『白血病、ツラクナイ』 〜闘病寝台列車編〜
◻︎家族花
「タキモトくん。君はここに居るべきじゃない。」
伝説の始まりのようだった。ふいに投げ込まれたルームメイトの言葉は、圧倒的な「生」へのエネルギーが凝縮していた。凍りついていた僕の心が、あの日少しずつ動き出した。
台風のNEWSが、やたら気持ちを騒がせ始めた秋の入り口。健康だけが取り柄だった僕の体が異変を訴えている。その違和感は2025年の9月末から始まった。人生初の粉瘤が右太腿の内側にできたのだ。
「ニキビかな。汗疹かな。」
痒みが抑えれず、悪戯に膨らんだ部位を潰してかいていた。10月中旬になると右足の付け根に2個目の粉瘤ができた。1個目の粉瘤が500円を2枚横に並べたくらいに成長し、歩くと服に擦れ、痛みを我慢できなくなっていた。妻のすすめで地元の小さな皮膚科に行くと、
「なんでもっと早く来なかったの?」
と先生に本気で怒られ、当日手術。これが痛いのなんの。奥歯が折れそうなくらい食いしばってもとんでもない脂汗が出た。
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