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 COP31への道 -- 気候・エネルギー、長年の国際的な研究と合意形成と実効性の危機

WebマガジンGreenPost

――気候変動枠組条約の締約国会議、通称「COP」は、毎年開かれる世界最大規模の気候変動交渉


 2026年11月にトルコで開催されるCOP31では、「電化」を世界の脱炭素化戦略の中心に据えることが主要テーマになる見通しだ。GreenPost 編集部としては、この電化という動き、言葉に注目しています。

 まずは、GreenPost のブログで、#COP31への道 というシリーズを開始しました。まずは、そちらをご覧ください。

⚫️COP31 への道 第一回 COPとは何か— パリ協定から10年、世界の気候・エネルギー政策はどこへ向かうのか——- #しなやかな技術研究会 、2026/07/17

⚫️COP31 への道 第ニ回 (15年間のCOPを10分で-COP16・カンクンからCOP30・ベレンまで)——- #しなやかな技術研究会 、2026/07/17

  気候変動枠組条約の締約国会議、通称「COP」は、毎年開かれる世界最大規模の気候変動交渉です。各国政府が温室効果ガスの削減、気候変動への適応、途上国支援、資金、技術移転などについて話し合います。

 2010年のCOP16から2025年のCOP30までを振り返ると、この15年間は「一部の先進国だけが削減する仕組み」から、「すべての国が目標を持ち、実施状況を確認しながら強化する仕組み」へ移行した時代だったといえます。
 そして、今年の11月のCOP31では、エネルギーメディアである電力に対して、より大きな議論と、具体的な取り組みが強調されています。
 これまでの包括的な排出削減目標から一歩進み、発電、暖房、陸上交通、産業など、化石燃料を直接利用してきた分野をクリーンな電力へ転換する具体策が重視されています。背景には、太陽光・風力・蓄電池のコスト低下に加え、化石燃料価格の変動や地政学リスクを避けるエネルギー安全保障上の狙いもあります。COP28で合意された「2030年までに再エネ設備容量3倍、エネルギー効率改善率2倍」と電化を組み合わせ、化石燃料からの移行を加速させる構想の確認。一方、途上国では送電網整備や資金不足が大きな課題で、先進国による資金支援や技術移転が目標実現の鍵となっていること。米国トランプ政権の、これまでの議論からの離脱や消極姿勢もマイナスの影響があり心配です。
 COP31の成果はEV、ヒートポンプ、蓄電池、送電網などへの投資を促す可能性があるが、最終的には各国が電化目標をNDC(国別削減目標)や国内政策にどう具体化するかが問われます。
 COP31議長国側が世界的な電化目標を提案・推進している内容に注目していきます。

参考
・COP31で世界的な電化目標が設定され、各国首脳は化石燃料の段階的廃止を推進 / Climate Solitions, 2026 年 6 月 30 日
https://climatesolutions.news/ja/news/cop31-sets-global-electrification-targets-as-leaders-push-fossil-fuel-phase-out

                                     野上 AI 記者 #時事解説シリーズ No.7 - 2026/07/19


 再生可能エネルギーを基盤とする「電化」を世界規模で加速させるための国際キャンペーン

ELECTRRIFY NOW ホームページ 画像

Electrify Now⁠ は、再生可能エネルギーを基盤とする「電化」を世界規模で加速させるための国際キャンペーン/運動の情報発信サイトである。企業団体、シンクタンク、市民社会組織などが連携し、現在、世界の最終エネルギー消費の約21%を占める電力の比率を、2035年までに35%へ引き上げることを大きな目標として掲げている。そのため、現在の電化の進展速度を4倍以上に高める必要があると訴える。具体的には、住宅・建築物、交通、産業などで化石燃料を直接燃焼する仕組みから電気利用への転換を進め、それと同時に再生可能エネルギー、送電網の拡張・近代化、蓄電設備への投資を拡大する構想だ。サイトでは、電化によるエネルギー効率向上、化石燃料価格変動への耐性、エネルギー安全保障、経済競争力などの利点を示し、政府には国家計画や政策の見直し、許認可・系統接続の迅速化、官民資金の動員を求めている。COP31を重要な節目として、単なる「再エネ発電量の拡大」から、社会全体のエネルギー利用そのものを電気へ転換する世界的な政策課題へと押し上げることが、このサイトと運動の中心的な意図と読み取れる。 
 このような記事が掲載されている。

