見出し画像

鶏はプログラムで動いてる (田舎暮らし)

田舎に移住して、やりたかった事は、鶏を飼うこと。

なんか面白そうだし、『卵という家賃を払うペット』は、とても合理的でいい。

昔、ペットショップで、烏骨鶏が8000円くらいで売られてるのを、見たことがあった。

今思うと、すごく高いと思うけど、ペットとしては安い部類で、その時も、場所さえあればほしかった。

移住してから、ヒヨコを買える場所を探したけど、時期とかもあるみたいで、思うように見つけられなくて、めんどくさくなり諦めてた。

私には他に、『枝豆を沢山育てて食べ放題』になる夢もあったので、先にそれをやることにして、100株を発芽させて遊んでた。

枝豆はすくすく育って、私は食べるのが楽しみだと、2〜3日おきに、ウキウキ観察してた。

ところがある日、枝豆の苗が全部茎だけになっていた。

100株すべて茎に!

新芽はすべて食べられていたのだ。ひどすぎる。。。
これはかなりショックで私は怒りで満ちていた。

激しい憎しみ。。。

『食べ物の恨み』とはこれか!

私は、畑の端々を見て回り、長いヨモギの近くを調べようとした時、大きな 茶色い鶏 が飛び出した!!

鶏は慌てて飛び上がり、すごく低空飛行で、50mくらいの飛距離を飛んでいった。

「え!!なに!犯人??」

すると今度は、後ろからガサゴソッ!と音がして、振り返ると、孔雀みたいな鳥がいた。

「ひゃー!」

私は、『謎の鳥を見るとこんな声を出すのか!』と、観測しつつも、枝豆の怒りをぶつけたいので、ジリジリ歩み寄り

「おまえかー!」

と、孔雀に言うと、こいつも助走をつけて、低空飛行で茶色い鶏より、かなり遠くまで飛んでいった。

何だったんだあいつらは。。。

姿形から調べるとキジだった。

私は、動物園で見たことがあったかもしれないけれど、キジと認識して見ていたのは、桃太郎の絵本だけだったので、思ってたのと違った。

プンスカしていると、隣の家のばーさんに

「どうしたの?」

と、声をかけられたので枝豆100株を、キジの夫婦に食べられた憎しみを伝えた。

「次に見かけたら必ず食ってやる!!」

と意気込んでいたら、ばーさんに

「捕まえるの難しいよ」

と笑われた。

「それより座り込んでたなら、キジが卵を温めてたんじゃないか?」

というので翌日、雌のキジがいた辺りを、夫と調べてみることにした。

そしたら卵が9個落ちてた。

はじめは、『気持ち悪いな』と思ったけど、私は卵を産む鳥なら『飼いたい!』と思い直し、その卵を温めることにした。

1日、放置されたキジの卵を入れるため、Amazonで孵化器を注文して、更に届くまでの1日経過してから、孵化器に入れた。

初めての作業で楽しかったけど、1つも孵化しなかった。

でもこれで、鶏の有精卵を買えばいいんじゃない?と、気づいていろんな鶏の、YouTubeやブログをたくさん見た。

みんなすごく楽しそうだし、なんでもっと早く気づかなかったのかな?と思う。

審議の結果、アローカナに品種を決めて、有精卵を10個買って温めた。

なんとなく初めは孵化しないだろうと、適当に説明書見て21日温めてた。

リビングでテレビを見ていたら、夫が

「ピヨピヨ言ってる」

と、何度となく繰り返す。

そのたびに、私は一瞬耳を澄ますが、何も聞こえないので、期待をもたせる遊びだなと、思って途中から

「ほんとだー」

とか、

「もーええて!」

と、ノッてみたり、ツッコんでみたりしてた。

しかし、夫が

「ずっと嘘ちゃうわ!ほら出てるやん」

と孵化器を指差し、娘共々見てみると、殻からクチバシが飛び出ていた。

『うわ~!』

と突然の生命の誕生に、ワクワクの大興奮で、みんなに見守られながら、初めてのヒヨコが生まれた。

名前は長女がパピコと名付けた。

ヒヨコは身体が乾くまで、五体投地を繰り返し、生まれた日からちゃんと立って歩いてた。

触るとぐにゃぐにゃで、かわいかった。

結局、10個の卵から孵ったのは1匹だけで、今思うと8月の卵は孵化には向いてなかった。

パピコは一人っ子で、みんなの手がお母さんとなり、3日もすると自分で水も飲んで餌も食べて、足で地面を蹴り教えなくても何でもできるようになった。

夫は大きな鶏小屋を作ってくれて、今や雄1匹と雌12匹の大所帯になっている。

この比率は低温で孵化させたからで、決して殺めた子はいないのでオススメ。

雄は背中を見せるとすぐに蹴ってくるし、求愛ダンスも上手に踊る。

誰にも教えられてない人工孵化の、鶏達なのに不思議だ。

砂浴びも抱卵も、何だって勝手にやっている。

鶏は遺伝子のプログラムで、動いてるんだなーと思う。

雄の鶏に背中を蹴られると、私も遺伝子のプログラムで鶏に報復する。

「ごらー!!!」

と、鬼の形相で鶏を追いかけ回す。

隣のばーさんに
「また鶏に喋ってるの?」

と言われて笑われても、やる。


誰が強いか、教えてやらねばならないから。

いいなと思ったら応援しよう!