AIで開発を自動化したら、時間は増えた。でも失ったものもあった
AIによる開発の自動化には、かなり成功しました。
Claude Codeが実装し、Codexがレビューする。
問題があれば修正して、またレビューする。
うまく回れば、自分がずっとパソコンの前にいなくても開発が進みます。
狙い通りでした。
自由な時間は増えました。
でも、しばらく続けてみて気づきました。
時間を得た一方で、自分にとって大事だったものも失っていました。
だから今は、完全自動化中心のやり方から少し戻しています。
AIの待ち時間に、ずっと自転車を漕いでいた
私は普段、開発するときにパソコンの前へフィットネスバイクを置いています。
Claude Codeに、
「ここを調べて」
「この機能を実装して」
「テストして」
とお願いする。
すると数分、ときには数十分待ちます。
その間に自転車を漕いでいました。
AIがコードを書いている間に漕ぐ。
テストしている間に漕ぐ。
回答が返ってきたら一度止まり、内容を読む。
納得したら次の依頼を出して、また漕ぐ。
かなり泥臭いやり方です。
でも、この方法だと自然に運動する時間ができていました。
AIの待ち時間は、
「何もできない時間」ではなく「運動する時間」
になっていたわけです。
完全自動化したら、運動まで減った
そこで、さらに効率化しようとしました。
Claude Codeで開発し、Codexでレビューする。
レビューで問題が見つかれば修正し、また確認する。
いわゆるループエンジニアリングです。
人間が毎回、
「次はこれをしてください」
と指示しなくても、ある程度先まで進められるようにしました。
すると当然、
パソコンの前にいる時間が減りました。
自由な時間が増えた。
効率化としては成功です。
ところがしばらくすると、
フィットネスバイクに乗る時間まで減っていました。
考えてみれば当たり前です。
パソコンの前にいないのだから、その前に置いてある自転車にも乗りません。
AIによって時間を作ったはずなのに、
それまで自然に続いていた運動習慣まで一緒に消えていました。
でも、失っていたのは運動だけではなかった
もっと大きかったのはこちらです。
完全自動化する前は、AIから回答が返ってくるたびに一通り読んでいました。
なぜこの実装にしたのか。
どこで失敗したのか。
何を変更したのか。
どのテストが落ちたのか。
次に何をしようとしているのか。
全部を完全に理解できていたわけではありません。
それでも、
AIの回答を読む
↓
なんとなく理解する
↓
分からなければ聞く
↓
納得して次へ進む
ということを繰り返していました。
その積み重ねで、少しずつ知識も増えていました。
以前なら意味が分からなかったエラーが分かるようになる。
設計上の問題に気づけるようになる。
「ここはAIに考えさせるより、Python側で決めた方が安全そうだな」
と考えられるようになる。
自分でコードを全部書いていなくても、
途中経過を読むこと自体が学習になっていた
ようです。
次に考えるのは「どこを人間に残すか」かもしれない
最近は、AIに実装・レビュー・修正を繰り返させて、人間の介入をできるだけ減らす開発方法も注目されています。
私自身も、Claude CodeとCodexを使ってそこを目指しました。
そして実際にやってみると、
「どこまで自動化できるか」
の次には、
「どこをあえて人間に残すか」
という問題が出てくるのではないかと思うようになりました。
AIに任せられる工程は、これからもっと増えていくと思います。
実装する。
テストする。
レビューする。
修正する。
その先まで自動で進める。
でも、全部をAIに任せられるようになったとしても、
途中の確認や試行錯誤まで全部なくした方がいいとは限りません。
何をAIへ渡して、
何を自分の側に残すのか。
これから自動化が進むほど、
この線引きの方が重要になるのかもしれません。
たぶん、これは開発だけの話ではない
似たことは、普通のAI活用でも起きている気がします。
例えばメール。
以前なら、
「どういう順番で書けば伝わるだろう」
と考えながら文章を書いていました。
AIなら数秒で下書きができます。
とても便利です。
でも同時に、
文章を書きながら自分の考えを整理していた時間
もなくなります。
資料をAIに要約してもらえば、全部読む必要はありません。
でも、
全文を読んでいたから偶然見つけていた情報
も減るかもしれません。
エラーをAIに渡せば、原因と修正方法をすぐ教えてくれます。
でも以前なら、自分で検索して複数の記事を読み、
「そういう仕組みだったのか」
と理解していたかもしれません。
AIで削減されるのは、
単なる作業時間だけではない
のだと思います。
「面倒だったこと」と「無駄だったこと」は同じではなかった
今回、一番大きかった気づきはこれでした。
面倒な工程=価値のない工程ではない。
AIの回答を毎回読む。
面倒です。
でも知識が増えていました。
AIの処理を待つ。
非効率です。
でもその時間に運動していました。
エラーを見る。
できれば見たくありません。
でも、
「なぜ失敗したんだろう」
と考えること自体を楽しんでいました。
自動化すると、
こうしたものまでまとめて消してくれます。
便利になればなるほど、
人間は完成した結果だけを見るようになります。
私が失っていたのは、
待ち時間ではなく、途中の過程
だったのかもしれません。
Claude Code+ChatGPT+自分の3者に戻した
そこで、Claude CodeとCodexを自動で回し続ける形から、
Claude Code+ChatGPT+自分
の3者で進める形に戻しました。
Claude Codeに実装してもらう。
結果を自分でも読む。
分からないところや次の方針をChatGPTと相談する。
自分なりに納得したら、次の工程を依頼する。
Codexに自動でレビューさせ続けるより、人間が途中に入る分だけ開発は止まります。
効率だけを考えれば、以前のループの方が上かもしれません。
でも、
私は完成したものだけが欲しかったわけではなかった。
作っている途中も楽しみたかった。
ここが自分にとっては大きかったようです。
AIで空いた時間と一緒に、何を失っているのか
AI活用では、
「何分短縮できた」
「どこまで自動化できた」
という数字に目が行きます。
それ自体は重要です。
でも、最近はもう一つ見てもいいと思っています。
その時間と一緒に、何がなくなったのか。
考える時間かもしれない。
人と話す機会かもしれない。
偶然覚えていた知識かもしれない。
ちょっとした休憩かもしれない。
自分でやったという感覚かもしれない。
私の場合は、
運動する時間
開発から学ぶ時間
試行錯誤する楽しさ
でした。
全部、自動化しなくてもいい
もちろん、自動化そのものを否定するつもりはありません。
Claude CodeとCodexを使ったループも、とても便利でした。
今後も、
「ここは完全に任せていい」
と思う部分は自動化していくと思います。
ただ、
AIに任せられることと、AIに任せたいことは違う。
ということは覚えておこうと思います。
単純作業は任せたい。
無意味な待ち時間も減らしたい。
でも、自分が面白いと思っているところまで消す必要はない。
効率が少し悪くても、
AIの回答を読んで、
「なるほど」
と思って、
また次をお願いする。
そのくらいの泥臭さが、自分にはちょうどよかったようです。
ということで、しばらくはまた、
Claude CodeとChatGPTと自分の3者で開発します。
そしてAIが考えている間は、
フィットネスバイクを漕ぎます。
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