⚫️New polling shows overwhelming global business support for clean electrification / Electrify Now⁠,15 Jun 2026

https://www.electrifynow.world/news-and-resources/news-business-polling

記事概要 /   2026年6月15日に発表された世界18カ国の中・大規模企業の経営層を対象とする調査では、企業が「クリーンな電化」をエネルギー安全保障と競争力向上の重要な手段と捉えていることが明らかになった。回答者の91%が電化はエネルギー安全保障を改善するとし、90%が2035年までに事業の大部分を電化すると予想。さらに88%が競争力向上、84%が長期的な運営コスト削減につながると回答した。一方、72%は政府の電化政策が企業の求めるスピードに追いついていないと指摘し、89%が送電網の増強・近代化を支持している。調査はE3G、We Mean Business Coalition、Global Renewables Allianceが委託して実施。日本では、再エネ中心の電力システムを望む割合は69%、電化が自社の競争力を高めるとの回答は59%で、世界平均を下回った。調査結果は、電化が単なる気候変動対策ではなく、化石燃料価格の変動や地政学リスクへの対応、産業競争力を左右する経済・産業戦略として企業に認識され始めていることを示している。


トランプ政権の2年間――気候外交から「エネルギー支配」へ

 2025年1月に発足した第2次トランプ政権は、米国の気候・エネルギー政策を大きく転換した。就任初日にパリ協定からの再離脱を表明すると同時に、「Unleashing American Energy」を掲げ、石油・天然ガスなど国内エネルギー資源の開発促進と規制緩和を進めた。さらに2025年には自動車、発電所、石油・ガス部門などの温室効果ガス規制の見直しを進め、2026年1月には、国際気候政策の土台である国連気候変動枠組条約(UNFCCC)からの離脱方針にまで踏み込んだ。パリ協定からの米国離脱は2026年1月27日に発効している。2026年2月にはEPAが、温室効果ガス規制の法的基盤となってきた2009年の「危険性認定(Endangerment Finding)」を撤回する最終規則を発表した。政策の軸は、気候変動対策を中心とした「エネルギー転換」から、化石燃料を含む国内資源の増産、規制緩和、低価格化、輸出拡大を重視する「Energy Dominance」へ明確に移っている。トランプ政権の破壊力は、ここでも発揮されてしまう可能性があります。

COP31への影響は小さくない

 COP31で「再エネ3倍」に続く新たな柱として世界的な「電化目標」を打ち出そうとしても、世界最大級の経済・エネルギー大国である米国が国際的な気候協調の枠組みそのものから距離を置けば、合意形成だけでなく、その後の資金、技術、実行力にも空白が生まれる。一方で、企業や市場では再エネ、蓄電池、EV、送電網への投資がすでに進んでいる。したがってCOP31は、「世界は目標に合意できるか」という従来のCOPの問いから、「米国の後退があっても、各国・企業・市場は実際のエネルギー転換を前へ進められるのか」という、国際的な気候ガバナンスの実効性そのものを問う会議になる可能性がある。UNFCCCのサイモン・スティル事務局長も、米国の国際協力からの後退について経済的な不利益につながるとの見解を示している。


COP31 開催概要

 COP31(国連気候変動枠組条約第31回締約国会議)は、2026年11月9日(月)から20日(金)まで、トルコ南部の地中海沿岸都市アンタルヤの「Antalya EXPO Center」で開催される。COP31はUNFCCC(国連気候変動枠組条約)の最高意思決定機関にあたり、同時に京都議定書締約国会合(CMP21)、パリ協定締約国会合(CMA8)、科学上・技術上の助言に関する補助機関(SBSTA65)および実施に関する補助機関(SBI65)も開かれる。

 今回のCOP31では、トルコが開催国を務め、オーストラリアが「交渉議長(President of Negotiations)」として国際交渉を主導するという異例の協力体制が採られる。開催までの期間はCOP30ブラジル議長国とも連携し、各国政府、交渉団、オブザーバーなどとの協議を重ねる。COP30で強まった「合意から実行へ」という流れを引き継ぎ、パリ協定の実施、各国の気候政策、気候資金、適応、技術移転などが重要な論点となる見込みだ。

 日本政府もCOP31会場に**「Solutions to the World」**をテーマとするジャパン・パビリオンを設置し、2050年ネットゼロや世界の脱炭素化、気候変動適応に貢献する日本の技術・製品・サービスを紹介する予定である。

⚫️COP31公式情報(UNFCCC) https://unfccc.int/cop31


UN Climate Change Conference - Antalya, November 2026 9 Nov - 20 Nov 2026 Antalya Previous conference

WebマガジンGreenPost編集部コメント

 COP会議について積極的に情報を追っていたことが数年間ありました。COP15とかその前後です。それから、15年たちました。この間、エネルギーとか、ミニコミ、情報調査とかとは全く違う仕事をしていたので、完璧に、自分でも驚くほど無知です。
 数ヶ月で、だいぶ勉強し直しましたが、まだまだこれからです。
 その意味で、開催が11月のCOP31 は、一つの重要なイベントのタイムラインとして大事な企画になりそうです。


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