銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 │ (5)第2話「アスターテ会戦」
OVA「銀河英雄伝説」で使われているクラシック曲をGoogleスプレッドシートにリスト化し、Webサイトで公開しています。
→銀河英雄伝説クラシック音楽一覧 Musik und Szenen – ein Strauß gelber Rosen
このnoteでは曲のことや物語のこと、ミッターマイヤーのこと、そのほか銀英伝に関するいろいろを書いていきたいと思います。
⚠️ネタバレを含みます。
今回は第一期 第2話「アスターテ会戦」です。
あらすじ
帝国軍は同盟軍第二艦隊に総攻撃を開始。同盟軍は旗艦パトロクロスが被弾し、司令官パエッタは重傷。指揮権を引き継いだヤンは帝国軍の戦術を読み、自軍が分断されたと見せかけて反撃に転じる。ヤンは崩壊を食い止め、帝国軍に一矢報いる。
曲について
1.マーラー/交響曲第3番 第1楽章
いつものオープニング、1楽章頭のファンファーレ、銀英伝のテーマソングです(きっと)。
今回のアスターテ会戦、数の上では同盟軍は帝国軍の2倍だったにもかかわらず、それぞれの艦隊を各個撃破され、第2話ではいよいよ最後の第二艦隊が攻撃にさらされます。
2:30 3番1楽章はもう1ヶ所、第二艦隊を攻撃すべく帝国からワルキューレが発進されるシーンでも流れます。
1楽章の約30分間のうちの、20分ぐらいのところ。譜面に「Immer dasselbe Tempo. Marsch. Nicht eilen(常に同じテンポで、行進曲のように。決して急がずに)」と指示があるセクションです。
コントラバスのピチカートのような短く切られた音の前奏のあと、管楽器が「ソラシー、ソラシー、ソラシーラーソーファー」という拍を刻むようなメロディーを鳴らします。
🎧曲を聴く 21:10
2.ヘルメスベルガーⅡ/舞踏会の情景
5:30 第二艦隊の旗艦が攻撃を受けて司令官のパエッタ中将が負傷し、代わりにヤンが指揮をとるシーン。スパルタニアンも発進してポプラン登場。
「舞踏会の情景」というタイトルの通り、くるくると踊っているような様子の曲、しかも速い。単旋律で、リズムはなくずっと16分音符(かな?)が鳴りつづけ、息継ぎするところがない、そんなメロディーです。自在に飛び回るスパルタニアンに似合っています。
この曲が出てくるのは全編を通してここだけです。
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ヘルメスベルガーⅡ(J. Hellmesberger Jr.) 私は初めて知りました。検索するとヘルメスベルガー2世が二人いる! この曲はヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世のようです。
1855年4月9日 生まれ、1907年4月26日没、オーストリア出身のヴァイオリニスト、作曲家、指揮者。ウィーン・フィルのコンマスから、マーラーの後任として首席指揮者を務めた、と。そしてWikipediaでの経歴は「1907年の女性スキャンダルにより、順風満帆だった人生は完全に崩れた。」で終わっています…そうですか…
3.マーラー/交響曲第2番「復活」第1楽章
11:40 帝国軍が全速前進する戦闘シーン。
第1話で同盟軍第六艦隊が壊滅したところと同じ、1楽章の頭から流れます。緊張感が走る曲ですね。
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4.ブラームス/6つの小品 Op.118 第5曲 ロマンス
16:07 戦闘が終わってラインハルトからヤンへ「再戦の日まで壮健あれ」との電文が届き、ヤンが親友ラップの死を悼むところで流れるピアノ曲です。そのまま、この曲をジェシカが弾いているシーンへとつながります。
このピアノ曲は、タイトルの通り小品の集まり、実際の楽譜だと2~5ページほどの短い曲が6つ入っている作品です。
そして個人的に、イチオシです、ブラームスのOp.118。特に2曲目「間奏曲」がもう…もう本当に切なく、ぜひぜひぜひ聴いていただきたいのですけれど、この曲については外伝「千億の星、千億の光」で使われていますので、またそのときに。
ブラームスのOp.116から119はこのようなピアノの小品集です。そのあとOp.120のクラリネット曲、Op.121の歌曲で彼の作品はおしまい。晩年の曲なのです。なので、なんというか、達観している、悟っているとでもいうか、でも情熱的なところもあり、「寂寥と宗教的境地」…そうですね、そのような言葉がぴったりかもしれません。
