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ねじ・音楽・群(1. 状態から操作へ)

— 動かして学ぶ群論 —

書籍やWebを観察すると、群論はこんな風に受け止められているようです。

「抽象的」「難解」「定義に書いてある言葉自体は難しくないのに、意味が入ってこない」

微積分では、曲線の傾きや面積を求めます。線形代数では、ベクトルや行列を扱います。
ところが群論では、具体的なものそのものではなく、そこに共通する「何か」を取り出して考えます。
そのため、定義や証明を追えても、「結局、何をしている数学なのか」が見えにくいと感じる人が多いようです。

でも、群論が扱っているものは、意外と身近です。
ねじを回す。カードのシャッフル。エンジンの回転を歯車がタイヤに伝える。メロディを移調する。アナログ式の目覚まし時計をセットする。

図1-1

一見すると、まったく別のことをしています。ところが、そこには共通する「何か」があります。この連載では、その「何か」を、できるだけ具体的なものを動かしながら探していきます。

群論を学び始めるのに、微分積分も、高度な計算も要りません。必要なのは、用語の準備がほんの少しと、定義から一歩ずつ議論を積んでいく根気だけです。前提知識のハードルは、イメージよりずっと低いのです。

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