早期英語教育の成功への第一歩「バイリンガル」と「バイカルチャー」とは何かを知る|バイリンガル育児
こんにちは。子どものための英語環境アドバイザー Kaori です。
今日は、英語で子育てをしようと思っている親御さんにとって、避けて通れないテーマ——
「バイリンガル」と「バイカルチャー」について書きます。
英語教育の情報は世の中にあふれています。
けれど、最初の段階でこの2つの概念をきちんと整理しておくと、
英語育児が「迷子」になりにくくなり、親子ともにずっと楽になります。
はじめに|なぜ今、英語が“必要”に感じられるのか
最近は、
小学校英語の導入・拡大
転職・就職活動でのTOEICスコア
社内評価や昇格と英語の関係
海外駐在の可能性
など、英語が生活と仕事に入り込む話題を耳にする機会が増えました。
2010年ごろには、楽天やユニクロなどの企業で
「社内公用語が英語に」という話が話題になりましたよね。
「時代はいよいよここまで来たか」と、当時衝撃を受けたことを覚えています。
こうした社会の動きがあるからこそ、
子どもを持つ親にとっても
「英語力はやっぱり必要だ」
という意識が強くなるのは、とても自然なことだと思います。
「バイリンガル育児」の情報が多い時代だからこそ
「バイリンガル育児」という言葉で検索すると、
体験談やノウハウが大量に出てきます。
これは、早期英語教育が一般家庭にまで浸透してきた証拠でもあります。
ただ、私はずっと気になっていました。
みなさんが言う「バイリンガル」って、
具体的にどのレベルを指しているのだろう?
そして、もう一つ。
その“ゴール設定”は、
親子にとって幸せな形になっているだろうか?
ここが曖昧なまま進むと、英語育児は苦しくなります。
なぜなら、ゴールが曖昧だと評価基準も曖昧になり、
「できてるのか、できてないのか」が分からなくなるからです。
そもそも「バイリンガル」とは何か?
バイリンガルは、言葉の通り
2つの言語を扱う人を指します。
3つならトライリンガル、それ以上ならマルチリンガル。
ただし、ここで大事なのは——
“どの程度できれば”バイリンガルなのかは、実は曖昧だということです。
実際、Wikipediaでも定義が曖昧である旨が書かれていますし、
現実世界でも「どこからがバイリンガルか」は状況によって変わります。
私は、ヨーロッパやシンガポールで暮らす中で、
2〜3言語を使い分ける人たちに多く出会ってきました。
例えば、ラテン語系の言語(スペイン語・イタリア語・ポルトガル語など)は、
近い言語同士で理解しやすい場合もあり、
学校でフランス語を学んで日常会話程度話せる人も珍しくありません。
ただ、面白いのはここからです。
そうした環境の人たちは、
「ちょっと話せる」程度で
「私はバイリンガルです」と強く名乗る人が少ない印象でした。
それはきっと、言語の奥深さを知っているから。
“できる/できない”が単純に分けられないことを、肌で知っているからだと思います。
私自身はバイリンガルではない——その理由
ここで私自身の話をします。
私は海外生活(留学を含め)トータルで長く暮らしてきました。
それでも私は、自分をバイリンガルだと思っていませんし、
今後も「完全な意味でのバイリンガル」にはならないと思っています。
学びを止めたわけではありません。
むしろ、続けています。
でも、上を目指せば目指すほど、
言語習得は果てしない道のりだと痛感しています。
英語圏で生活するのに必要な英語レベルは?
