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”Morning Shot” 12兆円の延命システム――「支え合い」という美名で現役を喰いつぶす、介護保険という名の怪物

12兆円の巨額を呑み込み、現場は痩せ細る。この国の介護は誰のため?

令和6年度 介護保険事業状況報告(年報)ポイント (PDF:617KB)
概要 (PDF:1,568KB)
全国計 (PDF:370KB)(Excel:257KB)


(留意点)

 本報告は、介護保険事業の実施状況について、保険者(市町村等)からの報告数値を全国集計したものです。

 なお、都道府県別・保険者別の数値に関しては、以下のアドレスからご覧頂けます。
(政府統計の総合窓口(e-Stat)のサイトにリンクいたします。)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001031648

また、第2号被保険者の被保険者数・保険料については、次のPDFファイルよりご覧頂けます。(PDF:87KB)

(照会先)

厚生労働省老健局介護保険計画課
(TEL)03-5253-1111(2175、2266)


12兆円の延命システム――「支え合い」という美名で現役を喰いつぶす、介護保険という名の怪物


高齢者の2割が「認定者」の国で、誰が誰のケツを拭き、誰が最後にツケを払うのか



厚生労働省が涼しい顔で弾き出した数字を見て、思わず乾いた笑いが出た。


2024年度の介護保険の年間費用が、ついに制度創設以来初めて12兆円の大台を突破したという。要介護・要支援の認定者数は過去最多の721万人。65歳以上の高齢者の実に5人に1人が「要介護」の札をぶら下げている計算だ。


12兆円。国家予算の1割に迫る天文学的な数字である。

だが、この数字の異常な肥大化を見て「手厚い福祉社会の実現だ」などと喜ぶおめでたい人間が、この国のどこにいるだろうか。



霞が関の役人がExcelで集計したPDFの向こう側で起きているのは、底が抜けたバケツに現役世代の血税と保険料を注ぎ込み続ける、終わりのないチキンレースだ。

「みんなで支え合う共生社会」などと、耳ざわりのいいスローガンをいくら並べ立てたところで、現実はどうだ。12兆円という莫大なカネが動いているくせに、現場の訪問介護事業所は報酬改定のたびに締め上げられて次々と潰れ、ヘルパーやケアマネジャーは過酷な労働と割に合わない賃金に愛想を尽かして去っていく。カネは一体どこへ消えているのか。利権に群がる巨大な管理コストのブラックホールに吸い込まれ、泥臭く人の下の世話をし、汗を流している末端には雀の涙しか届かない。


それだけではない。この国の「老い」に対する甘えと依存心も、確実にこの数字を押し上げている。

家族の面倒すら「制度があるから」「保険料を払っているから」と行政に丸投げし、自立の気概も死生観も失ったまま、ただ漫然と「生かされる」ことを当然の権利だと叫ぶ。痛烈な言い方を許してもらえるなら、この国は「老いて弱ること」を免罪符にした巨大な集金・配分マシーンと化してしまったのだ。



現役世代の手取りを毎月容赦なくむしり取り、若者の未来をすり潰して維持される「12兆円の延命装置」。

数字が増えれば「高齢化による需要拡大」と片付け、制度の破綻には目を瞑る。官僚も政治家も、自分たちが逃げ切るまでの時間稼ぎをしているのが見え透いている。


人間、誰しも老いる。いつか誰かの手を借りなければ生きていけない日は来る。私だって例外ではない。

だからこそ、この歪んだ制度を「仕方がない」で見過ごすわけにはいかないのだ。必要なのは、無機質な予算の積み増しでも美辞麗句の介護礼賛でもない。「どこまでを社会が支え、どこからを個人の尊厳として引き受けるのか」という、痛みを伴う冷徹な線引きと覚悟だ。


12兆円を突破してなお膨らみ続けるこの怪物を、私たちはいつまで野放しにするつもりなのか。ツケを払わされるのは、これからを生きる子どもたちだ。その顔をまっすぐ見つめられる大人が、今のこの国にどれだけ残っているというのだろう。


〈了〉


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