眠りは、その日の食べ方の続きです
こんにちは、パーソナルトレーナーのリクです。
「追い込む」のではなく「一緒に整える」を大切に、運動が苦手な方の体づくりに寄り添っています。
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寝つけないまま、何度も時計を見てしまう。
やっと眠れたと思ったら、夜中の2時や3時にぱっと目が覚める。朝は目覚ましが鳴っているのに体が重くて、7時間は寝たはずなのに、お昼過ぎにはもう眠い。
夏の終わりのこの時期、こういうお話がぐっと増えます。
そして多くの方が、寝る前のスマホや、寝室の暑さを気にされます。もちろん、それも関係します。
ただ、お話を聞かせていただくと、眠りが浅くなっている理由が、もっと前の時間帯にあることが本当によくあるんです。夜ではなく、その日の朝や夕方に。
今日は「眠り」を、夜の過ごし方ではなく、一日の食べ方のほうから眺めてみたいと思います。
眠りは、夜になって急に始まるものではありません
まず、知っておいていただきたいことがあります。
わたしたちの体には、活動するための切り替えと、休むための切り替えがあります。自律神経(体を自動で調整してくれている神経)が、朝は「動くほう」へ、夜は「休むほう」へ、一日かけて少しずつハンドルを切ってくれています。
大事なのは、この切り替えが夜になって急に起こるものではない、ということです。
朝、光を浴びて体が目を覚ましたところから、その日の夜の準備はもう始まっていると言われています。ですから「寝る前に何をするか」だけをがんばっても、なかなか変わらないことがあるんですね。
眠りは、その日一日の続きなんです。
眠りの材料は、昼のうちにそろっています
少しだけ、体の中のお話をさせてください。むずかしければ、ここは読み飛ばしていただいて大丈夫です。

夜になると出てくる、眠りに関わるホルモンがあります。このホルモンは、夜になっていきなり作られるわけではありません。
材料になるのは、たんぱく質に含まれるある成分です
それが日中、気持ちを穏やかに保つ物質に変わり
暗くなってから、眠りに関わるホルモンへと形を変えていく
……と言われています。
ざっくり言えば、朝に食べたたんぱく質と、朝に浴びた光が、その日の夜の眠りの材料になるということです。
ここで、この夏の朝ごはんを思い出してみてください。
暑くて食欲がなくて、アイスコーヒーだけ。食べてもパンをひとつ。お昼はそうめん、夜も冷やし中華。……材料になるたんぱく質が、一日を通してかなり少なくなっていた方が多いのではないでしょうか。
「夜、眠れないんです」というお話の入口が、じつは朝ごはんにあった。これは、めずらしいことではありません。
夏のあいだ、眠りが浅くなっていた4つのこと
もう少し具体的に見てみますね。思い当たるものがあるか、眺めてみてください。

1. 朝ごはんが、飲みものだけになっていた
これがいちばん見落とされます。
朝に何かを食べると、体は「一日が始まった」という合図を受け取ります。この合図で、夜に向かう時計が動きはじめると言われています。飲みものだけで済ませた日は、材料も合図も、両方とも入っていない状態です。
2. 冷たいカフェインが、一日に何杯も入っていた
アイスコーヒー、冷たい緑茶、エナジードリンク。暑い日は水分がわりに、ごくごく飲めてしまいますよね。
カフェインは、体から抜けるのに思ったより時間がかかります。半分になるまでに4〜6時間くらいかかると言われていて、そこには個人差もあります。夕方の一杯が、まだ体の中に残ったまま夜を迎えていることがあるんです。
3. 夕食が遅くて、そのまま横になっていた
胃に食べものが残っているあいだ、体は消化のために働き続けます。
休むほうへ切り替わりたいのに、内側はまだ働いている。この状態だと、眠りが浅くなりやすいと言われています。「寝つけたのに、夜中に目が覚める」日は、ここが関係していることがあります。
4. 「眠れないから」と、お酒に頼っていた
寝つきはよくなった気がするのに、夜中や明け方に目が覚める。お酒は眠りを深くしてくれるわけではなく、後半の眠りを浅くすると言われています。
責めたいわけではありません。眠れない夜のつらさは、本当によく分かります。ただ、頼り先としては少し不利だということだけ、頭の片隅に置いておいてくださいね。
夜中に目が覚める日の、もうひとつの理由
「夜中に、はっきり目が覚めてしまう」という方に、もうひとつだけ。
夕食が麺だけ・パンだけだったり、夕方に甘いものをつまんだりした日は、血糖(血の中の糖)の上がり下がりが大きくなりやすいです。下がりすぎたときに、体はそれを戻そうとして目を覚まさせる方向に働くことがある、と言われています。
「疲れているのに、なぜか3時に目が覚める」。そんな日が続くときは、前の晩に何を食べたかを思い出してみると、ヒントが見つかることがあります。
対策はシンプルで、夕食に、たんぱく質を少しだけ添えること。冷やし中華に卵やハムをのせる、そうめんに納豆や豆腐を足す。それだけで、波はずいぶんゆるやかになります。
今夜からできる、小さな一歩
ぜんぶやらなくて大丈夫です。できそうなものを、ひとつだけ選んでみてくださいね。

