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朝の足元パトロール。キッチンに立つ飼い主のスネに体をスリスリしてくる愛猫のモーニング甘えん坊タイム

火曜の朝5時15分。
目覚ましが鳴る前に、ぎんの冷たい鼻先が私の頬に「ツン」と当たって目が覚めました。正確すぎる体内時計です。

のそのそとベッドから這い出して、まだ薄暗いキッチンへ向かう。
お湯を沸かして自分のコーヒーを淹れつつ、ぎんの朝ご飯(カリカリ)を用意しようとパントリーの前に立つと、足元で気配がします。

「コテン」

見下ろすと、ぎんが私の右足のスネに、頭のてっぺんから首筋にかけての毛並みを力いっぱい押し当てていました。短い足をふんばって、全体重を預けてくるようなスリスリ。

「にゃ〜〜……」と、喉の奥から絞り出すような甘えた声を出しながら、私の両足の間を八の字を描くようにすり抜けていく。スリッパを履いた足の甲にすっぽり乗っかってくるので、一歩も前に進めません。

「ぎん、危ないよ、踏んじゃうよ」と小声で言いながらも、足首に伝わる温かい体温とふわふわの感触が心地よくて、結局その場にしゃがみ込んで背中を撫でてしまう。これが我が家の火曜日の朝の、お決まりの停滞時間です。

急いでいるときに限って激しくなる理由

不思議なもので、出勤準備でバタバタと急いでいる朝ほど、ぎんのスリスリは熱烈になります。

以前は「ご飯を早くよこせって催促してるのかな」くらいにしか思っていませんでした。実際、お皿にフードを入れたら一目散にそっちへ走っていくわけですし。

でもある日、急な仕事のトラブルで朝から電話対応に追われ、ぎんの足元スリスリを「ちょっと後でね!」と足先で軽く避けてフードだけ機械的に置いたことがあったんです。

そうしたら、いつもはがつがつ食べるぎんが、ご飯に口をつけない。
トコトコと廊下まで戻ってきて、遠くからじーっと私のことを見つめているんですよね。「ご飯が欲しいだけじゃなかったのか……」と、ものすごく申し訳ない気持ちになりました。

猫にとって朝のスリスリって、単なる食欲アピールだけじゃなくて、「夜が明けて、今日も大好きな人間が無事に戻ってきた」という確認の挨拶であり、自分の匂いをつけ直す大切なスキンシップなんですよね。
それを飼い主の都合で雑にあしらってしまったことを、今でもたまに思い出して反省します。

踏まないための「すり足」走法

それ以来、どんなに忙しい朝でも、ぎんがスリスリしてきたら最低1分間は手を止めて、しゃがんで相手をすることに決めました。

頭のてっぺん、耳の後ろ、そして一番気持ちよさそうにする顎の下。指先でカリカリと掻いてあげると、目を細めて「グルグルグル……」と低い音で喉を鳴らし始めます。

満足すると、自分からふいっと離れて、トットコとご飯のお皿の前へ歩いていく。この「満足の境界線」を見極めるのが、同居人としての腕の見せ所です。

ちなみに、キッチンで猫にスリスリされているときの移動は、足を床から離さない「すり足」が基本です。足を上げると、踏み下ろした場所にちょうどぎんの短い足やしっぽが入り込んでいてヒヤッとすることがある。忍者のように足裏を床に滑らせながら移動する私の姿は、端から見たらかなり間抜けだと思いますが、同居の安全のためには背に腹は代えられません。

平日の朝に、強制的に立ち止まる時間

火曜日の朝って、月曜日の疲れがまだ抜けきっていなくて、一週間の長さに気が遠くなりかけるタイミングです。

放っておくと、頭の中は「今日のシフトどう回そう」「あの発注の締め切りは何時だっけ」と、仕事のことばかりで埋め尽くされて、無意識に呼吸が浅くなってしまう。

そんな時に、足元で全体重をかけて「ここにいるよ」と主張してくる小さな生き物がいること。

「ちょっと待って、そんなに焦ってどこ行くの?」と引き止められているような気がして、ふっと我に返ることができます。

今朝もぎんのおかげで、予定していた電車より1本遅い時間になりましたが、まあ5分くらいの遅れなら何の問題もありません。足首に残った温もりの余韻を思い出しながら、今日も一日、自分のペースでやっていこうと思います。

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