海外生活で必要になるのは、例えばこんな場面です。
学校の先生とのやりとり
公共料金の支払い
不動産屋とのやりとり
職場での電話・クレーム対応
ニュースを聞く/読む
家庭での会話(夫との会話、時にケンカも含めて)
子どもを叱る、褒める、気持ちを受け止める
宿題や絵本のサポート
こういう生活英語は、
一定の語彙とフレーズを押さえることで、かなりの部分が回ります。
中学英語+生活語彙の積み上げで、
実生活はカバーできる場面が多いのも事実です。
ただし——
ニュースや映画を“一語一句”理解する、
専門書を読み込む、
繊細なニュアンスを自在に操る、
こうした領域は別で、
ここに踏み込むほど「母語のようにはいかない」壁が現れます。
私の場合も、英語を話すときは
日本語のように無意識で出てくるのではなく、
別の思考回路を使って“意識して”話している感覚があります。
だからこそ、私は自分をバイリンガルとは呼びません。
では「バイリンガル育児」で目指すべきものは?
昔の私は、バイリンガルとは
2言語とも同じ程度に流暢で
「読む・書く・話す」が高いレベルでできる
ことだと思っていました。
でも近年は、定義がもっと広く使われることもあります。
どちらかの言語が強く、もう片方は弱い
2言語を混ぜながらでも会話できる
生活場面で2言語を使い分けられる
こうした状態でも「バイリンガル」と言われることがある。
つまり、バイリンガル育児の議論は、
“目指す到達点が人によって違う”のが前提なのです。
だからこそ、まず最初にやるべきことはひとつ。
「わが家にとってのバイリンガル」を定義すること
です。
バイリンガル育児で、忘れてはいけないこと
ここで、あえて少し強めに言います。
「自分が苦手だった英語を、子どもには話せるようになってほしい」
「0歳から教材を与えてペラペラにしたい」
この気持ちは分かります。
でも、そのままだと、英語が目的になってしまいます。
英語は本来、道具です。
そして子どもにとっては、
親の期待が強すぎるほど重荷になります。
私が思う「英語育児の成功」とは、
英語を通して世界が広がる
異なる価値観に出会っても折れにくい
自分の意見を持ち、人と関われる
何より親子の関係が健やかである
こういう方向に進んでいる状態です。
そのために必要なのは、言語だけではありません。
「バイカルチャー」という視点
ここで登場するのが バイカルチャー です。
私は櫛田健児さんの書籍の中でこの概念に触れ、
「まさにそれだ」と感じました。
Weblioでは、バイカルチャーについて次のように説明されています(要約)。
複数の社会文化に適応している状態
バイリンガルでも、モノカルチャー(一つの文化にしか適応していない)可能性がある
一般に想像される「国際人」は、実はバイリンガルかつバイカルチャーである
言語だけでなく、社会文化的対応力も含めて学ぶ必要がある
(参照:Weblio)
※英語では bicultural(bicultural)と表記されます。
なぜバイカルチャーが重要なのか
私自身、海外で暮らし、働き、人と関わる中で、
言語が話せても「文化への対応力」が不足していて苦しむ人を見てきました。
それは日本人に限りません。
自分の常識が通らないことに必要以上に傷つく
相手を“間違っている”と決めつけてしまう
意図せず周囲を傷つけてしまう
その結果、孤立したり、心が疲れてしまったり
こういう場面に出会うたびに思うのです。
コミュニケーション能力とは、
言語能力だけの話ではない。
むしろ、
社会文化への適応力が同等か、それ以上に重要な場面も多い。
そして大事なのは、
この「適応力」は特別な環境だけで育つものではなく、
家庭でも育てられるということです。
早期英語教育の成功への第一歩
この記事で伝えたい結論はシンプルです。
英語育児を始める前に、
「わが家にとってのバイリンガル」を定義し
言語だけでなく「バイカルチャー」の視点を持つ
この2つを意識するだけで、
英語育児はぐっと健やかになります。
英語を“目的”にしない。
英語を“世界への入口”にする。
それが、私がグローバルキッズ養成塾で伝え続けたいテーマです。
さいごに
バイリンガル育児に正解はありません。
でも、軸は作れます。
「語学」だけでなく「文化」も含めて、
子どもの世界を育てていく。
あなたはこの考え方について、どう感じますか?
