見出し画像

【Hair】白髪染めの色持ちは、薬剤だけでは決まりません。僕が「塗り方」を大切にする理由



「白髪がすぐ明るくなるので、もっと濃い白髪染めで染めてください。」


美容師をしていると、このようなご相談をいただくことがあります。


もちろん、薬剤の選び方はとても大切です。


でも、僕はいつも思います。


白髪カラーは、薬剤だけで結果が決まる仕事ではない。


今日は、僕が白髪カラーで「塗り方」まで設計する理由を書いてみます。



同じ薬剤でも、同じ仕上がりにはならない


カラー剤には品番があります。


レベルがあります。


ブラウンの濃さがあります。


でも、その情報だけで仕上がりは決まりません。


同じ薬剤を使っても、


よく染まる方。


少し明るく見えやすい方。


色持ちが良い方。


早く褪色する方。


結果は一人ひとり違います。


美容師は薬剤を選ぶだけではなく、


その薬剤を、誰に、どう使うかを考えています。



最初に見るのは、薬剤ではなく白髪です


カラーを始める前に、僕が一番最初に見るのは薬剤ではありません。


白髪です。


どこに、どれくらいあるのか


顔周りなのか。


分け目なのか。


つむじなのか。


全体なのか。


白髪は均一に生えているわけではありません。


だから全体を同じように染めても、


同じようには見えません。


まずは白髪がどこに集中しているのか。


そこからカラーは始まります。



塗る順番も、カラー設計の一部


カラーは、全ての場所を同時に塗ることはできません。


必ず、


最初に塗る場所。


最後に塗る場所。


があります。


放置時間は、塗る順番で変わる


例えば、顔周りの白髪が一番気になる方。


その場合、僕はそこから塗り始めることがあります。


理由はシンプルです。


放置時間を長く確保できるから。


同じ20分でも、


最初に塗った場所と最後に塗った場所では、


実際に薬剤が髪についている時間は違います。


つまり、


塗る順番も、染まり方を決める技術なんです。



塗布量が少ないと、薬剤は仕事ができない


同じ薬剤でも、


塗る量が違えば結果は変わります。


白髪一本一本に届いているか


白髪が多い部分ほど、


薬剤はしっかり届いてほしい。


でも髪は重なっています。


短い毛もあります。


細い毛もあります。


だから見えている部分だけ塗っても、


実際には薬剤が届いていないことがあります。


薬剤は、


髪一本一本を包み込めて初めて、本来の性能を発揮します。



髪質によって、薬剤の反応は変わる


ここも、とても面白いところです。


同じ薬剤。


同じ放置時間。


同じ塗布量。


それでも結果は違います。


髪には、それぞれ違う履歴がある


縮毛矯正。


ホームカラー。


ブリーチ。


毎日のアイロン。


紫外線。


そして髪質。


髪は、その人が過ごしてきた時間を全部覚えています。


だから美容師は、


今日の髪だけを見ているわけではありません。


髪に残っている「履歴」まで見ています。



「濃い薬剤=色持ちが良い」ではない


もちろん、白髪を染めるにはブラウンの力が必要です。


でも、


だからといって濃くすればいいわけではありません。


濃くすると、次のカラーが難しくなる


毛先へ濃いブラウンを重ね続けると、


暗くなる。


濁る。


透明感がなくなる。


柔らかさがなくなる。


そして、


次に明るくしたくなったとき、


美容師はその履歴と戦うことになります。


だから僕は、


必要以上に濃くすることを、色持ちとは考えていません。



薬剤は「何を使うか」より「どう使うか」


美容師同士で話していると、


「何番を使った?」


という会話はよくあります。


でも本当に大切なのは、


その薬剤を、


どこへ。


どのくらい。


どんな順番で。


どれくらい時間を置いたのか。


そこまで含めて初めてカラーになります。


料理で例えるなら、


同じ食材でも、


切り方や火加減で味が変わるようなものです。


薬剤は材料。


仕上がりを決めるのは、使い方です。



僕が設計しているのは、薬剤ではなく時間


カラーをしている時間だけを見ると、


薬剤を塗って待つだけに見えるかもしれません。


でも実際には、


その20〜30分の中で、


どの順番で進めるか。


どこへ薬剤を届けるか。


どこに時間を使うか。


そんなことをずっと考えています。


白髪カラーは「塗る技術」ではなく「設計する技術」


白髪カラーは、


薬剤を塗る仕事ではありません。


白髪の量。


髪質。


履歴。


塗布順。


塗布量。


放置時間。


色落ち。


次回のカラー。


その全部を一つにつなげて考える仕事です。


だから僕は、


白髪カラーとは、


薬剤を選ぶ技術ではなく、薬剤を設計する技術だと思っています。


そして、その設計は、染めた日の仕上がりだけでは終わりません。


次回まで、どんなふうに色が変化していくのか。


そこまで含めて、一つのカラーだと考えています。



七森 剛|Go Nanamori


CEO / Artistic Director – KOE Inc.

表参道美容室Koe 代表


髪質改善カットとパーソナルカラー診断を軸に、

骨格・毛流れ・髪質・ライフスタイルから

「似合う美しさ」を設計。


“美しさの判断を引き受ける”ことをテーマに、

静かな半個室空間で、一人ひとりと向き合う美容室を運営。



Koe(表参道)


髪質改善カット × パーソナルカラー診断 × 半個室


表参道駅A2出口 徒歩2分


Quiet, semi-private salon in Omotesando, Tokyo.

Specializing in hair texture improving cuts and personal color consultation.

We take responsibility for beauty decisions.



ご予約|


[公式サイト]


[Hot Pepper Beauty]


Instagram|

@koe_omotesando

いいなと思ったら応援しよう!