【noteで少し稼ごうとした初心者の末路――売上0円。】
有料noteを出してみた。
結果から言おう。
売上0円。
今のところ、見事なくらい誰も買っていない(笑)。
しかも最初から100円で売ったわけではない。
販売開始時は、
700円。
12時間後、
500円。
3日後、
200円。
5日後、
100円。
そして現在も、
売上0円。
5日間で価格は約86%下落。
売上は微動だにしなかった。
我ながら見事な値下げである。
閉店セールでも、もう少し粘るのではないだろうか(笑)。
今回は、noteで少し稼いでみようと思った初心者が、何の知識も持たず市場へ飛び込み、見事に散った話を書いてみようと思う。
ちなみに安心してほしい。
この記事は無料である(笑)。
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【そもそも、私はnoteで稼ごうとしていなかった】
私はもともと、noteで稼ぐことを目的に始めたわけではない。
薬剤師として経験したこと。
17年間の薬局経営で起きたこと。
筋トレ。
お金。
人生について考えたこと。
その時々の自分が何を考え、何をやっていたのかを残しておきたかった。
17年目の自分。
20年目の自分。
30年目の自分。
どう変わっていくのか。
そして、いつか子どもたちが読むことがあれば、それも悪くない。
そんな感覚で書いてきた。
だから基本的には全部無料。
ところが、記事を書き続けているうちにフォロワーが増えてきた。
そして1000人が見えてきた頃、少しだけ欲が出た。
「有料にしたら、誰か買ってくれるのだろうか?」
人間とは分かりやすい(笑)。
ただ、単純にお金が欲しかったわけでもない。
一つ、確かめてみたいことがあった。
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【自分が死ぬ気でやった経験に、お金を払う価値はあるのか】
有料記事に選んだのは、私が38歳で人生初のボディメイク大会に挑戦した時の話だった。
「中年のダメ親父が、ボディメイク大会に出てみた。」
人生で初めて本気で身体を作った5か月間。
減量。
トレーニング。
日焼け。
ポージング。
大会までに使ったお金。
やって良かったこと。
失敗したこと。
そして今の自分なら、どうやって大会までの準備をやり直すのか。
当時の私は、自分なりに死ぬ気でボディメイクに向き合っていた。
もちろん本当に死ぬわけではない(笑)。
ただ、それくらい私の人生では大きな出来事だった。
大会に出たことで、それまで自分なりに正しいと思っていたトレーニングも大きく変わった。
専門家に教えてもらい、自分が何年も遠回りしていたことにも気づいた。
減量もした。
日焼けもした。
ポージングも練習した。
ステージにも立った。
そして優勝した。
その経験をできるだけ具体的に残した。
そこで疑問が湧いた。
私にとってこれほど大きかった経験は、他人にとってもお金を払うだけの価値があるのだろうか。
誰かの役に立つのだろうか。
それを一度、確かめてみたかった。
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【目標は、たった一人】
100人に売ろうとは思っていなかった。
月1万円を稼ごうとも思っていなかった。
私の中での成功ラインは、
1人。
たった一人でよかった。
私の経験を読んで、
「これはお金を払ってでも読みたい」
と思ってくれる人が一人いれば成功。
フォロワーも1000人近くまで増えていた。
1000人全員に必要なわけがない。
でも、
一人くらいはいるんじゃないか?
