【週報#1 ①/⑥】Claudeに毎回説明するのをやめる7項目
新しいチャットのたびに、会社の説明をやり直していませんか。設定に7項目書けば、その説明は今日で終わります。
新しいチャットを開くたびに、「わたしは食品メーカーの営業企画で」と、また打ち始める。
昨日も同じことを打ち、その前の日も打っている。心当たりがあるなら、それが今日なくなる作業です。
この記事で終わらせるのは、その打ち直しです。Claudeの設定画面に7項目を書くだけで、会社の前提を毎回説明する作業がなくなります。所要時間は10分。今日のうちに終わります。
対象は、Claudeを使い始めた非エンジニアの方です。コマンド操作もAPIも出てきません。使うのは、ふだんチャットしている画面だけです。無料プランのままで使えます。有料プランへの加入は要りません。
今週の6日で手に入るもの
今週は「自分専用のClaudeを作る」というテーマで書きます。月曜から土曜までが無料の6本、日曜だけが有料版1本です。タイトルの「①/⑥」は無料6本の通し番号で、今日(月曜)はその①にあたります。
手に入るものを先に出しておきます。
月曜(今日):会社の前提を毎回説明しなくて済む、Claudeの指示7項目の記入シート
火曜:案件ごとに前提を切り替える、プロジェクト指示テンプレート5ブロック
水曜:返答が長すぎるときに使う、出力の形を決める3行と用途別4パターン
木曜:AIっぽい文章を毎回直さずに済む、文体ルール10項目の雛形
金曜:長くなった会話を畳んで次のチャットへ渡す3ステップ
土曜:Claudeが覚えた内容を確認・修正・削除する3操作と、月1回の点検の決め方
日曜だけは有料版で、月曜から土曜までを1本につないだ「自分専用のClaudeを90分で作る完成版」を出します。
今日はその1本目です。土台にあたる部分なので、ここだけは丁寧に書きます。
今日書く場所は、3つあるうちの1つ目です
先に見取り図を置きます。Claudeの公式ヘルプは、自分向けに調整する方法として3つを挙げています(2026年8月21日時点、Understanding Claude's personalization features/日本語版)。
Claudeの指示(Instructions for Claude) … アカウント全体。すべての会話に適用されます
プロジェクト指示(Project instructions) … プロジェクト(チャットをまとめておく入れ物)の中のチャットだけに適用されます
スキル(Skills) … 特定の作業のための指示を、ひとまとめにして置いておく場所です。たとえば「語尾はです・ます」のような文体の決まりを入れておけます。木曜に扱います
今日埋めるのは1つ目だけです。2つ目は明日の火曜、3つ目は木曜に扱います(木曜の「文体ルール10項目」は、このスキルに置く話です)。水曜・金曜・土曜は、この3つとは別に、日々の使い方を整える回になります。
この順番には理由があります。1つ目は「わたしは何者か」を書く場所です。案件が変わっても、大枠は変わりません。逆に2つ目は、案件ごとに丸ごと入れ替わります。変わらないものを先に置いておくと、案件ごとに書き足す量がぐっと減ります。
どこに書くか:左下の自分のイニシャル
書き込む場所は1か所です。手順は5ステップ。
画面左下にある、自分のイニシャルの丸いアイコンをクリックします
出てきたメニューから「設定」(英語表示のときは Settings)を選びます
設定の左側にある「一般」(英語表示では General)を開きます
その中の「Claudeの指示」(英語表示では Instructions for Claude)の入力欄に、これから作る7行を書きます
保存ボタンがあれば押します。そのうえで設定をいったん閉じて、もう一度開いてください。7行が残っていれば保存できています
5番目を飛ばさないでください。保存のしかたは公式ヘルプに書かれていないので、押すのか、閉じれば入るのかが画面によって違う可能性があります。閉じて開き直して残っているかを見る、これが方式によらず確実な確かめ方です。
