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「爆弾魔(ボマー)」に気をつけろよ

もしかしたらHUNTER×HUNTERをお好きの方は、このタイトルをご覧になってついクリックしてしまったのではないでしょうか?


今回この記事で書きたいと思うのは「お笑いにおける『爆発』」ということです。


タイトルは少し物騒ですが、記事の内容は全年齢対象ですので安心してください(笑)。

1.「会場が爆発した」

僕はSNSでお笑いライブに行った人たちによるレポートを読むのが好きなのですが、ネタを評価する際に


「会場が爆発した」


というような文言を見かけることがあります。

つまり会場が爆発したと錯覚させるほどそのネタがウケた、拍手笑いが何回も起きた、という意味であり、一種の比喩表現となっています。

これ以外にも、ネタの受け具合を示す表現として


「ウケすぎて会場に虹がかかった」

「ウケすぎて、会場の天井が落ちてきた」

「舞台上に龍が表れたようにウケた(龍ウケ)」

「舞台上を虎が駆け回ったようにウケた」


といったようなものが過去に見受けられたことがあります。


改めてみると、非常にバリエーション豊かですね・・・


実は僕も大学生として学業に専念する傍ら、休日などにエントリーライブや大会に参加することがあります。


いわゆる「学生お笑い」というやつですね。


そんな学生芸人の端くれとして日々活動していますが、やはり


「演者なら会場を『爆発』させるくらい面白いネタをやってナンボでしょ!」


といったような憧れや決意のようなものが、ある種の共通認識として広く演者の中に根付いているきらいがあります。


僕も一人の演者として日々舞台上で「爆弾魔」になれるように奮闘してはいますが、これがまあ難しい・・・


自分では最大火力だと思って発した言葉がことごとく不発に終わってしまい、「爆発」なんて夢のまた夢だと肩を落とすことがしばしばです。


そんな思いを何度も経験して最早自分のお笑い活動に対して完全に自信をなくしかけた時に、僕はある本の内容を思い出したのです。

2.目からウロコを何枚落とすか?


その本というのが、フリーランスライターである古賀史健さんの著書である『20歳の自分に受けさせたい文章講義』というものです。


古賀史健さんといえば、自己啓発本の金字塔である『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の著者としても知られています。

この『20歳の自分に受けさせたい文章講義』では、著者がライターとしての長年の経験から得た「書く技術」が余すことなく紹介されていますが、この本の中に、「目からウロコを何枚落とすか?」というタイトルの章があります。

以下はその章に書かれている文章となります。

結論から先に言っておこう。
ぼくは、「目からウロコが落ちる」要素は、全体の3割で十分だと思っている。
逆に言うと、残り7割は「すでにわかっていること」でいいし、そうあるべきだと思っている。

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』星海社新書 2018 P215

続けて著者は、読者が文章に求める3要素として以下のことを挙げています。

①目からウロコ・・・大胆不敵な主張で読者の感情を揺さぶる。
②背中を後押し・・・主張を補強する理由を述べ、読者を励ます
③情報収集・・・読者がメモを取れるような客観的な事実やデータを書く

驚きや感動だけが読書の醍醐味だと思ったら大きな間違いだ。斬新でさえあれば面白い文章になると思ったら、とんだ思い違いだ。

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』星海社新書 2018 P219

ここでは「目からウロコ」=「爆発(爆笑)」ということでしょう。

もちろん「文章」と「お笑いのネタ」はかなりベクトルの違う代物なので100%参考にすることは難しいかもしれません。

しかし上記の文章は、ネタ作りにも通じるものがあるのではないかと思ったのです。

そう、お笑いのネタも「目からウロコ」、すなわち「爆発」だけで成り立っているわけではないということです。

僕は一学生芸人として漫才やコントの台本も何本か書いたことがあるのですが、やはりどの系統のネタを作るときであっても、一種の「波」のようなものを意識しているんですよね。

例えば

・「序盤は軽いボケをジャブのように挟んで客席を温めよう」

・「威力の高いボケを少しづつ織り交ぜて、中盤から終盤にかけて伏線を回収して爆笑を取れるようにしよう」

・「あえて最初の方に爆笑を取れるような展開を入れてもいいかもしれない」

といったような感じです。
(もちろんこちらの算段が100%的中する、といったことはほとんどないのですが・・・)

もしかしたら、ネタの中に入れられるベストな量の「起爆剤(爆笑を取れるポイント)」というのはあらかじめ決まっており、爆発を起こしたいからと言って起爆剤を入れすぎるとかえってネタ全体のクオリティが損なわれてしまうのかもしれません。

ネタを爆発させるためには「とにかく間髪入れずに笑いの要素を盛り込む」というよりかは

「全体の流れから判断してここぞというタイミングでネタの中に起爆剤を入れる」

ということの方が重要だったりするのかもしれません。

とにかく「爆発」させる事のみにこだわっていた僕にとってまさに「目からウロコ」の情報でした。

3.爆発のタイミングは1つではない


もう一つ僕が自分の過去の経験から分かった事があります。それはタイトルにもあるように、

「そのネタがいつ爆発するかは分からない、場合によってはネタが終わって時間が経った頃に爆発することがある」

ということです。

僕が大学二年生だったころ、所属していたサークルが新入生のための単独ライブを行ったことがあり、僕もそのライブにてネタを披露する機会がありました。

ある程度ウケはしたものの、僕が望むような「爆発」は最後まで起きませんでした。

しばらく時がたって新入生たちがサークルに入ってきてくれたのですが、あるサークルミーティングの際に、ライブを見に来てくれた一人の新入生が僕にこんなことを言ってくれました。


「先輩の単独ライブでのネタ、面白かったです!」

と。

本人にとっては軽いリップサービスのつもりだったのでしょうが、僕はそのあと人知れず破顔一笑してしまいました。

一口に「爆発」といっても、そのタイミングは様々なのかもしれません。

僕が過去に見たことのある「爆発」は、全てネタの中だけで完結していました。

ネタの中に「爆発のポイント」があり、それに呼応してお客さんが爆笑する、といったような感じです。

僕はそんなネタだけをいわゆる「爆発ネタ」と認定していました。

しかし先の僕の例では、僕のネタを見た新入生の中で僕のネタが少し遅れて爆発し、僕のネタを思い起こさせる要因となったのでしょう。

あの時の僕のネタは一種の「時限爆弾」として機能したのかもしれません。それもかなり遅効性の。

今まで僕は

「ネタの中でお客さんを爆笑させてなければ意味がない。」

とかたくなに考えていましたが、この経験から

「たとえ遅効性だったり小規模の爆発でもお客さんの心に残ってくれるならそれもよいかもしれない」

と思えるようになりました。


いかがでしたでしょうか?

今回はお笑いにおける「爆発」について自分なりに考えをまとめてみました。

この記事が、「ネタで笑いを取れない自分に対する長文の言い訳」とならないように、これからもお笑い活動を精進していきたいと思います!


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