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#35🌿会えるときに 4-②|同窓会へ行くと決めた母🌿認知症8年目つづく学び日記

母は、同窓会へ行くつもりらしい。


けれど私たちには、
母の行きたい気持ちは伝わってきたものの、
気になることがあった。


カレンダーには同窓会の日付が
書き込まれている。
母は普段、病院や歯医者、宅配の日など、
決まった予定だけをカレンダーに書いている。

だから私は思った。

これは案内の手紙を見て書いただけなのか。
幹事さんには、ちゃんと返事をしたのだろうか。


気になったので、
お茶でも飲みながら聞いてみることにした。

トントントン🚪

「お義母さーん?」

玄関を開けると、母は電話中だった。

「そっか。じゃあ来れる人もいるんだね😊」

楽しそうに話している。

でも、手元にはメモがない💦

私は慌てて近くにあったカレンダーの裏に、

「メモしながら電話して!」

と書いて、家に戻った。

しばらくしてもう一度顔を出すと、母はいつものように笑顔だった。

「今度、同窓会だからさ。」

私は聞いてみた。

「さっき電話してたよね。少しは書けた?」

「えっ!? 私、書いてたかな?」

そう言いながら探し始めた母は、

「あっ、ここに書いてある。」

と、渡したカレンダー裏のメモを見せてくれた。

そこには、日付、最寄り駅、開始時間、 
そして7人ほどの名前が書かれていた。

母の名前もある。

私は少し安心した。

続けて母は、
「男性5人、女性10人……。」と人数のメモと、 書き留めた7人の名前を見比べ始めた。
「あれ? 人数が合わないね。おかしいね。」

・・・・・

「お母さん、そのメモは
途中で私が渡したんだよ。」
母は、メモを書き始める前のことを、 
もう忘れていた。

「でも、こうしてメモがあるから
一緒に考えられるね。」

「15人来ることも、
このメモを見て分かったでしょう。」

私がそう言うと、母はうなずいた。

「メモって、前の時間の自分に少し戻れるね」

「うん。そうだね。さっきのことを忘れちゃってるし、思い出せないと、
気になっても思い出せないんだよね。」

「そっか。じゃあなおさらメモは自分のために書いておいたほうが安心するね。

今練習している日記の横に
書けるようになるといいね。」

当日はいつも通りで
楽しく過ごしたらいいと思うよ。

でも今は(同窓会の日より前の)お友達からの連絡はメモとろうね。話したお友達が言ったことを忘れちゃっていて悲しくならないようにね。

「そうだね。がんばる。当日は相手がたくさん話してくれるから、自分は少し忘れても大丈夫だとおもってるんだ。でも顔はみたい。
会っておきたい。」

母はそう言った。

確かに会話は自然だ。

相手の話もちゃんと聞いている。

だから、認知症とは気づかれないことも多い。

でも、約束だけは違う。

その場で覚えていても、
すぐに書かなければ流れてしまう。

それが、この病気だった。

私は母に話した。

「メモがあれば、思い出すきっかけになるよ。」

「約束も守れる。」

「家なら、メモを取りながら電話できる環境なんだから。」

母は少し照れたように笑った。

「私、まだメモを取るクセができてないね。」

「難しいと思う。
でも、お母さんならできるよ。日記もこんなに書けるようになってきたじゃない😊」

「少しでもメモがあれば、一緒に考えるお手伝いもできるから。」

母の日以来、母は毎日の日記を再開した。

少しずつではあるけれど、 
自分で書ける日が増えてきている。

だから私は、メモもきっと同じだと思っている。

全部を書けなくてもいい。

一言でも残っていれば、その一枚を手がかりに、一緒に考えることができる。


実は私が一番気になっていたのは、幹事さんへ参加の返事が伝わっているかどうかだった。

誰と電話したのかまでは分からなかった。

けれど、母の名前が書かれたメモが残っていたことで、「参加する」という気持ちは、 
ちゃんと相手へ届いていたことが分かった。

何も書いていなければ、
私にも手伝えることはなかった。


認知症だからではなく、認知症だからこそ、
自分を助けてくれるメモが必要になる。

同窓会まであと少し。

母が安心して当日を迎えられるよう、
私たちの練習は、まだ続く。


🌱追伸

同窓会まで、あと少し。

当日、私は仕事の予定です。

いま私にできることは、母の「行きたい」という気持ちを信じ、朝慌てずに出かけられるよう、一緒に準備を考えることでした。

病気を知られなく、母らしく楽しい時間を過ごせるように。(それが母の希望だから。)

予定を書き、確認し、何度も一緒に作戦中です。

これまで母から、「してほしい」「助けてほしい」と言われたことは一度もありません。

きっと母は、一人でもやってみたいと思っているのだと思います。

同窓会までもう少しあります。

その日に向けて、早起きをする練習と日記を書くことは今までどおり続けます。

当日に向けて、母と繰り返し確認する時間も、まだ必要そうです。

つづきは、次の日記へ。

やりたいという気持ちは、人を動かす大きな力になる。

私は、母のそばで、その力を何度も見てきました。

あなたにも、「どうしてもやってみたい」と思うことはありますか?

※次回は「送り出す」。 母が積み重ねてきた毎日が、いよいよ当日を迎えます。


👇この「会えるときに」の日記は、
現在更新中の #7「はじめまして|つづく学び日記の入口」 に順次追加していきます🌱
はじめて読んでくださった方は、#7から読むと流れが分かりやすくなっています。 よろしければ、ゆっくりたどっていただけたら嬉しいです😊
🔗https://note.com/good_coyote254/n/n34f548207d0b



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