なお、公式ヘルプはこの経路を2ステップで略して書いています。日本語版の文言は「左下隅のイニシャルをクリックします。」「「設定」を選択します。」「「Claudeの指示」の下で、以下のような指示を説明します:」です。実際の画面では「設定」と「Claudeの指示」のあいだに「一般」が挟まります。
大事なのは、ここがアカウント全体に効く設定だという点です。公式の表現では「Claudeとのすべての会話に適用」されます。一度書けば、明日の新しいチャットにも、来月のチャットにも同じ前提が乗ります。だから毎回の説明が要らなくなります。
見つからないときの4つの確認
左下ではなく右上を探していませんか。 公式ヘルプが指しているのは左下隅です。サイドバーが畳まれていると見つけにくいことがあるので、先にサイドバーを開きます
英語UIのままではありませんか。 その場合の名前は Instructions for Claude です。日本語UIなら「Claudeの指示」で、指しているものは同じです
スマホで探していませんか。 アプリは画面の作りが違うことがあります。公式ヘルプが書いているのはこの左下からの経路なので、最初の1回はパソコンのブラウザで開くのが確実です
会社から配られたアカウントではありませんか。 Team・Enterpriseプランには、管理者が組織全体に効く指示を別に置ける仕組みがあります。自分の指示と食い違ったときは、組織側が優先されます。設定そのものが消えるわけではありませんが、思ったとおりに効かないことがあります。そのときは社内の管理担当の方に確認してください。個人で作ったアカウントで先に試してみる、という手もあります
4つとも試して見つからないときは、Claude本人に「Claudeの指示はどこで設定できますか」と聞いてみてください。それでも解決しなければ、記事末尾の「参照ソース」に置いた公式ヘルプを開くのがいちばん早いです。
なお、ここで扱うのは「Claudeの指示」だけです。似た名前の設定を探し回る必要はありません。設定画面のこの1か所に、これから作る7行を貼れば終わります。
何を書くか:7項目の記入シート
ここが今日の持ち帰り物です。7項目、1項目1行(長くても2行)。記入例をそれぞれ1行つけました。自分の言葉に置き換えれば、そのまま使えます。
① 職種 自分が何をしている人か。会社の規模と業界まで入れると効きます。
例:中堅の食品メーカーで、営業企画を担当しています。
② 扱う商材 何を売っているか、あるいは何を作っているか。個別の案件ではなく、ふだん扱っている範囲を大づかみに書きます。
例:スーパー向けの冷凍食品。単価200〜600円の家庭用が中心です。
③ 読み手 出てきた文章を、最終的に誰が読むか。ここを書くと言葉づかいの水準が決まります。
例:社内の営業部長と、取引先のバイヤーです。
④ 使う用語と社内語 そのまま使ってほしい業界用語と、社内でしか通じない言い換え。多くても5つまでにします。直近1か月のメールに何度も出てきた言葉から選ぶと外しません。下の例は食品・流通のものなので、ご自分の業界の言葉に置き換えてください。
例:「帳合」(取引の経路)「棚替え」(売場の商品入れ替え)「PB」(プライベートブランド)。新商品案を社内では「タネ」と呼びます。
⑤ 避けたい言い回し 毎回赤ペンで直している言い回しを、3つまで挙げます。
例:「〜させていただきます」の多用、意味のないカタカナ、煽り表現は避けてください。
⑥ よくやる仕事3つ 案件が変わっても頼む作業を3つ。多くても3つで止めます。
例:提案資料の骨子づくり、商談メモの議事録化、販促企画の案出しです。
⑦ 返答の前提 毎回わざわざ書いている指示を、ここに移します。
例:結論から書いてください。専門用語はそのまま使って構いません。
7項目を通しての約束事がひとつあります。書くのは、案件が変わっても変わらないことだけです。特に②と⑥は、油断すると目の前の案件の話になります。「A社向けの新商品プロジェクト」ではなく「スーパー向けの冷凍食品」の粒度で止めてください。案件ごとの細かい前提は、明日のプロジェクト指示のほうが置き場所として合っています。
⑤は、3つまでを1行にまとめて書きます。文章の癖を細かく直す話は、木曜の文体ルール10項目でまとめて扱うので、今日はここで止めます。
書くときの上限(ここだけ覚えれば大丈夫)
④ 使う用語と社内語 … 多くても5つまで