そう思った。
そして自分なりに内容を考えた。
文章も直した。
無料部分と有料部分も分けた。
情報もかなり詰め込んだ。
そして私は判断した。
700円。
これくらいの価値はあるだろう。
満を持して販売を開始した。
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【12時間後、500円】
売れない。
……。
まあ、まだ12時間である。
ところが初心者というものは恐ろしい。
もう不安になっている(笑)。
そして私は思った。
「やっぱり700円は高いよなぁ」
データはない。
市場調査もしていない。
700円が高いという根拠もない。
ただ反応がない。
だから高いのではないかと思った。
完全なる主観である。
そして販売開始からわずか12時間。
500円。
約29%OFF。
この時点で、すでに私の価格設定に対する自信は揺らいでいた。
━━━━
【3日後、200円】
しかし、
売れない。
ここから少しずつ別の不安が出てきた。
「高いんじゃなくて、そもそも必要としている人がいないんじゃないか?」
これはなかなか心にくる(笑)。
私にとっては人生の中でもかなり大きな出来事だった。
でも、他人にとっては関係ない。
自分がどれだけ必死だったかと、
他人がお金を払って知りたいかどうかは、
全く別の話である。
それでも私は、まだ価格に原因を求めた。
3日後。
200円。
700円だった記事が、わずか3日で200円。
この頃にはもう、
「まず読んでもらわないことには始まらない」
などと自分に言い聞かせていた気がする。
おそらく心が折れ始めていた(笑)。
━━━━
【そして5日後、100円】
それでも反応はない。
販売5日目。
とうとう、
100円。
最低価格まで下げた。
700円。
500円。
200円。
100円。
わずか5日間。
これはマーケティング戦略ではない。
価格弾力性を調べたわけでもない。
ABテストでもない。
ただ私の心が折れていく過程を価格で表しただけである(笑)。
そして5日目。
初めて販売画面を確認した。
結果は、
0円。
知ってた(笑)。
なんとなく分かっていた。
反応がなかったからである。
それでも実際に数字として「0」を見ると、不思議な感覚だった。
700円でも0円。
500円でも0円。
200円でも0円。
100円でも0円。
ここまで綺麗に結果が揃えば、さすがの私にも分かる。
価格だけの問題ではない。
市場から正式な回答をもらった気分だった。
━━━━
【そして、とんでもない矛盾に気づいた】
なぜ売れなかったのだろう。
ここで初めて少し考えた。
有料noteの売り方。
価格。
読者。
タイトル。
無料部分と有料部分。
競合。
マーケティング。
考えてみれば、私は今回そういうことをほとんど調べていない。
わざと何の情報も入れず、
自分の感覚だけで市場へ突撃した。
そして、さらに重大なことに気づいた。
私はこれまで、
有料noteを一度も買ったことがない。
……。
ちょっと待て。
自分は一円も払ったことがないのに、
他人には700円払ってくれと思っていたのか。
なんという都合のいい奴なのだろう(笑)。
我ながら見事な矛盾である。
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【100円でも、人は簡単には財布を開かない】
考えてみれば当たり前だった。
100円は大きな金額ではない。
コンビニに行けば、それ以上のお金は普通に使う。
でも、
必要のない100円には払わない。
私は有料noteを買ったことがない。
つまり私のような人間も、ごまんといるはずだ。
無料なら読む。
面白ければスキを押す。
また読みたければフォローする。
でも、
「購入する」
となった瞬間に、そこには全く違う壁がある。
私はフォロワー1000人という数字を見て、無意識に何かを勘違いしていたのかもしれない。
1000人のフォロワーは、
1000人の顧客ではない。
そんなことは17年間商売をしてきた人間なら分かっているはずなのに。
畑が変わった途端、
私は綺麗に初心者へ戻った。
━━━━
【では、私は何なら買うのだろう】
ここでようやく、
「自分だったら何にお金を払うのか」
を考えた。
有料noteを買おうと思ったこと自体はある。
「月○万円達成!」
「年収○万円!」
「1記事で5万円!」
そんなタイトルもよく見かける。
気にはなる。
でも結局、私は買わなかった。
なぜだろう。
考えてみると、
今すぐ必要ではなかったから
なのかもしれない。
もし明日までに結果を出さなければならない。
自分で一から調べる時間がない。
その記事を読めば、何時間、何日もの試行錯誤を飛ばせる。
そんな状況なら私は買うと思う。
情報そのものではなく、
時間を買う。
そう考えると、緊急性の高い情報ほど有料でも買われやすいのではないか。
……と、私は今のところ推測している。
ただし、
これはあくまで、
売上0円の男によるマーケティング分析である(笑)。
あまり信用してはいけない。
━━━━
【では、薬剤師の私に何が売れるのか】
もう一つ考えた。
私は薬剤師である。
