「白血病、ツラクナイ」〜出張カウンセリング編〜
◻︎二つの虹
「タキモトさん。思い切って有給申請出して良かったです。ヨーロッパに行きます。あの時、背中を押して下さってありがとうございます。」
迷いのない清らかな顔でペコリと頭を下げる看護師さん。
「それは良かったです。」
と笑顔で返す僕。あの頃の僕は、まさか病室で感謝される自分が居るとは思ってもいなかった。
2026年1月29日。強風が吹き荒れ、曇天のあの日。紹介状を渡した医師に、9時5分には白血病を宣告された。急性骨髄性白血病。そう宣告された時、医師の口は動いているのに、耳の奥はキーンと高い音が鳴り響き、その後の言葉は何も入ってこなかった。しかし、このまま絶望の淵に叩き落とされるかと思いきや、子供の頃家族で見た医療ドラマの”助からない白血病という呪い”は、あっさり吹き飛んだのだった。
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