⑤ 避けたい言い回し … 3つまでを1行にまとめる
⑥ よくやる仕事 … 3つまで
全体 … 1項目1〜2行、合わせて15行以内
そのままコピペできる雛形
上を1つにつなげると、こうなります。全文です。太字や見出しは入れず、この形のまま貼ります。
貼る前に、ふたつだけ。
ひとつ。入力欄にすでに何か書いてある方は、先に元の文章をコピーして手元に控えておいてください。上書きしてしまうと戻せません。
ふたつ。ふだん頼んでいる仕事を1つ、いまのうちにClaudeへ投げて、返ってきた文章を手元に残しておいてください。あとで効き目を比べる相手になります。ここを飛ばすと、設定したあとに「変わった気がする」で終わります。
職種:中堅の食品メーカーで、営業企画を担当しています。
扱う商材:スーパー向けの冷凍食品。単価200〜600円の家庭用が中心です。
読み手:社内の営業部長と、取引先のバイヤーです。
使う用語と社内語:「帳合」「棚替え」「PB」。新商品案を社内では「タネ」と呼びます。
避けたい言い回し:「〜させていただきます」の多用、意味のないカタカナ、煽り表現。
よくやる仕事3つ:提案資料の骨子づくり、商談メモの議事録化、販促企画の案出し。
返答の前提:結論から書いてください。専門用語はそのまま使って構いません。
7行です。埋めるのにかかるのは10分ほど。「職種:」などの項目名はそのまま残して、コロンより後ろだけを自分の内容に置き換えてください。
書いたら、新しいチャットを開いて確かめます。さっき控えておいた依頼と同じものを投げて、返ってきた文章を見比べてください。
控えるのを忘れた方のために、確かめ用の依頼文を置いておきます。これなら④と⑦の両方が出ます。
来週の商談で使う提案資料の骨子を作ってください。取引先向けです。
見るところは、まず⑦です。結論が先に来ているか。ここが変わっていれば効いています。④の社内語は、依頼の中身によっては出る場面がないので、出れば加点くらいに考えてください。
変わらなかったときは、上から順に3つ見ます。
設定画面に戻って、7行が残っているかを見ます。消えていれば保存されていません。もう一度貼って保存します
確かめたのが新しいチャットかを見ます。書く前から開いていた古いチャットに反映されるかどうかは、公式ヘルプに書かれていません。確実に見分けたいので、新規のチャットで試します
投げた依頼が短すぎないかを見ます。「こんにちは」では差が出ません。上の確かめ用の依頼文くらいの長さがあると、違いが見えます
会社から配られたアカウントではないかを見ます。組織の指示が別に置かれていると、そちらが優先されます。社内の管理担当の方に「組織の指示に、文体や出力の形の指定が入っていないか」を聞いてください。個人で作ったアカウントで同じ7行を試すと、切り分けができます
書きすぎても、効くとは限りません
雛形どおり7行で済ませた方は、この節は飛ばして構いません。書き足したくなった方向けです。
ここが、いちばん転びやすいところです。
7項目を埋めると、たいてい書き足したくなります。過去の実績、部署の歴史、去年の反省。ずらずらと書き並べたくなります。
けれど公式ヘルプは、むしろ逆のことを言っています。
「Claudeの指示」そのものの記事に分量の話は出てきません。ただ、Team・Enterpriseプラン向けの「組織の指示」を説明した記事には、はっきり書かれています。「指示は簡潔で明確に保ちます。」理由も添えてあって、指示は毎回の送信内容に一緒に付いていくので、短いほうが会話が効率よく進むからだそうです。この公式ヘルプでは、上限として3,000文字という数字も示されています(2026年8月21日時点)。ただしこれは書いてよい上限であって、推奨量ではありません。
個人の「Claudeの指示」の上限は公表されていません。ただ「短く、具体的に」という方向は、公式が示している側です。
だから、確実に効かせたい項目だけを短く置く側に倒します。目安は、1項目1〜2行、全体で15行以内です。上の雛形は1項目1行なので7行。書き足すとしても、ここまでで止めます。
ここは正直に書いておきます。15行という数字は公式が定めた上限ではありません。7項目を1〜2行ずつ書いたときに収まる分量として置いている、わたしの運用ルールです。効き目を計測した数字ではないので、断定はできません。
