「左右対称=正解」ではない、身体と顔の見方
こんにちは!
CHRONICLE鍼灸院です!
顔を鏡で見たとき、
「右の眉毛の方が高い」
「片方の目が小さく見える」
「口角の高さが違う」
「フェイスラインが左右で違う」
そんな左右差が気になることはありませんか?
身体でも、
「肩の高さが違う」
「骨盤が傾いている気がする」
「片足に体重をかけやすい」
ということがあります。
美容鍼の現場でも、
「左右差をなくしたいです」
という相談はよくあります。
でも、
左右差がある=身体が悪い
とは限りません。
むしろ、人間の身体に完全な左右対称を求める方が不自然です。
■ 人間の身体は、そもそも左右対称ではない
利き手がある。
利き目がある。
噛みやすい側がある。
立ちやすい脚がある。
呼吸にも左右差があります。
内臓の配置も左右対称ではありません。
つまり、
人間の身体は最初から完全な左右対称ではありません。
そのため、
右と左が少し違うこと自体は、
必ずしも「悪い状態」ではありません。
大切なのは、
その左右差が、その人にとって問題になっているかどうか
です。
■ 「左右差」には種類がある
左右差を見る時、
すべてを同じものとして扱わないことが大切です。
① 構造的な左右差
骨格や身体の形そのものにある左右差です。
これは、
「左右同じにしよう」
としても簡単には変わりません。
むしろ無理に整えようとする必要がない場合もあります。
② 機能的な左右差
こちらは、
筋肉の使い方や動きの違いによって生じる左右差です。
例えば、
右だけ食いしばる。
左肩だけ上がりやすい。
片側だけ首が張る。
こうした左右差は、
身体の使い方によって変化することがあります。
③ 一時的な左右差
これも意外と多いです。
寝る姿勢。
仕事中の姿勢。
スマートフォンを見る方向。
バッグを持つ側。
その日の疲労。
こうしたことでも、
一時的に左右差が強くなることがあります。
■ 美容鍼で「左右差」を見る時
顔の左右差を見る時も、
単純に、
「右が下がっているから右に鍼」
とは考えません。
例えば、
右の口角が下がっている。
そこで右側だけを見るのではなく、
なぜ右が下がっているのか
を考えます。
■ 咬みしめは左右差を作る
片側だけで噛む癖がある人は、
咬筋や側頭筋の緊張にも左右差が出ることがあります。
すると、
・エラの張り
・頬の厚み
・フェイスライン
・口元
などに左右差が出て見えることがあります。
この場合、
「顔の形が左右で違う」
という結果だけを見るのではなく、
普段どちらで噛んでいるのか
を見る必要があります。
■ 目の使い方も関係する
意外と見落とされやすいのが、
目の使い方です。
片側ばかりで物を見る。
画面を見る時に顔が少し傾いている。
視力差がある。
こうした状態が続けば、
目の周囲だけではなく、
額や側頭部、首などにも左右差が出ることがあります。
そのため、
「目の高さが違う」
という訴えがあった時、
目の周りだけを見るとは限りません。
■ 呼吸にも左右差がある
呼吸すると、
左右の肋骨がまったく同じように動くとは限りません。
片側の胸郭が動きにくい。
片側だけ肩が上がる。
呼吸のたびに身体が少し回旋する。
こうしたこともあります。
そして呼吸は、
首や肩の筋肉の使い方とも関係します。
そのため、
顔の左右差を見ているのに、
胸郭や呼吸を確認する
ことがあります。
一見すると関係なさそうですが、
身体は全部つながっています。
■ 「骨盤の歪み」だけで説明しない
左右差があると、
すぐに、
「骨盤が歪んでいるから」
と説明されることがあります。
もちろん骨盤や下肢の状態が、
全身の動きに影響することはあります。
ただ、
左右差=骨盤
と決めつけるのは少しもったいないです。
例えば、
足圧に左右差がある。
↓
立ち方が変わる。
↓
身体の重心が変わる。
↓
肩や首の使い方が変わる。
↓
顔の筋肉の使い方にも影響する。
というように、
いくつもの要素が重なっている可能性があります。
だからこそ、
一つの原因に決めつけず、
全身の動きとして左右差を見る
ことが大切です。
■ 「左右差をなくす」より「左右差の理由を知る」
ここが美容鍼でも大切な考え方です。
左右差を見つけた時、
「右と左を同じにしよう」
と考えるのではなく、
なぜ差が出ているのか
を考えます。
例えば、
右の咬筋が硬い。
↓
右で噛む癖がある。
↓
右側に負担が集中している。
↓
咬筋だけではなく側頭筋や首にも緊張がある。
この場合、
右の咬筋だけに鍼をして終わりではありません。
噛み方や首の状態まで含めて考える必要があります。
■ 左右差が「問題」になるのはどんな時?
左右差そのものではなく、
左右差によって困っているか
が一つの判断基準になります。
例えば、
・痛みがある
・動かしにくい
・片側だけ疲れやすい
・食いしばりが強い
・頭痛が出る
・見た目の左右差が急に変化した
などです。
特に、
突然出てきた顔の左右差や、麻痺・ろれつが回らない・手足の力が入りにくいなどを伴う場合は、美容鍼の対象として考えるのではなく、速やかに医療機関へ相談する必要があります。
■ 美容では「完全な左右対称」を目指さなくてもいい
美容鍼で、
「左右差を整えたい」
という希望はもちろん大切です。
ただ、
完全に左右対称にすることが、必ずしも美しいとは限りません。
少しの左右差が、
その人らしい表情を作っていることもあります。
むしろ、
笑った時に自然に動く。
表情が柔らかい。
無駄な力が入っていない。
こうした状態の方が、
「整った顔」に見えることもあります。
だから、
左右差をゼロにすることより、自然に動ける顔をつくること
を大切にしたいと考えています。
■ おすすめのツボ
左右差そのものに対して、
「このツボを使えば左右差がなくなる」
というものではありません。
原因や状態によって選択します。
太陽(たいよう)
側頭部にあるツボです。
側頭筋の緊張や目の疲れなどを考える際に使われます。
下関(げかん)
咀嚼筋の緊張や顎周辺の状態を見る際に用いられます。
合谷(ごうこく)
顔面部の症状に対して遠隔部からアプローチする際にもよく使われる代表的なツボです。
太衝(たいしょう)
ストレスや緊張などによる全身的な状態を考える際に使われます。
■ まとめ
左右差は、
悪いものではありません。
人間の身体には、
もともとさまざまな左右差があります。
大切なのは、
「左右が違う」
という事実だけではなく、
その左右差がなぜ生まれているのか。
そして、
その左右差が身体や生活にどんな影響を与えているのか。
を見ることです。
顔の左右差なら、
咬みしめ、目の使い方、呼吸、首肩、足圧など、
一見すると顔とは関係なさそうなところまで見ていきます。
だから美容鍼では、
「右が下がっているから右に鍼」
ではなく、
「なぜ右が下がって見えるのか」を考える。
左右差を消すことだけを目的にするのではなく、
その人が自然に動ける状態をつくる。
その結果として、
左右差が少し整って見えることもある。
そんな順番で身体を見ることが、
私は大切だと思っています。
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