頑張り屋さんの「わかったふり」を卒業する。——組織の仕組みで解くコミュニケーションの壁
私は、聴覚障害のある当事者として長年職場で働いてきました。
これまでは、業務の中で生じるコミュニケーションの困難について、「自分が工夫すれば何とかなる」「周囲に負担をかけてはいけない」と考え、個人の努力で補うものだと思い込んできました。
トイレにこもって泣いた日、自分を責め続けた日々
聞き取れなかった部分を補うため、必死に相手の口元を追い、分かる単語をメモする。それでも不安が残ると、終了後に関係者を一人ずつ捕まえて確認し、「また聞き直すのか」と自分を責める日々。
• 「今は忙しそうだから」と確認を控えた結果、対応が遅れる。
• 理解不足だと思われてしまうのが怖くて、分かったふりをして席に戻る。
• そのたびに「もっと自分が頑張らなければ」と感じ続けてきました。
変化のきっかけ:それは「努力不足」ではなかった
しかし、最近あることに気づきました。こうした困難は個人の努力不足ではなく、コミュニケーションの前提が「聞こえること」に置かれている「仕組みそのもの」に原因があるのではないか、ということです。
そんな時、上司からもらったこの言葉が私の転機になりました。
「それは個人の問題ではなく、組織の構造として考える必要がある」
これによって、長年抱えてきた違和感を初めて言語化することができました。
特別扱いではなく、誰もが働きやすい「土台」を
私が求めているのは、特別扱いではありません。
例えば、「後から内容を確認できるログ(記録)がある」「重要なことはチャットでも共有する」といった仕組みがあれば、聞こえにくさのある人だけでなく、誰もが安心して働けます。具体的な困りごとを共有することは、将来、多様な背景を持つ人が加わったときの強固な土台になります。
今の私にできること
• 個人の「我慢」に依存しない働き方を提案すること。
• 誰もが「当たり前」に働ける場所へとつなげていくこと。
「新しい道へ進むその日まで、
この場所でしっかりとした足跡を残していきたいです。」
共生社会への一歩を信じて。