削るときは、残す順で考えます
15行を超えたら、後ろから削ります。残す順に並べると、こうなります。
① 職種 > ③ 読み手 > ⑤ 避けたい言い回し > ⑦ 返答の前提 > ④ 使う用語と社内語 > ② 扱う商材 > ⑥ よくやる仕事3つ
① 職種 … 残りの6項目すべての土台になります。最後まで残します
③ 読み手 … 言葉づかいの水準が、ここ1行で決まります
⑤ 避けたい言い回し … 効果が目に見えて分かる項目です
⑦ 返答の前提 … 毎回打っている指示を移した場所なので、消すと元に戻ります
④ 使う用語と社内語 … 用語は会話中に補足できます
② 扱う商材 … 細かい価格帯や販路から削ります
⑥ よくやる仕事3つ … 3つを2つに減らします
いちばん下の2つ、「扱う商材」と「よくやる仕事3つ」を最初に削るのは、この2つが案件によって振れやすいからです。大づかみに書けていれば残して構いません。細かく書き込んでしまった人は、ここから削ります。削った細かい前提は、明日のプロジェクト指示に移す先があります。捨てるのではなく、置き場所を変えるだけです。
削る作業はさらっと終わります。迷ったら「これは来月も同じか」と自分に聞いて、違うなら消します。
今日やることは、これだけです
貼る前に、ふだん頼んでいる仕事を1つClaudeへ投げて、返ってきた文章を手元に残しておく(2分)
左下のイニシャル → 設定 → 「一般」→ 「Claudeの指示」(Instructions for Claude)を開く(1分)
上の雛形7行を貼って、自分の言葉に書き換える。②と⑥は、目の前の案件ではなく大づかみの粒度で止める(5分)
保存して設定を閉じ、もう一度開いて7行が残っているか確かめる(1分)
新しいチャットで1の依頼をもう一度投げて、結論が先に来ているか見比べる(1分)
合わせて10分です。明日からの5日は、この7行の上に積んでいきます。土台がないまま火曜以降を読むと、明日つくるプロジェクト指示に「食品メーカーの営業企画です」を毎回書き足すことになります。案件の数だけ同じことを書く羽目になるので、今日ここだけは埋めておいてください。
週の終わりには、月曜から土曜までを1本につないだ完成版を日曜に出します。こちらは有料500円です。6日ぶんを順に追うのが面倒であれば、日曜の1本だけ受け取るという読み方もできます。
続きを取りこぼしたくない方は、フォローしておくと通知で届きます。
参照ソース
Anthropic 公式ヘルプ「Understanding Claude's personalization features」https://support.claude.com/en/articles/10185728-understanding-claude-s-personalization-features(日本語版:https://support.claude.com/ja/articles/10185728)
Anthropic 公式ヘルプ「Set organization instructions」https://support.claude.com/en/articles/14546867-set-organization-instructions(組織の指示の優先関係と、3,000文字の上限・簡潔さの推奨)
Claude 料金ページ https://claude.com/pricing(User preferences が無料プランでも使えること)
上記の内容は2026年8月21日に確認しました。UIの名称と設定の場所は変わることがあります。
この連載について
タイトルの「週報#1」は、1週間で1テーマを扱う連載の第1週という意味です。「①/⑥」は、月曜から土曜まで無料6本の通し番号。日曜だけが有料の完成版になります。
明日は、案件ごとに前提を切り替えるプロジェクト指示テンプレート。
公開した記事は、この連載をまとめたマガジンClaude週報に順に入れていきます。明日の分もここに並ぶので、続けて読む方はこちらをどうぞ。
7行を書き終えて「で、どのモデルで使えばいいのか」が気になった方へ。コードを書かない人向けに、業務の場面ごとの選び方を早見表にしてあります。
