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その先へと可能性を広げる王者たち

世界の頂きとなるUFCの王座。

その王座に着くこと、それ自体が最高難易度のミッションであり、そのミッションの達成はファイターにとって最大の栄誉となる。

そんな輝かしい頂きに辿り着いた世界一の実力者は時にその先を求めることがある。

その突出した実力を一つの階級に留めておくことが出来ず、もう一つ上の玉座を望み始めるのだ。

強者にのみ許されたその試みを実行に移し、そして達成した者は歴史に名を刻む王者となる。

そんな偉業とも言える試みを実行に移していく動きが加速し始める雰囲気が今のUFCには漂っているのではないかと思う。

その波が起こり始めたのは、恐らくイリア・トプリアが当時フェザー級で無敗だったアレクサンダー・ヴォルカノフスキーを下して王座を獲得し、その王座を初防衛後に返上したところからなのではないかと思う。

王座を返上したトプリアはライト級へと階級を上げて、ライト級の絶対王者イスラム・マハチェフへの挑戦に乗り出した。

それによって、フェザー級の王者VS.ライト級の王者という少し前に話題になったカードが、挑戦者を変えて再び組まれることになるのかという期待が向けられることになった。

鍵となるウェルター級タイトルマッチ


©︎UFC

しかし、その戦いにあまり乗り気ではないマハチェフはウェルター級の王座に興味を示しており、次戦のカードはこれから行われるウェルター級タイトルマッチの結果次第だと語っている。

ベラルが勝てばライト級に残留し、ジャックが勝てばウェルター級に上げて彼とタイトルマッチを行うつもりらしい。

そうなればマハチェフVS.トプリアのカードが実現する可能性はほとんどなくなることになるだろう。

このように、各王者を止める有力な者が存在しないが故に、王者の思惑が簡単に許されてしまう状態になっているようにも見えるが、それを咎めることが出来る者がいなければそれもまた仕方のないこと。

何故そんなことを思うのかというと、ウェルター級王者のベラル・ムハマッドもミドル級へと階級を上げる可能性を示唆しており、ウェルター級にやってくる可能性があるマハチェフにその座を譲るような形でミドル級へと移っていくことになるかもしれないからだ。

これはマハチェフと縁のある者同士で王座を譲り合うという、ある種の「王座」の私物化を許してしまうことになるのではないかと思う。

見方によってはUFCの王座や2階級制覇という偉業が安っぽくなりかねないかもしれない。

しかし、実力でそれを実現されてしまえば何も言うことが出来ないのが格闘技の世界なので、単純にその実力の高さに驚きを感じるのと同時に歯痒さを感じるような複雑な気持ちになってしまうところがある。

何はともあれ、フェザー・ライト・ウェルター級の王者が2階級制覇を目指して動くというのは、これまでにも見られなかったレベルの大規模な変動になるのではないかと思う。

思うところがあれど、その動きが魅力を生み出していくこともまた確かであり、それだけの大物が動くことになれば、それぞれの階級に新たな盛り上がりがもたらされることになるはずだ。

この動きがそれぞれに成立することになれば、トプリアVS.ツァルキヤンマハチェフVS.ラフモノフ、さらにはムハマッドVS.チマエフといった豪華なカードが組まれる可能性が出てくるだろう。

2階級制覇を成し遂げるファイターが続出するのか、それともそれを阻止するファイターが現れるのか、どちらにしてもハイレベルな戦いなることは間違いないと思うので、この変動を左右することになるウェルター級タイトルマッチの結果には尚更注目が向けられることになる。


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