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イグアスの伝説の日本人宿「民宿小林」

前回のあらすじ;
マイボンビージャを購入しました。
現在地;パラグアイ


伝説への道

「パラグアイでは伝説の日本人宿に泊まったよ」

───僕がその存在を初めて知ったのはペルーのクスコで宿に居合わせた日本人サイクリストの方とお話ししていた時でした。

世の男の子には例外なく全員「伝説」というワードに惹かれてしまうという習性があるんですよね。
もちろんこの佐々木もその内のひとり。

このワードがなんかおもろいと思って無闇に使用してしまうタイミングが僕にはあります。
居酒屋で注文した冷やしトマトが来た時に「こ、これは伝説の!?」とか言って場をうっすら白けさせたりした学生時代とか、社会人時代には「課長、これ伝説の稟議書です。」と言って提出することでペラ紙一枚にほんのり重厚感を纏わせたことなんかもありました。(ちなみにこれはややウケ、上長のややウケは結構嬉しい。)

そんな"伝説ジャンキー"たるこの僕が「伝説の日本人宿」と聞いて黙っていられるはずがありません。すぐさま根掘り葉掘り詳細を尋ねて、絶対に訪れることを心に決めました。
というか正直パラグアイ、ここに来るためだけに入国したまであります。


伝説

その伝説の宿、民宿小林はパラグアイ東部のイグアス移住地というエリアにあります。
詳しくはまた後で書きますが、1930年代後半に日本が国策としてパラグアイへの移民政策を開始し、このイグアス移住地はその入植地のうちのひとつなのです。

到着した日は大雨でずぶ濡れの泥だらけ、国道からさらに少し外れた田舎道に入ると突然それは姿を現します。
どんよりとした空模様に辺り一面は畑と林のみというロケーション、そしてそこにドンと構える立派な一軒家、まさに伝説の佇まいすぎて思わず唾をゴクリと飲み込みました。

どういうタイプの魔王が出てくるのか……
筋骨隆々で打撃技を多用してくる「戦闘大好き系」なのか、それとも手段を選ばずこの世を恐怖に陥れる「頭イカレ系」なのか、
はたして────。

恐るおそるインターホンを鳴らしてみると、出迎えてくれたのはとても物腰の柔らかいお母さんとたくさんの犬猫たち。鼻水をズビズビしながら少し呆気に取られている僕を、お母さんは温かく丁寧にねぎらいながら手際よく部屋と館内を案内してくれました。

なんというか、実家感。久しぶりに日本語でやり取りしてるからとかそういう単純な理由じゃなく、上手く言葉にはできないけれど温もりと愛に溢れたホーミーな空気が漂う空間だなと思いました。
「寒いんだからちゃっちゃとシャワー浴びといで!」と、言われるがままにすぐさま温かいシャワーを浴びます。

そしてひとつ気になったことがありました。
それは僕の地元である岩手県花巻市の元市長のサインが館内に飾られていたことです。

お母さんに聞いてみると、なんとびっくり、お母さんの出身も花巻だというのです。花巻で生まれ育って、20歳そこらの頃にパラグアイに移住してきたといいます。運命的すぎてここ数年で一番びっくりしたかもしれません。そして到着して感じていた「実家感」の謎がひとつ解けました。だってお母さんの喋り方、ガッツリ南部訛りなんですもん。
そこからは地元トークが弾む弾む。


「◯◯町の佐々木って言ったら、もしかして"あの"佐々木さんとこかい!?」


ただこれには全く心当たりがありませんでした。
"あの"と言われても、僕の実家は決して地元の有力な豪族とかでもなければ、逆に昔ヤバいことをやらかして村八分になった過去がある悪名なんかも無いはずです。そしてウチの地区に佐々木の苗字は僕が知るだけでも他に3世帯あります。


「ハイ‼️‼️"その"佐々木の孫です‼️😁


風邪引いてることもあってなんか疲れてきちゃったのでイチかバチかの大博打に出ました。

ズバリお母さんの反応は上々だったのでとても良かったです。
まずこれでウチの地区には村八分になるようなヤバい佐々木が恐らくいないことと、お母さんの知っている佐々木さんがもし別の佐々木家だとしたらそこの孫が無職でかつ自転車でパラグアイに来るようなヤバい奴であるという重大な勘違いを生じさせてしまったことが確定しました。

次に実家に帰るのがとても楽しみです😊


ウェルカムすき焼き

夜ご飯はウェルカムすき焼き
「ウェルカムすき焼き」はこの世で一番ハッピーな響きの言葉かもしれません。
これに匹敵するの、「逆転サヨナラ満塁ホームラン」か「無料トッピング」くらいしか無いと思います。

この日、同じ宿には世界一周の旅をしている大学生と、同じく世界一周中の小児科医の先生のお二人が宿泊中でした。
なんとこの小児科医の先生、このnoteを立ち上げてすぐの頃からフォローさせていただいているこすぎさんだったんです。インターネットのみで繋がっている人と現実で会うのは人生で初めてだったんですが、所謂オフ会とかでもなく偶然バッタリこんな所で出会えるものなんだとめちゃくちゃビックリしました。

すき焼きのいろはをよく分かっていない僕と大学生くんのためにすき焼きを作っていただいたり、洗濯機の使い方を教えていただいたり、お酒をお裾分けしていただいたり、改めて本当にありがとうございました。

すき焼きは涙出るくらい美味かったです。
白ごはんを3回おかわりしました。


次の日にお二人はチェックアウトしてしまったので、残る2日間はずっと貸切状態でした。
ひなたぼっこしながらマテ茶飲んで、ワンコ達と戯れるだけの贅沢なひととき。

朝と夕方は一緒にお散歩に出かけます。
というか、共有スペースから部屋に戻ろうと立ち上がるだけで「散歩に連れて行け」と言わんばかりに一斉に擦り寄ってくるので、その勢いに押されて「散歩に連れて行ってもらってた」という表現の方が正しいかもしれません。
縦横無尽にあちこち駆け回るワンコ達を指笛を鳴らして統率を取るのが気持ちよかったです。

たくさん撮った動画は一生の宝物になりました。1ヶ月くらい経った今の時点でもうすでにワンコ達が4回夢に出てきてます。
それくらい最高な時間でした。


朝ご飯
晩ご飯:麻婆豆腐、餃子、油淋鶏
晩ご飯:蕎麦、お刺身、おでん、野菜炒め

あとはなんと言ってもご飯。
お母さんお手製の日本食が朝と晩でてんこもり食べられます。
(お昼ごはんは宿泊代金に含まれてないんですが、朝と夜で余ったものを適当に食べることができます。量がたくさんなので絶対に余ります。)

どれもこれも本当に美味しくて、ちょっと本当に恋しくなってきたのでこの辺でそろそろこの記事書くのやめにします。腹減った。


全員でひなたぼっこ

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