17年間、薬局の現場にいる。
ならば薬について書けば売れるのだろうか。
これも分からない。
薬の一般的な情報なら、今はいくらでも調べられる。
ネットにもある。
公的資料もある。
AIに聞いてもかなり整理できる。
検索すれば分かることを私がまとめ直して、
「100円ください」
では、おそらく弱い。
では、私に何か優位性があるとすれば何なのか。
おそらく、
17年間現場にいた人間にしか見えないもの。
教科書ではこうなっている。
でも実際の患者さんはこうだ。
医療現場ではこういうことが起きる。
患者さんはここで困る。
薬剤師から見ると、ここにズレがある。
薬そのものの知識より、
薬が現実の世界でどう使われているのか。
そんな専門職だから見える実態や裏側なら、もしかすると価値があるのかもしれない。
ただし、
「これなら売れる!」
とはまだ言わない。
なぜなら私は、
現在も売上0円だからである(笑)。
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【17年経営していても、畑が変わればこの有様】
そして今回、私はもう一つ面白いことに気づいた。
私は薬局を17年間経営している。
人を雇ってきた。
設備投資もしてきた。
売上を見てきた。
利益も見てきた。
価格について考えることもある。
一応、経営者である。
それなのに、
noteという全く違う市場へ入った途端、
700円の商品を12時間で500円に値下げする男になった。
3日後には200円。
5日後には100円。
需要分析なし。
顧客分析なし。
競合分析なし。
マーケティングの勉強なし。
そして売れないと見るや、
値下げ。
経営者として客観的に見ると、
なかなか酷い(笑)。
17年も経営している奴が、
畑が違えばこの結果である。
でも、
私はこれでいいと思っている。
━━━━
【孫子の兵法を完全無視した男】
ここで孫子の有名な言葉を思い出した。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
相手を知り、自分を知れば、危うい戦いにはならない。
では今回の私はどうだったのか。
市場を知らない。
読者を知らない。
競合を知らない。
有料noteの売り方を知らない。
適正価格も知らない。
しかも、
自分自身が有料noteを買わない人間であることすら考えていなかった。
彼を知らない。
己も知らない。
にもかかわらず、
「よし、700円でいこう」
と戦場へ飛び出した。
孫子の兵法、完全無視である(笑)。
そして、
12時間後500円。
3日後200円。
5日後100円。
売上0円。
見事な敗走である。
孫子先生が見たら、
「まず勉強してこい」
と言うだろう。
その通りである。
最初にやっとけよ。
である(笑)。
━━━━
【皆様、買わないでくれてありがとうございます】
しかし今、私は少し変なことを思っている。
皆様、買わないでくれてありがとうございます。
皮肉ではない。
本当にそう思っている。
もし700円で何人かがすぐに買ってくれていたら、私はおそらく勘違いしていた。
「俺、文章でも稼げるんじゃない?」
と。
危ない。
非常に危ない(笑)。
市場も知らない。
マーケティングも知らない。
買い手の気持ちすら考えていない。
そんな初心者が偶然売れてしまったら、それを自分の能力だと思っていたかもしれない。
ところが世の中は、私に非常に分かりやすい答えを返してくれた。
0円。
これ以上ないほど明快である。
余計な勘違いをする余地すらない。
だから思う。
世の中は悪くない。
━━━━
【久しぶりに「完全な初心者」になった】
そして、私はこの0円を意外と気に入っている。
なぜだろう。
おそらく、
久しぶりに完全な初心者になれたからだ。
薬剤師として17年。
薬局経営も17年。
それなりに経験は積んだ。
会社では代表取締役である。
人から「先生」と呼ばれることもある。
分からないことがなくなったわけではない。
それでも、17年前と比べれば経験は圧倒的に増えた。
ところがnoteという知らない市場へ一歩出た瞬間、
私はただの42歳の初心者だった。
700円で売れない。
焦って500円。
まだ売れない。
200円。
そして100円。
それでも、
0円。
負け犬と言われても構わない。
むしろ、
非常に心地がいい散り方だった。
17年間何かをやってきたからといって、何でも分かるようになるわけではない。
場所を変えれば、また初心者になれる。
知らないことがある。
失敗できる。
恥もかける。
そして、また勉強できる。
素敵な世の中じゃないか。
私はこういうものが、どうやら嫌いではないらしい。
━━━━
【ここからが勉強である】
だから、有料noteをやめるつもりはない。
次は少し勉強してみようと思う。
誰が読むのか。
その人は何に困っているのか。
なぜ無料ではなく有料なのか。
なぜ今読む必要があるのか。
自分だったら買うのか。
どんな記事に人はお金を払っているのか。
どうやってその価値を伝えるのか。
今回完全無視したことを、一つずつ見ていく。
そして次に挑戦する時は、
満を持してやってみたい。
それでも売れなかったら?
