毎週ショートショートnote【じゃない不倫】
「同じように不倫もいまや、じゃない方に分類されましたね。この物価高のご時世ですから、見栄をはったレストランやら秘密のホテル代やら、財布のひもが固くなって、不倫は成立しにくくなったんです」
里恵は、駅前広場に出来た特設ステージで饒舌にしゃべる人気コメンテーターの片桐理に足を止めた。ネット界隈で彼はギリリと呼ばれている。
「今は、じゃなくない方が活発に動いてます。それが推し活です。妻たちは、あなたの健康を気遣ってるのと言いながら、旦那のビール代を取り上げ、自分の好きなアイドルやカッコいい歌手のコンサートに推しかけたり、たくさんグッズを買い揃えたり。でも僕はそれでいいと思ってます。その推し活が日本経済を推し上げているんですから」
(あ~ギリリのターゲットは主婦層か。自分にも推し活させようとしてるんだわ)
里恵に推し活する余裕はない。さっさと帰ろうとしたところに、ひとりの女性が紙袋を持って、会場のステージに駆け上がった。
「皆さん、騙されないで! 私はこいつの妻です。こいつは、じゃない不倫の張本人です。これが証拠!」
ギリリの妻は、不倫現場をとらえた写真をばらまいた。
「さあ、離婚届を持って来たから、名前とハンコ押してちょうだい!」
妻による、推し活ならぬ、押し喝だった。
(終わり)
(蛇足)
ギリリ氏:「じゃない不倫」で「公開離婚」へ
翌日のネットニュースには、会場でうなだれてハンコを押すギリリの姿が写っていた。その写真の一番手前に、里恵は自分の姿を見つけた。
「ええ?この太った女が私なの?」
その客観的事実に里恵は改めて思った。
「こんな姿じゃ、じゃない不倫どころじゃないわ・・」
「ジェミちゃん(Gemini)、ギジリリになってるよ~ 正しい画像をお願いしますね」
申し訳ありません。ご指摘の通り、横断幕の表記に誤りがありました。「ギリリ」とすべきところ、「ギジリリ」と、余分な文字が生成されてしまいました。AI画像生成では、テキストの正確なスペルを維持することが困難な場合があります。ご指摘いただきありがとうございます。
再度、描き直した画像は訂正もされず同じだった。
「まあ、いっか。疑似リリ ( or 偽自理り) という皮肉がこもっているんだろう」ということで。
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