なぜ大人の勉強は続かないのか?:学生との決定的な違い3つ
年明けや年度初めには、「今年こそは英語をやるぞ」「資格を取るぞ」と意気込んで参考書を買うものの、数ヶ月後には本棚の肥やしになってしまう。そんな経験はないだろうか。私も例にもれず、毎年同じことを繰り返している。多くの人が経験するこの挫折の原因はなんだろうか。
大人の勉強が続かない理由を、意志の弱さと片付けてしまうのは簡単だ。しかし、学生の頃は意志が強かったのだろうか。私の場合は、今とそれほど変わらなかったように思う。では、なぜ大人になってからの勉強は継続できないのであろうか。私が学生の頃との違いを思い出し、原因を考察してみた。
変わったのは環境
大人の勉強が続かないのは、学生時代の勉強のやり方を大人になってもそのまま持ち込んでいるからだ。学生と大人では、学ぶための前提となる環境が全く異なる。自分自身が変化したのではなく、環境が変化したのだ。この環境の変化に対応できていないことこそが、勉強が続かない根本的な原因である。
勉強を強制されない
一つ目の違いは、強制力がないことだ。学生時代は、カリキュラムがあり、定期テストがあり、先生や親の監視という強制力があった。しかし、大人は誰からも強制されない。やらなくても怒られないし、いつやめても自由だ。だからこそ、自分の気分やモチベーションに頼って勉強しようとすると、確実にサボってしまう。やる気に依存せず、毎日の歯磨きのように、学習を習慣に組み込む仕組みが必要になる。
明確なゴールがない
二つ目の違いは、明確なゴールが用意されていないことだ。学生の勉強には、テストで良い点を取る、志望校に合格する、という明確なゴールと期限があった。しかし、大人の学びに用意されたゴールはない。なんとなく英語が話せたらいいな、といった曖昧な目的で学習を始めると、絶対に続かない。来月から海外赴任が始まるなど、明確なゴールがない限り、学習は続かないのである。学ぶことで自分の人生の選択肢をどう広げたいのか、自ら解決すべき課題を具体的に設定しなければならない。
勉強主体の生活ではない
三つ目の違いは、時間と体力というリソースの配分である。学生は学ぶこと自体が本業であり、時間も体力も学習に第一優先で配分できた。一方で、大人は仕事、家事、育児などに追われ、圧倒的に時間と体力が足りない。夜中に眠い目をこすって気合で勉強しようとしても、長続きするはずがない。大人は、生活の中の無駄を削り、通勤電車の中など隙間時間をいかに有効活用するかという、時間管理の戦略が求められる。
まずは環境を整えることから
強制力の不在、ゴールの欠如、圧倒的な時間不足。これら3つの壁があるにもかかわらず、学生時代と同じように気合と根性で乗り切ろうとするから、大人になってからの勉強は挫折するのだ。
学生時代は周りが環境を用意してくれていた。しかし、大人は違う。自分で環境を用意しなくてはならない。
大人が学び続けるために必要なのは、意志の強さではない。自分なりのゴールを明確に描き、モチベーションに頼らない仕組みを作り、生活の中に学びの時間を賢く組み込むことだ。
学生時代のやり方を捨て、今の自分に合った学び方を身につけなければならない。大人の勉強は、勉強を始めるための環境づくりから始めなくてはならない。だから、大人の勉強は続かないのだ。
