【小説】『月の図書館と、忘れたい記憶の重さ』あとがき
あとがき:その「重さ」こそが、優しさの証明
全5話にわたり、『月の図書館』にご来館いただき、心から感謝申し上げます。
この図書館では、人生で最も重い記憶を預ける代わりに、誰かの記憶が詰まった本を読むという不思議なルールがありました。読者の皆様は、失敗を恐れたビジネスマンや、虚像に疲れたインフルエンサーの記憶に触れ、そしてまた、彼らが触れた他人の優しさを追体験されたことと思います。
この物語が伝えたかったのは、「忘れること」はゴールではないということです。
私たちは、辛い記憶や後悔を「重い」と感じ、手放したくなることがあります。しかし、第5話の主人公が気づいたように、**その痛みこそが、次に誰かに優しくするための「教訓の重さ」**に変わるのです。
他人の物語を読むことで、私たちは自分の重さを再定義できます。あなたがこのマガジンを購入し、最後まで物語を読んでくださったということは、あなた自身が、自分の人生の重さと、そして他人の人生の重さと、真摯に向き合える強さを持っている証拠です。
あなたが今、抱えている重さは、決して逃げるべきものではありません。それは、あなたが優しさや責任感を携えている、誇るべき証明です。
この『月の図書館』での時間が、あなたの心を縛る記憶から解放し、明日からの人生を支える「希望の重さ」を見つける一助となれば幸いです。
これからも、夜のどこかで人知れず存在する不思議な場所の物語を描き続けていきます。
皆様の応援が、次の開館の力となります。本当にありがとうございました。
夜の語り手
