『THE BEAT OF THE LIVE DRUM』 by Rick Springfield
「アイドル」
それは手の届かない憧れの存在。
歌手であったり、俳優であったり、野球選手、サッカー選手、格闘家、評論家、作家、漫画家、etc.etc・・・。
人種、性別、職種などに関係なく、『人それぞれに大切なアイドル』が存在するものだ。
私にとっての『アイドル』は誰だったろうか?
2021年の初春に改めて考えてみよう。
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時は80年代。
当時も今と変わらず、10代の男子なら若い女性歌手などに夢中になったりするもので、実際に同級生などは皆、可愛いアイドルに夢中だった。
それで一応、私も好きになろうと努力はしてみた・・・
のだが、「歌声が良かったり、曲が物凄く気に入ったり」はしたものの、
結局、彼らの様に可愛いアイドルには夢中にはなれなかった。
少ない経験値の中から、よーーーくと考えに考えて出た答え。
どうやら『自分と重ねられる』(容姿や言語に関係なしにね。(笑))存在が、マイ・アイドルに向いていた様だ。

『リック・スプリングフィールド』
私は、オーストラリア出身のミュージシャンである彼に、一発で痺れたのだ。
①長い手足を効果的に使うパフォーマンス・スタイル。
②キャッチーでありながら、あくまでもギターロックである事を主張する楽曲。
③タフでありながら、セクシーさをも兼ね備えたボーカリストとしての資質。
などなど。
いやはや兎に角否応なしにカッコイイのだ。
同性の男子から見てカッコ良いのだから、女子からみたら更にカッコ良いのだろう。
勿論、俳優としての活躍も知ってはいたが、当時(80年代)はAmazonプライム・ビデオも無ければ、NetflixもHuluも無い。
リックが出演していた『General hospital』など観れる訳も無く。
その上、リック主演の映画『Heard to hold』は、配給映画館が地元には無く、結局スクリーンでの鑑賞は叶わなかった・・・
しかし。
この直ぐ後になると、ビデオソフトがエンターテイメント界の新たな主流となり、自宅に居ながらライブや舞台、映画を楽しめる様になる。
まだソフトの値段は一万円を越えるのがザラだったあの頃・・・
我がアイドル『リック・スプリングフィールド』の、ライブビデオソフトが発売される事が分かると、私はアルバイトに精を出し、見事ソフトを手に入れた。

『THE BEAT OF THE LIVE DRUM』
兎に角カッコイイ。
独特なセンスで『新感覚のミュージック・ビデオクリップ』をモノにしてきた、新進気鋭の監督を迎えたリック初のライブビデオは、ステージの生々しさより、エンターテイメント性を押し出した、云わば『アーティスト・リック・スプリングフィールド』の魅力を満遍なく捉えた、『映像作品』というべき傑作だ。
スタジアムライブに特撮映像を重ねる事で、当時のビデオクリップ『Bop Til you drop』に見られたSF的映像をそのままコンバートした演出は、少しザラついたフィルム画像処理と相まって、他のライブビデオでは決して味わう事の出来ない、新しい感覚を生み出している。
リックのステージングはワイルドかつアグレッシヴ。
俳優としてのスキルをも全開にした、セクシーな所作に魅せられる事必至。
ギターを弾いているうちにエキサイトしてくると、ピックを放り投げ、もはや「弾くのではなく、ギターを叩き歌う」ワイルドなリックの姿に、10代の私は心を奪われた。
買ったその日から、この作品を何度観た事だろうか・・・
リックこそ私のアイドル。
今も変わらぬ容姿と歌声。
そして「ロックし続けるその心」。
Rick Springfieldは、今までもこれからも「私のアイドル」だ。
追記)
新進気鋭の監督とは、後に映画「セブン」「ファイトクラブ」で世界的な映画監督となる「デヴィッド・フィンチャー」その人である。
今回ご紹介した『THE BEAT OF THE LIVE DRUM』にも、その片鱗と云うべき世界観が垣間見れるのだ。
