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”宣伝広告の蜜と毒”1億3800万の「すりガラスビュー」――タワマン最上階敗訴に見る虚栄の代償

虚飾の眺望に溺れた哀れな末路。曇りガラスに映る己の浅はかさを見よ。



1億3800万の「すりガラスビュー」――タワマン最上階敗訴に見る虚栄の代償


CGに踊らされ裁判所に一刀両断された、見栄っ張り富裕層の滑稽な末路




横浜の29階建てタワマン最上階、購入額1億3800万円。

手に入れたはずの「天空の城」から下界を見下ろそうとしたら、ベランダの手すりは乳白色の曇りガラス。部屋からは景色が見えず「価値が毀損された」と5900万円の賠償を求めた購入者が、東京地裁に「あんたの独自見解だ」と一刀両断されて棄却された。


ニュースを読みながら、思わず冷めた失笑が漏れた。

中小企業の現場で40年近く、契約書の文言ひとつ、図面の1ミリの狂いに目を光らせて生き抜いてきた身からすれば、これほど無様で滑稽な喜劇もない。


パンフレットに踊る美景など、所詮は都合よく作られたCGのイメージ画像に過ぎない。隅に小さく「実際とは異なる」と免責が打ってあれば、売主側の勝ち逃げなのは商売の現場では常識以前の話だ。億を超える買い物をしながら、図面の手すり仕様すら精査せず、業者の耳触りのいいポエムに酔いしれて判子を突いたのだから、経営感覚としても救いようがない間抜けさだ。


だいたい、本当に景色そのものを愛していたのなら、設計図を穴が開くほど確認したはずだ。欲しかったのは豊かな眺望ではなく、「最上階から見下ろす側の人間」という安っぽい優越感だったのではないか。その薄っぺらな見栄のツケを、裁判所に泣きついて回収しようなど虫が良すぎる。


乳白色のガラス手すりは、皮肉にも外の景色を遮る代わりに、己の浅ましさをくっきりと映し出す鏡になったわけだ。

地に足をつけず、空中楼閣の自尊心に浮かれているから足元の落とし穴に気づかない。曇りガラスに囲まれた部屋で、世間の冷笑を存分に噛み締めるといい。


〈了〉


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