『術式 第4話:冷却室の告白』
成城大学附属病院。その薬品管理室の深くにある「冷却室」で、ひっそりと発見された一本の製剤ビンによって、再び「術式」が止まることはなかった。
その88番と呼ばれる製剤番号は、旧カルナチームの術式で使われていたものと一致していた。 薬品管理室の真里は、その異常に気づき、文書で病院内調査室の芦名に通報をした。
調査はすぐに始まった。 手術記録を追った芦名は、その製剤を操作で使っていたと見られる記録に刺激を覚える。 しかし、誰が使用したのかは明らかになっていない。
最初は、前回「無影燈の静寂」で限界線にいた麻醉科医、朝比奈樹里に疑いが向けられた。 しかし、当時は現場を離れ、手術には関わっていないと言う。
そこで調査は新たな発想にたどり着く。 「術式を教えたのは誰か」。
補助で持ち込まれていた薬の箱。 持ち出し記録には、カルナチームの元メンバー、千葉達のIDが残っていた。
芦名は千葉を呼び出し話を聞く。
「ぼくは、命じられたものを運ぶだけで、製剤の中身なんて見てない。ただ先生の指示で…」
旧チームの跡を追っていた芦名は、手術前の薬剤チェックに「製剤番号ラベルのずれ」を発見。
手術は中止。 そして、その88番の製剤をもっていたのもまた千葉だった。
芦名は不満げな表情で言う。 「これは何かのルールで、味方を教えられた病院内の「戮継」だ。」
そして最後、椅子に座り、光の無い角念でひとりごちる。
「命を削るのは、手把じゃない。 教育だ。」