さて、この第5曲「ロマンス」は4分の6拍子。四分音符♩が6つ。珍しくはありませんが、6拍子は八分音符♪なことが多く、そこからも、ゆったりした曲だと分かります。”1つのメロディーと和音の伴奏”ではなく多声になっており、コラールのような印象を受けます。その中で聞こえてくるメロディーは、音と音の高さの差があまりなく静かに流れます。
※弾いてみた。
物語ではこの曲をジェシカがピアノで弾いているところに電話が鳴り、ジェシカの手が止まります。その電話とは…ここに書くのはやめておきましょう…。
また、同じくジェシカが弾くピアノとして、10話でも出てきます。10話は「ジェシカの戦い」。この曲はジェシカのテーマですね。…と言いたいところですが、もう一曲、ジェシカが登場するシーンでよく流れる曲があります。それはまたそのときに。
ちなみに、このブラームス晩年のピアノ曲のうちOp.116も使われていますが、そこはジェシカとは無関係のシーンです。
5.グリーグ/抒情小曲集 第3集 春に寄す
18:32 ヴェストパーレ男爵夫人がアンネローゼに、ラインハルトの勝利を知らせるシーン。
この抒情小曲集は66曲からなるピアノ曲ですが、ここではオーケストラバージョンが流れます。やさしく品があり、素朴さもあって、きらびやかな宮廷というよりも自然の中の別荘を思い起こさせるようなところが、アンネローゼさまっぽいですね…ということで、彼女が登場したり、回想されるシーン5か所で使われます。
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それ以外で使われているのは2か所、双璧がラインハルトたちを初めて見たときのことを思い出すシーン、ヤンとフレデリカの新婚旅行のシーンです。
6.ベートーヴェン/ピアノソナタ 第8番「悲愴」第2楽章
19:35 はい、今回も、士官クラブでのミッターマイヤーとロイエンタールです。中継を見ながら、あの方はさすがだと話します。
7.ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」第2楽章
20:29 ラップのお墓で鉢合わせする ヤンとジェシカ。
この「英雄」はベートーヴェンがナポレオンを讃えて作った…けれども、皇帝に即位したことに失望し、ナポレオンへの献辞入りだった表紙を破り捨てた、という話はとても有名だと思います。
こちらは、それまでの他の作曲家や自身の1、2番のような古典的な形とは違う、マーラーを先取りしている箇所もあるような革新的な交響曲なのだそうです。そうなのかー。
この第2楽章は葬送行進曲です。このように交響曲に葬送行進曲が入っているというのも、当時では革新的なことだったらしい。
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第2話以前では、映画「わが征くは星の大海」でヤンが歴史のビデオを見ている場面で4楽章が流れていました。
以降、本伝でも外伝でも全楽章が何度も出てきますが、例えばヤンを英雄として讃えるシーンだとかそういうことでもありません。次は11話「女優退場」で同じく2楽章が使われます。
8.マーラー/交響曲第3番 第6楽章
21:45 エンディングナレーション
映画「わが征くは星の大海」のエンディングと同じく、6楽章のコーダ、終わりの部分で、もっとあとです。
🎧曲を聴く 24:19
第3話に続く…
9.その他
◆帝国軍軍楽曲 ~ワルキューレは汝の勇気を愛せり~
6:10 イゼルローン要塞についての説明
◆同盟国歌 ~自由の旗・自由の民、レボリューション・オブ・ザ・ハート~
10:23 同盟軍が逆進。ラインハルトがヤンに「してやられた」ところ。
◆オープニング「Skies of Love」歌・作詞・作曲 秋吉満ちる / 編曲 風戸慎介
◆エンディング「光の橋を越えて」歌・作詞・作曲 小椋佳 / 編曲 風戸慎介
BGMリストについて
BGM全曲をスプレッドシートでリスト化し、該当曲がアニメで流れる箇所からYouTubeで聴けるようにリンクを張っています。
今回ご紹介した第2話「アスターテ会戦」のリストが見られるのは こちら です。
このnoteをお読みになって曲に興味を持たれた方や、アニメを見て「聞き覚えはあるけれど曲名が思い出せない」「この曲をフルで聴いてみたい」「あの場面ではどんな曲が流れていたのか知りたい」と思ったとき、ぜひご活用ください。

