒト邸で流れていました((10)第3話「第十三艦隊誕生」)。
また、2番の序曲が
▻第013話 愁雨来たりなば…13:50クラインゲルトの苦悩
で流れます。

「G線上のアリア」が流れる77話とは、こちら。
▻第077話「風は回廊へ」13:40入院中のルッツ


15:51 ドヴォルザーク《序曲「オセロ」》
――女性が倒れる

A. Dvořák – Konzertouvertüre „Othello“, Op. 93, B. 174
私はほぼ興味のなかったメロディーメーカー・ドヴォルザーク。銀英伝では結構使われます。

今回の序曲「オセロ」は17か所で出てきます。まあまあ長い曲なので、いろいろな部分が使われていますが、今回のメロディー部分はよく出てきますし、印象に残るメロディーです。頭から1分ぐらいのところです。

この「序曲」というのが、ドヴォルザークにはけっこうあるようでして、銀英伝では他にも「フス教徒」が数回登場。また、「自然の中で」「わが故郷」が1度ずつ使われています。

序曲はオペラやバレエ、演劇などで、幕が上がる前に流れる曲で、その物語を予感させるような内容です。
私の大好きなワーグナーの場合、劇中に出てくる「ライトモチーフ」(登場人物やその心情、できごとなどを表す短いメロディー)が序曲にはてんこもりになっていますので、あの長~~~いオペラでも、序曲をしっかり聞いておけば楽しめると思っています。
でもって…どうなんでしょう、実際にその「オセロ」や「フス教徒」のオペラ? 演劇? 演奏されることはあるのでしょうか? 他の作曲家の作品も含め、序曲だけが有名な曲も多いものです。


19:05 ドヴォルザーク《交響曲第6番 第2楽章》
――クロプシュトック邸

A. Dvořák – Symphonie Nr. 6 D-Dur, Op. 60, B. 112, II. Adagio
ドヴォルザークの交響曲は「遠き山に日は落ちて」の9番が出てきましたが、今回は初6番です。
木管楽器の柔らかい丸っこい音から始まり、弦楽器が加わります。ゆったりした、優しく、そしてちょっと悲しい部分もあるような冒頭部分が流れます。
この6番2楽章は、8か所で流れます。うち、1か所だけ後ろのほう、あとは今回と同じ頭の部分です。8回だとわりと使われているほうですよね。印象に残るメロディーです。


21:10 ベートーヴェン《交響曲第5番「運命」第1楽章》
――クロプシュトックの最期

L. v. Beethoven – Sinfonie Nr. 5 c-Moll, Op. 67, I. Allegro con brio
有名な「じゃじゃじゃじゃーん!」の1楽章の最後の最後、おしまい部分です。ジャン!ジャン!ときっぱりと終わります。

このとても有名な第1楽章が流れるのはもう一か所
▻「螺旋迷宮」第6話「英雄の死 ~第二次ティアマト会戦記Ⅱ~」14:50ベルティーニの死。

ところで、まっっったく銀英伝と関係ないのですけれど、わが家でのこの「運命」1楽章の話をさせてください。
私にとって「運命」は、
・誰もが知っているあの出だし
・中学音楽で習っているから日本人はみんな知っているはず(義務教育あなどるなかれ!)
・案外、子供向けの演奏会とかで聞いたなあ。聞きやすいんだなあ。
という扱いなんですが、わが家ではもう一つ

🎵 あさごはーん
という歌詞がついている曲

というのがあります。
ご存じでしょうか? 私はこういう冗談音楽が大好きで、CDを見つけたときに即購入しました。ちゃんと、メロディーに歌詞がつけられているのです。アレンジされたメロディーではなく、ちゃんと。

ちなみに今回、作中で流れたのは曲の後ろのほうから最後まででして、
「まったけごはんと こいものにっころがし 味付け似てはいないだろか」
という歌詞のところからはじまります。
クロプシュトックの悲しい最期のシーンなのに、私の頭の中では「ランチタイムは正午から! で! す!」に変換されて終わります。
YouTubeで聴けますので、リンクを載せておきます。銀英伝とぜんっぜん関係ないんですけれど。
→ 上海太郎舞踏公司B - 交響曲第5番『朝ごはん』


その他

⬜オープニング「Skies of Love」歌・作詞・作曲 秋吉満ちる / 編曲 風戸慎介
⬜エンディング「光の橋を越えて」歌・作詞・作曲 小椋佳 / 編曲 風戸慎介


BGMリストについて

BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第9話「クロプシュトック事件」のリストが見られるのは  こちら です。
このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」「あの場面ではどんな曲が流れていたのか知りたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。

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