深入山の麓へ逃げる。夏のいこいの村ひろしまが、涼しいわけ
八月の広島市街を歩いていると、アスファルトの照り返しで景色が揺れて見えます。
広島地方気象台の資料によれば、2025年8月の広島の月平均気温は29.7℃でした(出典: 広島地方気象台「広島県の気象 令和7年8月」)。月の平均でこの数字ですから、日中の暑さは想像がつくと思います。
そんな時期に、車で1時間半ほど北へ走ると、ずいぶん違う夏があります。
■ 標高という、いちばん確実な避暑
〈いこいの村ひろしま〉は、広島県山県郡安芸太田町。西中国山地国定公園のなか、深入山(しんにゅうざん・標高1,153m)の南麓に広がる蔵座高原にあります。
避暑地の涼しさというのは、突き詰めればとても単純な物理現象です。空気は標高が上がるほど薄く、冷えていく。目安として、標高が100m上がるごとに気温はおよそ0.6℃下がると言われます。海沿いの街と山あいの高原では、同じ日の同じ時刻でも、体感がまったく別物になります。
エアコンの効いた部屋の涼しさとは、質が違います。窓を開けたときに入ってくる風が冷たい。日陰に入ると、汗がすっと引く。夕方になると空気が締まって、夜は薄手の羽織るものがほしくなる。八月にそれを味わえる場所が、広島市内から車で行ける距離にあります。
■ 山の姿が、そのまま宿の景色になる
深入山は、山頂まで草原が続く珍しい形の山です。木がまばらで見晴らしがよく、麓から1時間ほどで登れるので、登山になじみのない方でも歩けます。安芸太田町は森林セラピーの認定を広島県内で最初に受けた町で、深入山にはセラピーロードも整備されています。
いこいの村ひろしまは、その山懐にあります。敷地は広く、グラウンドやグラウンドゴルフ場もあって、視界の抜けがいい。朝、カーテンを開けたときに山の緑が目に入る——それだけで、宿を出るまでの時間の流れが変わる気がします。
■ 汗をかいたあとの、セラミック温泉
館内には大浴場「セラミック温泉」があります。
名前に温泉とついていますが、これは天然温泉ではなく、セラミックを用いた人工の機能性浴です。そこは正直にお伝えしておきます。ただ、ジェットバスとサウナ(15:00〜22:00)を備えていて、外で歩いたあとの体をほぐすには十分。山を歩いて汗をかいて、風呂に入って、浴衣に着替えて夕食へ——この流れが、夏のいこいの村のいちばん気持ちのいい時間だと思っています。
■ 泊まらなくても、涼みに来られます
宿泊は27室。特別室の和洋室・洋室、和室が2タイプ、バリアフリールームまで揃えています。
「泊まるほどではないけれど、暑さから逃げたい」という方には、日帰りパック(7,700円〜)もご用意しています。グラウンドゴルフとお食事をセットにしたプラン(6,600円〜)もあり、こちらはご年配のグループにも人気です。料金は時期・人数・内容によって変わりますので、目安としてご覧ください。
アクセスは、中国自動車道の戸河内ICから国道191号を北上しておよそ25分。広島駅からは路線バス(新広益線)も出ています。
■ 結びに
夏の旅行というと、海か、遠くの高原か、と考えがちです。けれど広島には、車で1時間半のところに標高の高い場所があります。そこにひと晩泊まるだけで、八月の体感はずいぶん変わります。
三段峡や温井ダムといった見どころも近く、周辺をまわる拠点にもなります。今年の残りの夏、あるいは涼しくなってからの秋の一泊に。いこいの村ひろしまを思い出していただけたら嬉しく思います。
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