その時はまた記事にすればいい(笑)。
━━━━
【今度は、この失敗を誰かに返せたらいい】
もし将来、私が有料記事を売れるようになったとする。
その時、
「こうすれば売れます」
だけを語るのは簡単かもしれない。
でも私は、この0円を残しておきたい。
700円。
500円。
200円。
100円。
そして0円。
何も知らずに市場へ突撃した。
見事に散った。
そこから勉強した。
試した。
また失敗した。
それでも続けた。
その過程が残っていれば、
いつか今の私と同じように、
「有料記事を出したけど全然売れない」
と悩んでいる人に、
「私も最初は0円だったよ」
と言える。
成功した後から過去を綺麗に書き換えるのではなく、
0円だった時に、本当に0円の記事を書いておく。
だからこの記事は、今書く意味がある。
━━━━
【最初の100円が売れたら、盛大に祝う】
ちなみに最初の有料記事は、現在も100円で置いてある。
もう値段は変えない。
というより、
これ以上下げられない(笑)。
現在の売上は、
0円。
このままでいい。
そして、もし。
いつの日か。
たった一人でも買ってくれる人が現れたら、
私はたぶん、
盛大に祝う。
売上、
100円。
薬局経営17年目。
42歳。
代表取締役。
そんな男が、
100円を稼いで大喜びする(笑)。
でも、その100円はきっと忘れないと思う。
金額の問題ではない。
自分の文章に、
「お金を払ってでも読みたい」
と思ってくれた人が一人現れたということだから。
0円と100円の差は、金額にすればたった100円。
でも私にとっては、
0と1の差になる。
その日が来たら、またnoteに書こう。
「売れた!」
と。
たった100円で盛大に(笑)。
━━━━
【さて、ここから孫子と行こうじゃないか】
700円。
500円。
200円。
100円。
そして、
売上0円。
我ながら見事なスタートである。
いや、
見事な敗走と言った方が正しいか(笑)。
17年経営していても、畑が違えばこの有様。
彼を知らず。
己も知らず。
何の準備もせず戦場へ飛び出し、
綺麗に散った。
でも、
これでいい。
負け犬と言われてもいい。
非常に心地がいい散り方だった。
知らない世界が、まだある。
そこで自分が通用しないこともある。
42歳になっても、また0から勉強できる。
それを実際に経験できた。
素敵な世の中じゃないか。
皆様、買わないでくれてありがとうございます。
おかげで、次にやることが分かった。
まずは彼を知ろう。
そして己を知ろう。
次に戦場へ出る時は、今回とは少し違う自分で行ってみたい。
それでもまた散ったら?
その時は、その時である。
また学べばいい。
そしてまた書けばいい。
孫子先生。
今回は完全に無視して申し訳ありませんでした(笑)。
さて。
