「夜店から」 #ショートショート #シロクマ文芸部
夜店から、りんご飴が消えた。
いちご飴や、マスカット飴や、パイナップル飴や、みかん飴はあるのに、りんご飴がない。
たまたま、売り切れだったのかと思い、夜店を冷やかしながら、りんご飴を探す。
やはり、りんご飴だけが、どこにもない。
チョコバナナはある。
色とりどりのスプレーがかかっている。
ベビーカステラもある。
冷やしパインもある。
クレープもある。
かき氷もある。
チュロスとかいう棒みたいなものまである。
しかし、りんご飴はない。
連れに聞いてみると、「ああ、そんなのもあったねぇ」というだけだ。
いちご飴があるからいいじゃない、とでも言いたげな顔だ。
そういうことではない。
りんご飴がないという、異常事態になぜ気づかないのか。
もう少し、夜店を冷やかしながら、りんご飴の捜索を続けよう。
「もう、やめなさい」
連れから、制止された。
いちご飴と、マスカット飴と、パイナップル飴と、みかん飴と、じゃんけんで勝ってスプレーを増量したチョコバナナと、ベビーカステラと、冷やしパインと、いちごホイップダブルクレープと、ブルーハワイのかき氷と、初めてのチュロスを食べたからだろうか。
まだ、牛串と焼きとうもろこしの存在確認が終わっていないのだが。
下記の企画に参加させていただきました。
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