完封負けを喫したパトリック・ミックス
パトリシオ・フレイレに続きパトリック・ミックスもUFCの初戦を落とし、再びBellator王者がUFCランカーの壁に阻まれる結果となった。
この結果やBellatorから移籍したトップファイターの戦績を鑑みると、やはりUFCの競争力の高さと所属ファイターの強度は頭一つ抜けていることがよく分かる。
今回UFCに参戦したミックスはBellatorでバンタム級を支配していた圧倒的な王者であり、急遽参戦したアーチュレッタとの一戦意外に負けもなかったファイターだ。
大きなサイズと強力なグラップリング技術で優位を築き、バンタム級GPも制覇している。
そんなミックスがUFCバンタム級10位に手も足も出なかった。

UFCバンタム級10位のマリオ・バティスタはグラップリング・ストライキング共に優れた能力を持っており、崩すことは容易ではないファイターであるため、いきなり組んでコントロールすることは難しく、ミックスはスタンドの攻防からペースを握っていく必要があった。
そのスタンドの勝負でミックスは一方的に攻められ、バティスタに主導権を握られることになってしまった。
これだけ一方的な展開に陥った理由として考えられるのは、「ホームの恩恵を失った」ということや、「サイズ差による恩恵を受け過ぎていた」ということ、そして「そもそもの団体レベルに大きな差があった」ということなどが挙げられる。
「サイズ差による恩恵」の部分は解説に付いていた堀口恭司が言及していたところでもあり、サイズの大きさによって優位を築いて来たというところがミックスの対応幅を縮めることになっていた可能性がある。
バンタム級で180cmとなれば基本的には自分よりか小さい相手と戦うことになるだろう。
今回対戦したバティスタも175cmとミックスよりは小さい選手になるが、リーチは同じサイズを持っており、打撃の攻防では互角の射程圏を築くことが出来る相性になっていた。
その結果どうなったかと言うのは既に知られている通りである。

スピードと反応の部分で大きく劣っていたミックスはバティスタの攻撃にほとんど反応することが出来ておらず、シンプルなワンツーを繰り返し被弾していた。
そんな試合内容を鑑みると「グラップリング対応に自信のあるストライカー」を相手にするのはかなり厳しく感じられ、ソン・ヤドンやフィゲイレード、ピョートル・ヤンといったファイターとやり合うのは厳しく感じられる。
つまり、これまでの戦い方だけではUFCバンタム級のランキングを駆け上がっていくことは難しいと思われるということ。
UFCの感覚に慣れて2戦目以降調子を上げてくる可能性も十分あるが、バンタム級上位は化け物ばかりなので、対応幅や武器の強化は必要になってくるだろう。
ただ、ミックスのサイズとスキルのセットが脅威であることに変わりはないので、UFCのレベルに適応して馴染むことになれば猛威を振るう存在になってくるのではないかと思う。
何れにせよあれだけの実力を見せていたミックスが、あのような負け方をしてしまうのだから「UFCのデビュー戦」というものが如何に難しく、高いハードルとなっているのかということがよく分かる。
ランカーの壁に阻まれたミックスは次戦でどんな相手を当てられるのか、実力を問うような厳しいマッチメイクが行われる可能性が高いと思われるが、今回の敗戦を糧にして連敗の引力を振り解くことが出来るのかどうかが見所になる。
もしかしたら良い意味で開き直ることが出来たミックスが評判通りの強さを見せて、一本による復活を遂げることになるかもしれない。
