Mont Fuji - la musique inspirée de l'estampe de Hokusai - /Toshio Mashima(真島 俊夫)
日本語題:富士山- 北斎の版画に触発されて -/真島 俊夫
※注釈:この記事は楽曲分析ではなく、いち素人の感想・思い出などを語るものなのであしからず。
北総シンフォニックウインド第14回定期演奏会、第2部最初の曲は真島俊夫作曲、Mont Fuji(モン フジ)です。
曲について
本作品は相模原市民吹奏楽団の委嘱で作曲され、2014年12月、福本信太郎氏指揮によって初演されました。
真島俊夫の作曲手法のひとつである「日本の旋法と西欧のハーモニーの融合」を追求したシリーズの第三作です。「三つのジャポニスム」、「鳳凰が舞う」に続いて題材としたのは富士山。日本人にとって特別な思いのある富士山、雄大なその姿を見事に表現した作品となりました。
(中略)
副題の「北斎の版画に触発されて」は、真島俊夫が敬愛する作曲家の一人であるドビュッシーが、葛飾北斎の「冨嶽三十六景」にインスピレーションを得て「海」を作曲したという逸話に基づいています。
北総では過去に、三つのジャポニスムを演奏しました。そして真島作品は昨年波の見える風景も演奏したこともあり、再び氏の作品を演奏できることに縁を感じます。
曲名について
この曲は富士山のフランス語であるMont Fujiという名前が本題です。
この曲、「富士山」ではなく「Mont Fuji」です。「モンフジ」と読みます。
— 相模原市民吹奏楽団 (@SgmShisui) December 12, 2019
「Mont Fuji」は英題ではなく本題です。
フランスから見た富士山をテーマに描かれているので、曲名がフランス語なのです。
2014年の委嘱作品です🗻#誤読で有名#モンフジと呼んでください🥺 pic.twitter.com/LnGJjDXTX6
相模原市民吹奏楽団さんのXのポストに記載の通りですが、お間違いのないよう・・・。モンフジと読みましょう~。
富嶽三十六景とは
葛飾北斎の富士山を題材とした全46図の版画集のこと。
ワタクシ、実はこの版画のことはもちろん知っていたのですが(トップに載せた神奈川沖浪裏や、威風快晴の赤富士など)、富嶽=富士山のことだと思っていなかった!!!はい、あほでしたー。
なので、今回の曲を演奏するにあたり、富嶽三十六景って他に何があるんだろうと調べるとどの絵にも富士山の姿が(当たり前)。
「全部富士山がいる?!」って夫に言ったときの彼の表情が・・・今でも忘れられません(憤死)。
という私の話は一旦おいといて・・・。
Wikipediaにもすべて版画が紹介してありましたが、なんと千葉県にある知っている場所から見た富士山もちゃんとありました!(でも一説によると神奈川沖浪裏も千葉側から見た景色なのではという話あり)
それがこれ。

その名も「登戸浦(のぼとうら・のぶとうら)」あの千葉市の登戸かー!とうれしくなりました。知ってる場所だーと。(ただ海中の鳥居があることから稲毛浅間神社だとの説もある)
どちらにせよ知っている場所。昔はその先は海だったわけですからねぇ(今の美浜区は埋立地だから)。
今でも千葉の高いところからだと、天気の良い日や空気が澄んでいる日は、富士山が見えます。
私が通っていた高校も海沿いの学校だったので、音楽室は海に近い場所にあったから、富士山はたまに見えたりしていました。
曲の感想
序盤は厳かな音楽が流れます。拍子木が鳴り、まさに歌舞伎の舞台が始まったかのような。
盛り上がるシーンは、定式幕(オレンジ・緑・黒)が引かれて舞台に北斎の絵がバーンとでっかく出てくるような感じ。
ホルンのTuttiのメロディは気合いが入りますねぇ~。富嶽三十六景の世界に一気に入りこめます。
3拍子の木管中心のメロディから、まさにドビュッシーのような音楽が展開されていきます!ここ大好き!
昔ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女吹いたときにも思ったハーモニー。なんとも言えませんねぇ。
そしてまたホルンのメロディ。本当にこの曲シンプルでわかりやすい構成だなと思います。
いいなぁ、中高生のときに吹いてみたかった曲。絶対楽しかっただろうな。
途中の半音で下っていくところなんかは、ラヴェルのスペイン狂詩曲みたいって思いました。そしてマッシー大好きなホルンのグリッサンドで、版画の波のざっぱーん感を演出(細かい波の表現は主に木管が担当してて本当すごいなと思って聴いてます)。
そしてホルンのソロ。ここは版画を表現しているのとは少し違い、郷愁を誘うような旋律が流れます。版画が作られた江戸時代にタイムスリップしたような・・・。
ここは思う存分歌っていいと言われたところ。私はうっとり1番ホルンの音色を聴いております♪ここも大好き。
そして後半に向けて一気に駆け抜けます。
213小節目のAndante maestosoのひらけた感じ。これは凱風快晴(赤富士)の絵かなぁ。ものすごく存在感がある富士山の絵を感じる。

ここの感じは、同じように絵からインスピレーションを受けて作られた、展覧会の絵のキーウの大門への流れと似てるなと思いました。
富嶽三十六景は前述のとおり全46図もあるので、どの絵からインスピレーションを受けたかは想像するしかありませんが、真島さんがどう思って音楽を作ったのか、考えるだけでも楽しい曲です。
最後に
練習日記にも書きましたが、波の見える風景よりは分かりやすく表現しやすい曲でありますが、もちろん比較したらというだけで、本当に簡単なわけではないです。
そして余談ですが、真島さんは山形県鶴岡市の出身。
近くには出羽三山があり、生まれ育った中で見える山はとても身近な存在だったに違いありません。
もちろん今作品は、富士山そのものをあらわしているものではなく、富嶽三十六景に触発されたものでありますが、作曲者自身がもつ山への敬意・畏怖と合わせて、厳かであり雄大な作品に仕上がった面もあるかもしれません。
ここはこじつけかもですが。
真島さんの描いたMont Fujiを、絵を描くように演奏できればなと思います!
では、またです。
