灼熱のチャコ地方、迫り来る"敵"、悪夢の日々
前回のあらすじ;
パラグアイに入って税関オフィスで寝ました。
現在地;パラグアイ

首都アスンシオンまで646kmの表示。
灼熱の青空、止まらない汗、気が遠くなるくらいの一本道、君と夏の終わり、将来の夢、大きな希望、忘れない。
引き続きパラグアイのチャコ地方を進みます。
10年後の8月また出会えるのを信じて───

ラ・パトリアを越えてからは、数十kmおきくらいで屋根付きのバス停が現れるようになりました。
秋葉監督がブチギレるレベルで陽を遮るものが何も無かったこれまでのチャコ地方において、これは青天の霹靂もとい「晴天のトキメキ」であります。
見つけ次第すぐに駆け込んでドサッとベンチに寝転び、汗だくの身体をクールダウンします。

試合後のインタビューで、
「何も無い。今季最低のゲームです」
と言い放ったことで知られる。

マジでシャレにならんレベルの灼熱でチャコ地方にウユニ塩湖できるんちゃうか(?)くらい汗が止まらないので、昼前くらいにはもう塩分不足で頭がクラクラしてくるんですよね。
そこでハッと気付きました。
「日本から持って来たインスタント味噌汁、めっちゃ余ってるわ」と。
袋の端っこをピッと噛み切り、駄菓子屋でよく見かける細長ゼリーと同じ要領で味噌をチューチュー吸い出します。
自転車を漕ぎながらチャージしていると、なんだかそういうタイプのエナジージェルをクールに補給しているアスリートみたいで今俺だいぶカッコ良くない?という気分になれるのでとてもオススメです。
吸ってるの、めちゃめちゃ味噌なんですけど。
あとしょっぱすぎて舌ビリビリする。
でも実際これが大当たりでした。
炎天下で味噌をキメると途端に頭がキリッとクリアになって視界がパーッと開けるような感覚があります。
塩分の大切さが身に沁みて分かりました。


チャコ地方を進んでいて面白かったのが、至る所に鳥の巣が乱立していること。
木という木、電信柱という電信柱にドス黒い塊がモサッと張り付いている様はたぶんここでしか見ることの出来ない景色だと思います。
大きめの猛禽類のような鳥もいたし、黄緑やら水色やらカラフルなインコ?オウム?がキョンキョン鳴きながら群れをなしているのをよく見かけました。
あと1回だけアルマジロが道端で死んでいるのも見ました。
生きている姿を見たかったです。

あとはそこら中にこんな下半身ずんぐりの木。
トックリキワタという植物で、現地では「酔っ払いの木」と呼ばれているようです。


この日は120kmほど進んでようやくチャコ地方2番目の町、マリスカルに到着。
宿が何軒かあったので暑さに我慢ならず迷わずチェックインすることにしました。
が、チャコ地方の宿は総じて値段が高めです。
別の日も含めて何軒か値段を聞いて回ったんですが、最安のところでもシングル1泊15万グアラニー(4000円くらい)という結果でした。
田舎すぎるからでしょうか。

マリスカルの町から東側に入るとガソリンスタンドの間隔が狭くなってきて、ようやく文明のありがたみを感じられるようになって来ます。
パラグアイのガソリンスタンドはアンデス地域に比べてとても先進国な感じがします。
クーラーもガンガンに効いてるし、併設のコンビニにはたくさんの商品が並んでるし、トイレも概ね綺麗で休憩にはもってこいです。



このようなビュッフェ(量り売り)スタイルの食堂がチラホラ見られるようになって来ました。
場所にもよりますが種類はとても豊富、ただお腹いっぱい食べようとするとどうしても日本円で1000円を超えてしまうような相場感だったので、贅沢をしたい時だけ食べることとします。

国境から350km地点のガソリンスタンドにてパラグアイ初のATM。
※マリスカルの路上にもありましたが故障中でした。
入国してから何人にも場所を聞きまくってようやく辿り着いて、やっとグアラニーを下ろすことができました。
ちなみにパラグアイは小さな商店でもクレジットカードを使えることが多いです。支払いに困ることはありませんでしたが、手数料取られるのが嫌なので。

ロサ・ミスティカという小さな集落に差し掛かりハンバーガー屋さんを見つけたので入ってみると、ちょうどテレビでサッカーの試合中継が流れていて地元の人たちが集まっていたところでした。
せっかくなのでハンバーガー片手に観戦。

なぜだかは分かりませんが、いきなり観客がピッチになだれ込んで来て試合が中断され、そのまま中止になりました。
状況、まったく掴めず。
店のみんなは意外とヘラヘラしてるし。
BBCによると、この試合ではサポーターと警察の衝突の結果、スタジアム内で催涙ガスやゴム弾が炸裂しまくっていたようです。これは歴史的瞬間を目撃してしまったかもしれません。
でもみんなのヘラヘラした感じ、パラグアイリーグでは日常茶飯事なのかもしれません。
どんな国だよ。

この次の日くらいから蚊が大量発生するようになりました。
上の写真、とてもわかりにくいですが10匹ほどの蚊が写り込んでいます。
そうなんです。
チャコ地方の蚊、自転車漕いでても構わず追いかけて来て肩から足までブッスブス刺してきやがるんです。
しかもサイズもデカいし、虫除けクリームも最初の10分程度しか効きません。厄介すぎる。
悪夢の始まりでした。
地元の人たちもみんな嫌そうな顔をしていましたが、聞くところによるとまぁここら辺の地域ではあるあるなようで、先週大雨が降ってそれで大量に湧きはじめたとのこと。

全部叩きつぶした蚊です
身体中にまとわりついてくる蚊に苦しめられながらテントを立てて、そこからサッと潜り込むだけでもテントの中が蚊まみれになります。
入口のチャックが開いていた時間はわずか10秒足らずです。
日中は大群に纏わりつかれ、夜は30匹にも及ぶ"ヤツら"を汗だくになりながら叩きつぶして、そこからようやく眠りにつくという地獄の日々。
というか暑くてまともに寝付けない。
もう悪夢すぎて、正直なところチャコ地方はこの日以降全然写真も撮ってないし記憶もほとんどありません。
人間、嫌な記憶ってほとんど忘れちゃうんですね。とても良いシステムだと思います。
それぐらい最悪な日々でした。

パラグアイではひたすらこれを飲んでた
蚊が出てきてからはこれだけが救いだった
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