犬が「ケホケホ」「ガーガー」と咳をする…様子を見て大丈夫?音だけでは分からない原因と受診の目安
犬の体図鑑 🩺|2026年9月2日(水)
「急にケホケホするようになった」
「ガーガーって、ガチョウみたいな咳をする」
「夜だけ咳が出るけど、心臓が悪いの?」
犬の咳は、音や出るタイミングによってさまざまな形があります。
ネットで検索すると、
「ガーガー=気管虚脱」
「夜の咳=心臓病」
といった情報も目にします。
でも実際には、咳の音だけで原因を特定することはできません。
犬の咳には、感染症、気管や気管支の病気、異物、心臓病など多くの原因があります。PetMDも、感染症・気道炎症・異物・気管虚脱・心疾患など幅広い原因を挙げています。
今回は、
「犬が咳をしたとき、飼い主さんは何を見ればいいのか?」
を整理します。
🐶 まず結論
咳が一時的で、
元気がある
食欲がある
普通に呼吸できている
咳が続かない
他の症状がない
場合には、必ずしも緊急事態とは限りません。
一方で、
呼吸が苦しそう
安静にしていても呼吸が速い
咳を何度も繰り返す
元気・食欲が落ちている
血が混じる
失神・ふらつきがある
舌や歯ぐきが青紫色っぽい
などがあれば、早めの診察が必要になります。呼吸困難は救急対応が必要な状態です。
そして大切なのは、
「咳の音だけで病名を決めない」
ことです。
🤔 そもそも本当に「咳」?
犬がする音には、
咳・えずき・吐き気・逆くしゃみ
などがあります。
見慣れていないと、かなり区別しにくいです。
咳
気道から空気を勢いよく出す反射。
「ケホッ」「ゴホッ」と聞こえることがあります。
えずき
咳の直後などに、
「オエッ」
と吐きそうな動きをすることがあります。
嘔吐
腹部を動かして、胃の内容物を吐き出します。
逆くしゃみ
鼻の奥への刺激などで、
ズーズー、ブーブー
と勢いよく空気を吸い込むような動きをします。
逆くしゃみは厳密には咳ではありませんが、飼い主さんが「咳」と勘違いすることがあります。
この違いは診断の手掛かりになります。
だから可能なら、
咳をしている瞬間を動画で撮影する
のがおすすめです。
🦠 原因① 呼吸器の感染症
犬同士で感染する呼吸器疾患でも咳が起こります。
一般に「ケンネルコフ」と呼ばれる犬伝染性呼吸器疾患では、複数のウイルスや細菌が関係することがあります。
最近、
ペットホテル
ドッグラン
トリミング施設
多くの犬が集まる場所
を利用したかどうかも、診察で重要な情報になります。
VCAも、咳の診断では他の犬との接触歴や、咳が始まった状況を確認することが重要だとしています。
🪿 原因② 気管虚脱
特に小型犬で知られているのが、
気管虚脱
です。
気管を支えている軟骨が弱くなり、気管がつぶれやすくなる病気です。
咳が、
「ガーガー」
「ガチョウが鳴くような音」
と表現されることがあります。
興奮したときや運動時などに咳が目立つ犬もいます。
ただし、
ガーガー=気管虚脱
と決めつけることはできません。
同じ犬に心臓病と気管虚脱が同時に存在することもあります。VCAも、気管虚脱を診断する際には心不全など他の咳の原因を除外する必要があるとしています。
❤️ 原因③ 心臓の病気
犬の咳について調べると、
「心臓病かもしれない」
という情報もよく出てきます。
実際、心疾患の犬で咳が見られる場合があります。
東京大学附属動物医療センターの循環器科でも、犬の心疾患を疑う代表的な症状として、
咳
呼吸が速い
失神・ふらつき
などを挙げています。
ただし、
咳=心臓病
ではありません。
気管や肺など呼吸器の病気でも咳は出ます。
だから獣医師は、
聴診
胸部レントゲン
心エコー
心電図
などを必要に応じて組み合わせて原因を調べます。
🌬️ 原因④ 気管支・肺・異物など
咳の原因になる場所は気管だけではありません。
例えば、
慢性気管支炎
肺炎
気道への異物
刺激物
寄生虫
腫瘍
などでも咳が起こる場合があります。
日本獣医生命科学大学の呼吸器科でも、咳・鼻汁・呼吸困難などから病変部位を絞り込み、必要に応じてX線、CT、MRI、内視鏡などで診断しています。
つまり、
咳はひとつの病気ではなく、体から出ている「症状」
なのです。
「原因はいろいろあるのは分かった。でも、うちの犬は病院に行くべき?」
ここからは、
自宅で見てほしいポイント・受診の目安・呼吸数の測り方・病院で伝えるべき情報
を具体的に整理します。
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