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【エッセイ】🪴 畑と父と、週末と。 vol.30 幸せになるためには

↑前回のエッセイ

今日は全国的に雨模様。
畑も雨の合間に行こうかということで、土曜日の午前中が最大のチャンスだったので、父と時間を示し合わせて行きました。

前日は例の如く職場の若手と飲み会で、気だるい朝を迎えました。朝のうちに行かなければ、かなりの雨が予想されます。

実は、畑の後、珍しく父が一緒にランチに行くと約束したので、私もランチを楽しみにしながら畑に向かいました。

でも、夏野菜の成長は待ってはくれず、「収穫祭」くらいの収穫がありました。

特に嬉しかったのは、とうもろこし。
それに妻の大好物、みょうが。
きゅうりになす、ミニトマトに中玉トマト、ピーマンに万願寺とうがらしまで取れました。

もう、大収穫でした😆 うれしー!

そうなると、父もニコニコで畑の仲間のHさんとの会話も弾みます。

また今度、収穫祭をするとか、と言っても近所のスナック貸切での飲み会です。

父は普段付き合いする人もあまりいないので、そういう社交的な場は無理矢理でも連れて行きたいです。

今回は私が畑のIさんやHさんにお願いして開いてもらったようなものなのです。
収穫祭はスナックなので、カラオケもあるし、色々とハプニングがたくさんあるはずです。
それが今から楽しみで仕方ありません。

七十歳から八十歳のおじいちゃんと付き合うのは楽しくて仕方ないんです。
人生の甘いも辛いも噛み締めてきた人生訓を聞くのも、古い演歌を聞くのも私は大好きです。

父の十八番は「与作」です。
あの「与作は木を切るー、へいへいほー」の与作です。

うまいんですよ、父は。
前の収穫祭のときは、カラオケが自分の番のときにタバコを買いに行って、結局私が歌うことに……

次こそはみんなの前で歌わせます。

◇◇◇◇◇

畑の作業が終わり、いつものようにそば処
「こばやし」というところに行きます。
昼時は空席がなくなるほどの人気店です。
雨とかは関係ありません。

奥の広い席に座らせてもらいました。
私はいつものカツ丼定食。
妻は親子丼定食。
父は天ぷらそば定食です。
私と妻はがっつり丼ものに冷たい蕎麦がつきます。
父は天ぷらそばにおにぎりが二個付きます。

——食べれるのか。

と、思うでしょう?

食べれるんです。
余裕で……

食べ終わると、父は雄弁でした。
急に話し出します。
主に母の悪口が多いのですが、今日は違いました。

——父の弟の話でした。

父の弟はもう六十五歳になるそうです。
父とは割と確執があります。
理由は色々あります。

一番は「お金にルーズなこと」です。

でも、そんなことは父は関係ない人です。
父の価値観は嘘をつかないこと。
真っ直ぐに生きること。
人を騙さないこと。
人に迷惑をかけないこと。
人を許せること。

それのどれかさえ正しく守っていたら、父は怒りません。

「人間誰しもどこかいいところがある」
が父の口癖なので……

でも、身内に対してだからなのか、父は叔父さんには厳しいのです。
「あいつはあかん。軸がない。ブレてる」
そういうと、私を引き合いに出して、
「誠は、ちゃんと芯がある。だからしっかり意見を言える」
「あるかもしれんけど、会社で、社長と対立することもあるで」
「それは社長さんも芯があるからや」
私はなるほどと思いながら聞いていました。

私がまだ小さかったときのことです。
休日にいつも窓際のクッションベッドのようなところに寝転がり、大きなステレオにつないだヘッドホンをして音楽を聴いている人がいました。

それが叔父さんでした。

私はその窓際の大きなスピーカーから音楽が流れるのを一度も聞いたことがありませんでした。

聞く曲はオフコース、さだまさしばかりでした。

「遊んでー」
と言うと、自分の時間を邪魔された気がしたのか、一拍間を置いて、
「よいしょ」
と立ち上がり、ときにはキャッチボールなんかをしてくれました。

給料日前に、
「ゲームソフト買って」
とねだった日も、叔父さんはやっぱり一拍間を置いて、
「給料日まだやねんけどなー」
と、ぶつぶつ言いながらも買ってくれました。

薄給の中からだったからなのかもしれません。
でも、そんな叔父さんも結婚して、やがて家を出て行きました。

——その叔父さんの幸せ。

「あいつは、幸せにはなられへん」
「なんで?」
「いつも、自分の不幸を誰かのせいにする。
そんなことでは幸せにはなれん」

でも父はどこか悲しそうに見えました。
私は思います。

おじさんは父に憧れていたんじゃないか?
と、それを父に言うと、

「そんなことあれへん。あいつは、何も考えてないだけ」

考えてみれば父が感情露わにするのは叔父さんに対してだけ……

父には姉がいます。
叔父さんは、できる姉と器用な父を見て、劣等感を抱いていたのかもしれません。

父は器用貧乏です。
履歴書は上から下まで埋まるほどです。

叔父さんはもしかしたら、父の器用なところばかり見ていたのかもしれません。
父の人間らしいところや、ダメなところは蓋をして。

「叔父さんと、会って話してみたい」

本当にそう思いました。

——じゃあ、父の幸せって?

これから、父と畑で土をいじりながら、ゆっくり考えることにします。

帰りの車で走ってるとき、突然大粒の雨が降ってきました。
「この雨に降られなくて良かったなー」
「本当にね。良かったね」
私と妻は、二人で胸を撫で下ろしました。

今回の畑エッセイは何だか哲学的な回になってしまいました。

それでは、次は夏野菜の「がっつり畑エッセイ」でまたお会いしましょう。


【今日の収穫】7月4日

これ、何か分かりますか?
これが正解です。そう、みょうがなんです。妻の大好物。
とうもろこしです。たくさん取れました。ちょっと小ぶりです😆

【畑の様子6月28日】

トマトたちです🍅
枝豆です🫛
ナスもできてます🍆
iPhoneでも十分📱
お化けきゅうり👻
イベント畑のさつまいも🍠

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