登山を趣味にしたら、、、山で働いている件(小屋開き突然の・・編)
山を趣味にして間もないが、勤続20年間近の会社を辞めた。
念願の山小屋勤務。初めてばかりの体験で、毎日が学びの日々。今はまだ辛さよりも楽しさが大きい。一面の青空の下、体動かすのがとても気持ちが良い。天候も良い日が続く予報。
「明日、飛ぶぞ。」
突然の一言。
ついにヘリ荷上げ日が決まる。そして館内が慌ただしくなる。冷蔵庫、冷凍庫の配置確定、電源ON。倉庫の整理、通路の確保など、荷上げ後、速やかに格納できるよう準備する。そして小屋周辺の荷物はヘリの爆風で飛ばされないようにまとめる。そんなに広くない、平坦な場所も少ない場所に、どうやって荷物下ろすのか、軍隊みたいなサングラスかけた、髭生やしたイケメン親父風パイロットが操縦するヘリ!勝手な想像でワクワク感たまらない!
初回の荷上げは食料優先とのこと。個人の荷物も荷上げ予定だが、まだ油断できない。急な天候悪化もあるし、風強くても飛べない。また、山は天気良くても、発着所の天気悪かったら飛ばない。その逆もあり。途中で中止もあり得る。こればかりは祈るだけ。
食料、ドリンク、燃料、消耗品、小屋備品、修理機材、木材など、12往復するらしい。何回目に何が運ばれてくるか、当日にならないとわからない。自分達で上げてきた食材も少なくなっているので、皆の思いは天気良く、無事に全て上げられることだったと思う。っと言うか、行程どおりにいかないと、また支配人の雷落ちるから、上手くいって欲しいと祈るだけ。
ここまでくると、片付けも進み、適材適所に物は置かれ、山小屋らしくなってきた。あの物置化していた見るも無惨なバイト小屋にも春が訪れ、生活水準クリアできるレベルとなっていた。最低限ですが。
生活できるレベルということは、バイト小屋として産声をあげたということ。皮肉なことに、片付けていく程、客室という快適空間とのお別れが近付いている。行動遅いとまた雷が。皆、意を決してバイト小屋の仕上げに入る。
バイト小屋の広さは8畳で、内4畳部分が2段となっている。天井低いロフトと言い聞かす。以前キャンプで安いロッジに泊まったが、それと似ている。これが2部屋、男女で分かれている。男部屋は後に合流する短期バイト勢を合わせ、最大8人らしい。1人当たり1.5畳分。カプセルホテルと言い聞かす。壁はないけど。
剥がしてあった畳を敷き詰め、掃き掃除。有難いことにバイト小屋にも電気が通っている。掃除機の出番。この音だけでキレイになった気がする。天井などには至るところにビニール紐が張り巡らされている。ハンガーや洗濯バサミ、すべて先人達の置き土産。所々に落書きもあり。意味不明なものばかり。
そして布団投入!半年ばかり積まれていたので、カビ臭あり。干したいが、明日ヘリ来る理由で、ちょっとだけも許されなかった…。まぁ完璧にしてしまったら、バイト小屋での生活が始まってしまう。これぐらいにしておこう。
「明日、バイト小屋に移動ね。」
突然のお言葉。今宵最後の客室生活となる。夕食後はゆっくりする暇もなく、移動に向けた荷造り。そしてすぐ消灯タイム。サヨナラ快適空間…。
………。
その夜、真夜中の出来事。
「オイ!!起きろぉ!!!」
支配人が客室に怒鳴り込んできた。
事件か?火事か?何かあったのか?皆、飛び起きると、、、
「星がキレイに見えてるぞ!」
雪残るこの時期、満天の星空は珍しいとのこと。トイレで起きたらキレイだったから教えてくれたらしい。酔ってはいない素の状態で。「ありがとうございます」とは素直に言えなかったが、確かにキレイな星空だった。これならヘリも無事に飛びそうだ。ありがとうございます。