1. 朝、たんぱく質をひとつだけ足す
卵ひとつ、納豆ひとパック、ヨーグルト、お味噌汁に豆腐。どれかひとつで十分です。
そして、起きたらカーテンを開けて光を入れてください。1分で終わります。「材料」と「合図」を、朝のうちに渡しておくイメージです。
2. カフェインは、15時までを目安に
やめる必要はありません。時間だけを前にずらしてみてください。
夕方からは、温かい麦茶やルイボスティー、白湯に。冷たいものから温かいものに変わるだけでも、体は休むほうへ向かいやすくなります。
3. 夕食は、寝る2〜3時間前までに
とはいえ、帰りが遅い日もありますよね。そういう日は、我慢するのではなく分けて食べるのがおすすめです。
夕方のうちにおにぎりやヨーグルトを入れておいて、帰ってからはお味噌汁とおかずだけ。胃に大きな仕事を残したまま寝る、という形を避けられます。
余裕のある日は、寝る1時間前にぬるめのお風呂に15分ほど。体の内側の温度がいったん上がって、そこから下がるときに眠気が出てきやすいと言われています。「早く寝なきゃ」と気合いを入れるより、こちらのほうがずっと効きます。
こういうときは、がまんせずに相談を
眠りの浅さの多くは、この時期の生活と食べ方で説明がつきます。ただ、そうでないこともあります。
大きないびきをかく、寝ている間に呼吸が止まっていると言われたことがある
日中に、耐えられないほどの強い眠気がある(運転中や会議中など)
2週間以上、寝つけない・早く目が覚める日が続いていて、気分の落ち込みもある
足がむずむずして眠れない
どれだけ寝ても、疲れがまったく取れない
こういうときは、生活の工夫だけでは追いつかないことがあります。睡眠外来や内科、心療内科で一度みてもらってくださいね。ここは、遠慮しなくていいところです。
さいごに
眠りって、がんばれないんですよね。
「早く寝なきゃ」と思うほど目が冴えて、時計を見てはまた焦る。眠れないことそのものが、次の日の心配ごとになってしまう。
でも、眠りがその日一日の続きだとしたら、変えられる場所は夜以外にもたくさんあります。朝の卵ひとつ、夕方の一杯を温かいものに変える、夕食を少し早めにする。どれも「がんばって寝る」ことではなくて、体が休むほうへ切り替わりやすい下地を、そっと整えてあげる作業です。
夏のあいだ、あなたの体は、暑さと明るさの中でなんとか眠ろうとしてきました。涼しくなるこれからは、その分を取り戻しやすい時期です。
まずは明日の朝、たんぱく質をひとつ。それが、明日の夜の眠りの材料になります。
自分のペースで、一緒に整えていきましょうね🙂
今日お話しした「眠りの浅さ」も、じつは人によって出方や理由がちがいます。
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