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朝の”一撃”千葉大病院の機能停止が暴いた「医療インフラのハリボテ」――大雨一発でメスが止まる国の脆さ

豪雨一発で手術全滅。命の砦が「器具を洗えない」で沈没する喜劇。



千葉大病院の機能停止が暴いた「医療インフラのハリボテ」――大雨一発でメスが止まる国の脆さ


最新医療も「地下の排水ポンプ」が死ねばただの箱。天災を言い訳にする前に、この国の危機管理の致命的欠陥を直視せよ




おいおい、冗談だろ? と耳を疑ったね。


千葉大学医学部附属病院。押しも押されもせぬ、地域医療の「最後の砦」たる特定機能病院だ。最新鋭の医療機器を揃え、神の手を持つ名医たちがひしめく巨艦が、たかだか一晩の豪雨で機能不全に陥った。しかも、理由が「器具の洗浄と滅菌ができないから」だという。


8月19日の手術はすべて中止。メスを握る医師の腕が落ちたわけでも、薬品が底をついたわけでもない。地下にある排水処理設備が水浸しになって、使った器具を洗えなくなったからだ。清潔な器具を使い切ったら、ハイ終わり。大病院のオペ室が、器具切れで店じまいとは笑えないブラックジョークだ。


病院の発表を時系列で追っていくと、その泥縄感がよりリアルに浮かび上がる。

8月13日の豪雨直後、14日には中央診療棟の全トイレが断水で使えなくなり、立体駐車場のエレベーターはストップ。院内のカフェやコンビニまで休業や時短に追い込まれた。15日には他院からの被災患者を受け入れて「災害支援」のポーズを取りつつも、足元では給排水設備が致命傷を負っていたのだ。そして17日、ついに「19日の手術は全中止、20日以降も制限」と白旗を揚げた。


大鳥院長は「復旧や外部委託に金がかかる、支援が必要だ」「他の病院でも起きる可能性があると知ってほしい」とコメントしたらしい。

言いたいことは分かる。異常気象は激甚化しているし、大学病院の台所事情が苦しいのも事実だろう。だが、あえて激辛に言わせてもらおう。


「他の病院でも起きる」じゃないんだよ。なぜ「地下」にそんな急所を無防備に配置していたんだ?


豪雨災害が毎年のように叫ばれるこの国で、電気系統や給排水という「病院の生命維持装置」を地下深くに沈めておく設計思想そのものが、前時代的でおめでたいと言わざるを得ない。どんなに高度な医療を提供できようが、ウンコも流せず、ハサミ一つ洗えなくなれば、そこはただのコンクリートの箱だ。患者の命を預かる巨艦が、地下の排水ポンプ一つで沈没する。この脆弱性のどこが「災害拠点」なのか。


さらに香ばしいのは、近隣の医療機関に器具の洗浄を「お使い」のように頼み込んで、なんとか急場をしのごうとしている点だ。頭を下げて回る現場のスタッフには同情するが、組織としての危機管理は完全に赤点である。


天災は防げない。だが、インフラの急所を放置して「想定外の雨でした、金を出してください」と泣きつくのは筋が違う。今回の件は千葉大病院だけの恥ではない。見栄えの良い最新設備ばかりに金をかけ、地味な基盤インフラを軽視し続けてきた、日本の医療行政全体のハリボテ体質が露呈したのだ。


メスを置かざるを得なくなった執刀医の悔しさも、手術を延期された患者の不安も、すべては「水を捌けなかった」というお粗末なインフラのツケだ。この教訓を「かわいそうな被災劇」で終わらせるな。排水溝の泥と一緒に、組織の甘えも洗い流してもらいたいものだ。


〈了〉


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