【AI格闘記㊹】Geminiに「スライド化」を断られた日。64歳の私が辿り着いた、テキストと画像の「AI二刀流」ディレクション
6月開講の「かりゆし塾」まで、あと2ヶ月を切った。
私の現場知工房は今、本格的な実践準備フェーズに突入している。今週は第1回講義の研修テキスト作成に、ほぼ丸2日を費やした。
「丸投げ」ではなく「精緻な指揮」から始める
今回のミッションは、シンプルに見えて実は手ごわい。
これまで積み上げてきたバラバラな基礎資料を、ただ並べるのではなく「1つの意味のある流れ」に統合すること。受講生の思考が自然に動いていく「ストーリー」として再構成することだ。
この知的な力仕事を、私はGeminiに託した。
ただし、丸投げはしない。これが鉄則だ。
過去の資料を読み込ませた上で、精緻な前提条件を与えながら対話を重ねた。「受講生は行政・民間企業の20〜40代で地域活性化の初心者」「テキストの難易度は中の中」「前半50分・後半60分の時間配分で」。これだけの文脈を与えれば、Geminiの言語能力は別次元の働きをする。
その結果が、このアジェンダだ。

目的意識の共有から始まり、基礎知識、チームビルディング、そしてスケジュール共有へ。テーマが積み上がるのではなく、受講生の気持ちと思考が自然に動いていく設計になっている。
「統合」とは、こういうことだと膝を打った。
「できません」の一言が、次の扉を開けた
しかし、ここで壁にぶつかった。
「この案を元に、研修用スライドとして視覚化してほしい」
そう指示を出した瞬間、Geminiは「私にはできません」の一点張りになったのだ。
正直、驚いた。あれだけの論理的統合を見せておいてである。
テキスト情報は完璧に揃っている。あとは受講生の目に飛び込む「リッチな視覚情報」に変換するだけ。そう思っていた私は、現実を突きつけられた形だ。現時点のGeminiには、私が求めるクオリティの図解スライドを自動生成する力がない。
嘆いていても何も変わらない。ここで次の手を打つのが、指揮官の仕事だ。
私はすぐに、GoogleのAI画像生成モデル(Gemini 2.0 Flash Image、通称:Nano Banana 2)に切り替えた。Geminiが組み立てたテキストの論理構造をプロンプトに落とし込み、「図解スライド」として視覚化させたのだ。
その結果がこちらだ。


抽象的な概念が、見事なインフォグラフィックとして形になった。
AI時代の人間の役割は「指揮」である
ここから得られる現場知は、一言で言い切れる。
「AIは万能の魔法の杖ではない」
論理的なテキスト統合の天才(Gemini)に、デザインまで丸投げして「使えない」と嘆くのは三流のマネジメントだ。職人に経理を頼むようなものである。
テキスト統合はGeminiに。視覚化はNano Banana 2に。それぞれの強みを見極め、適材適所でツールを指揮する。この「ディレクション力」こそが、AI時代における人間の最大の役割だと、40年の現場経験から確信している。
テキストの論理と、画像の直感。
この「AI二刀流」で練り上げた武器を手に、6月の開講に向けて準備はさらに加速する。地域活性化塾の受講生たちと向き合う日を、今から楽しみにしている。
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