【感想】実写映画『ルックバック』
藤本タツキ先生の原作『ルックバック』の実写映画を観てきました。
是枝裕和先生の監督で、「どんなふうになるのかな?」とアニメ映画版を観ていた私は期待を膨らませていました。
結果として、観てきて本当に良かったです。
是枝裕和監督の大人の目線というか、温かさを映画全体に感じました。
雨の中の藤野や、京本との制作現場での音でしたり、アニメ映画版とはまた違い、優しい気持ちになれました。
私が年齢を重ねているのもあるかもしれませんが、描く二人を見守っているような、そんな年上の人の目線に立った気がします。
アニメ映画版は短い時間の中にギュッと、緩急のついた若さのような勢いや気持ちの強さを感じて観ていました。
それとは違い、実写映画版は尺も長く、じっくりとひとつひとつの心の動きや制作風景、日々の流れを観られて、温かい感動がありました。
藤野の強気かつ繊細な絵に対する想いや、京本のひたむきでまた藤野とは違った絵に対する強い想い。
私は何もして来なかったけれど、一度漫画家になりたいと思ったことがありました。
母親の強い期待からでした。
藤野や京本の本気の漫画家になりたい気持ちを受け止め、情熱には出会いや才能、努力、そして何より、強い気持ちが必要だったのかもしれないなあなんて、出来損ないの現デザイナーとして思うのでした。
一方で、京本を殺したツルハシの男。統合失調症の私からすると、その気持ちもわかってしまうところがどこか悲しく、切ないものがあるなあと感じるのでした。
デザイナーになって、まだぶり返すこの情けなさや才能のなさへの葛藤は、私が怠惰を歩んだ証拠なのだと受け止めざるを得ない気持ちでいます。
最後は涙してしまいました。
ラストが本当に美しい。
『ルックバック』。素敵な映画でした。
藤本タツキ先生や是枝裕和監督、関わった全ての方々に感謝です。
それではまた。

