はじめて触れた、言葉の外側
伝統芸能を観に行った。
初めての体験だった。
ほとんど知識のないまま足を運んでしまったけれど、
それでも、とても良い経験だったと思う。
普段の生活では、なかなか踏み入れることのない世界。
正直なところ、詳しいことはよくわからない。
けれど、解説や言葉、そしてその場の空気から、
確かに伝わってくるものがあった。
非言語の占める割合が、とても大きい。
それもまた、表現なのかもしれない。
言葉で説明されなくても、伝わるものがある。
身振り手振り、仕草、
体で生まれる音や、衣装。
視線さえも、何かを語っているように感じた。
言葉にならない余韻が、静かに残った。
気づけば、引き込まれていた。
「言葉を含んだ身体の芸能」。
彼はきっと、少し苦手だろう。
そういえば、
彼と彼女が出会ったのは落語だった。
三大芸能ではないけれど、
落語は、言葉によって伝える表現だ。
彼女はSNSで、
「落語は素敵なものだ。
素敵な縁を運ぶ。
落語を好きになってよかった」
と書いていた。
私も、
いつか落語を観に行こうと思う。
素敵な縁を掴みに、というよりも、
彼と彼女が感じていたものを、
ほんの少しでも理解できるかもしれないから。
